すみれからのメッセージ
俺は紬の誘いを断って家に帰った。
家は真っ暗だった。
リビングの照明を点けた。
「おい、すみれ。居ないのか?
まだ帰ってないのか?」
3LDKの全ての室内ドアを開けた。
寝室や他の部屋だけではなく、浴室もトイレも……全て開けた。
妻が居ない。
「すみれが居ない……何故なんだ。
実家に帰ったのか?」
急いでメッセージを送った。
「実家に居るのか?
どこに居るのか知らないけど、ちゃんと連絡しろよな。」
そう送って俺は大きなため息を漏らした。
「はぁ~っ、なんでこんなんなんだよ!」
妻がスマホを見たようだ。
既読が付いた。
「やっと見やがって!
早く返信しろ!」
暫く待った俺は、妻の返信メッセージを信じられなかった。
「奥さんのスマホからメッセージを送っている。
奥さんを閉じ込めている。」
⦅はぁ~~~っ? 何なんだ。これっ?⦆
「奥さんを探し出せるかな? 貴様に。」
「おい、すみれ! お前何を考えてるんだ。
なんで、こんなのを送るんだ!」
「奥さんが送っていると思ってるのか?
そんなに奥さんのこと嫌いなんだな。」
「何を! もう止めて早く帰って来い。
家のこと何もしてないじゃないか!」
「可哀想な奥さんだな。
これっぽっちも愛されてない。」
「おい、 いい加減にしろ!」
「分かった。」
「そうか、じゃあ早く帰って来いよな。」
「おい、返信しろよ。すみれ!」
「すみれ! 無視すんな!」
⦅すみれの奴っ! 馬鹿にしやがって! 覚えてろよ!⦆
メッセージのやり取りは、そこで終わった。
妻のスマホから送って来なくなったのだ。




