事故? 事件?
俺はすみれが無事だったことに胸を撫で下ろしていた。
すみれの顔を見られたことが嬉しかった。
俺はそんな自分の気持ちに気付きもしなかった。
付いて行った先に森下康彦と刑事らしき人が居た。
「あなた……康彦さん。」
「あぁ…………あ、木村さんもご一緒ですか。」
「はい。」
「すみれさんがね、私達から話して欲しいって……。
もう思い出すのが怖いって……。」
「そうだよな。
じゃあ、私から話をさせて頂きます。」
「はい、お願いします。」
「ここでは、なんですので……どこか座ってお話を……。」
「じゃあ、署に来ますか? めっちゃ近いですし。」
「ゲっ………。」
「ゲって……職場ですよ。」
「元!職場だ。」
「いいから、行きましょう。
僕も木村さんからお話を伺いたいので!
いいですよね。木村さん。」
「はい、私は何処でも結構です。」
「じゃあ、決定です。」
「えぇ―――っ。」
「康彦さん、行きますよ。」
「はい……なんで、知り合いが大勢いる所へ行かなきゃなんないんだ。」
「署長! 早く!」
「へい、へい………くそっ!」
すみれを病院の救急病棟に残して行くことが少し不安だった。
⦅命に別状はなさそうだけど……怪我の程度も何も分からない。
それに怖いって言ってた。怖いって………何があったんだ……。⦆
すみれの身に何があって怪我をしたのか、それを聞くのが少し恐ろしかった。
だが、聞かないことには何も分からないままである。




