朝の出来事
「ニカチャウにご飯はもうあげた?」
ふかふかソファでむにゃむにゃ二度寝気味のときに、ラワンさんがさらっとそんなことを言うものだから、あ、そうだと思って朝ご飯のクロワッサンを持ってふらふらとお庭に出て、五本ある木のうち三番めに背の高いテトテトの木の前まで来てみました。ぽかぽかとした風がふわっ。
「ニカチャウニカチャウ」
、、、無反応。
幹をたたいてみる、トントントトン。
、、、無反応。あれれ。もう一回。
トトタトトタトン。トトタトトタトン。
、、、
シャカシャカシャカ。
あ、いるいる。トトトトタンタンタン。
ぴょこ、、、っと顔をだしました。と思ったら口もごもごしてなんだかうれしそう。あ。あれ。そういうことか。さっきご飯あげたじゃないか。クロワッサン。二個めじゃないか、クロワッサン。振り返るとニヤリとするラワンさん。なんだこれ。なんか悔しい。
木からのそのそもそもそおりてきたニカチャウの足元には星屑草がきらきらぴかぴかな花を咲かせていました。ああそんな季節だねなんてラワンさんが言ってみんなで見上げた空には五羽のアネモネ鳥たちが赤や黄色やピンクや水色の花びらで天の川をつくっていました。