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森下からの電話

その後は何事も起きず過ごせている。

俺の周辺にあの女性の姿らしきものは見えない。


⦅気にして見てなかったけど、今も何も無い。

 刑事の勘が当たらなかったのか?

 否、当たらなかった方が良いんだ。

 それにしても………そんなことがあるのか?

 覚えていないくらい同じクラスでも接点が無かったんだ。

 それなのに……今は違うのか?⦆


俺は気付いていなかった。

視線を……俺を見つめている瞳の存在を……気付いていなかっただけだった。

それは、突然やって来た。

仕事をしているとスマホの着信音が響いた。


⦅森川さんだ! 何かあったのか?⦆


俺は不安なまま電話に出ようと、廊下に出た。

廊下を歩きながら電話に出た。


「木村です。」

「木村さん! 森川です。」

「何かありましたか?」

「すみれさんが怪我をされて、今、病院です。」

「すみれが怪我?」

「はい。詳しくはお会いした時にお話します。」

「すみれは無事なんでしょうね。」

「あ………済みません。先生に呼ばれて……。」

「森下さん!」

「後程……。」

「森下さん!………森下さんっ!」


電話は切れた。

俺は恐怖に包まれて佇んでしまった。


「病院へ行かなくっちゃ……病院へ……。」


俺は上司に「妻が怪我をして病院に居ます。今から病院へ行きます。」と言って直ぐに向かおうとした。


「木村君、奥さんの怪我の程度は?」

「分かりません………行かなくっちゃ……済みません。行きます。」

「木村君、動揺しているようだが、落ち着きなさい。」

「落ち着いています。」

「落ち着いてないよ。」

「あの、行かせて下さい。」

「落ち着きなさい。

 落ち着かないと君が事故に巻き込まれるかもしれないからね。」

「………済みません。でも、今から向かいます。

 早退をさせて下さい。お願いします。」

「気をつけて行きなさい。いいね、気をつけて行くんだよ。」

「はい。」


振り返ると部下たちの視線を一斉に受けていた。

その中に紬の視線もあった。


「済まない。早退する。

 仕事のことは頼む。」

「はい!」

「お気をつけて!」


俺はそのまま会社を出た。

電話で聞いた病院へタクシーで向かった。

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