紬の気持ち
紬の夫への愛は冷めていた。
勿論、最初は夫だけを愛していた。
結婚して間もなくから、夫は不在が多かった。
出張と残業で……。
紬は夫の不倫を疑ったが、探偵に依頼しても何も出て来なかった。
真面目に仕事をして疲れ切っているだけだった。
寂しかった。
帰宅した夫との会話が無かった。
夫は食事を摂り入浴すると、直ぐに寝てしまうからだ。
会う時間も、話す時間も、夫より上司の方が多くなっていた。
次第に気持ちは上司に向かっていった。
頼り甲斐があり、優しく……夫に求める会話も、上司とは出来た。
「お願いがあります。
ご相談したことがあるので、仕事の後、会って頂けませんか?」
そうメッセージしたのが最初だった。
二人だけで会ってからは、紬は急激に惹かれていった。
直ぐに男女の関係になってからの紬は、のめり込んだ。
上司との不倫関係に、のめり込んだのだ。
夫は相変わらず忙しく疲労のピークに達しているようだった。
そんな夫を関心も無くなって、今は不倫の関係から確かな関係になりたいと願うようになった。
それが、紬が犯した罪だった。
「貴女の夫は貴女以外の女性を愛しています。
貴女は、もう愛されていません。」
ベッドの隣で寝ている愛する男性の家のメールアドレスに送った。
捨てメールアドレスを使い、紬はメールを送った。
⦅どんな顔をして、このメールを読むのかしら?
誰が見ても大丈夫だわ。
この人が見ても問題ないわ。別れてくれるはずだから……奥さんと!⦆




