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心の声が聴こえる

作者: 雉白書屋

 うちの大学の教授は天才と名高いが発明狂であり、学生たちに怪しげな薬を飲ませると密かに噂、また、それとなく注意喚起がされている。

 ……が、単位に加え治験代もくれるというので貧乏暇なしの俺は、どどめ色した液体を喉の奥へと流し込んだのだった。


「どうだね。心の声が聴こえるかね?」


「えっと、まだ、あ……」


『あああ、なんて可愛い目をしているんだ。ペロペロペロペロ舐めたあと、ちゅぱちゅぱとしゃぶり、ころころと口の中で転がしたい。

ああ、そうだ。玉を、玉を袋ごと口いっぱいに頬張りたいんだぁ』


「どうだね? あ、どこへ行くんだね!」


 教授の心の声を聴いた俺は、すぐさま研究室を飛び出し、廊下を走った。 

 狂ってやがる! マッドだ! マッドサイエンティストだ! わかってはいたが、まさかあそこまでとは!

 俺に聴かれるとわかっていながら、よくああも平然としていられたな。露出狂だ! ド変態だ! 色ボケの気狂いだあの教授は。

 そう、心の声。教授が俺に飲ませたのは言わばテレパシー薬。頭の出来が悪い俺は小難しい説明が全く耳に入ってこなかったため仕組みはよくはわからないが実際、聴こえたのだから信じるしかない。

 こんなことになるとは、だが大丈夫だ。落ち着け。薬の効力はそう長くはないと教授が言っていたのは覚えている。

 しかし……うぇ、思い出したら吐き気がしてきた。爛々とした目。奴はあの目で俺の股間を舐めまわしていやがったのだ。

 

「ん? おい、カザマか? 大丈夫か? そんなところで蹲ってどうした? 具合悪いのか?」


「ああ。ハヤミか、まあ、へ――」


 平気だ。そう言おうとして遮ったのは奴の声。無論、心の声だった。


『ああ、チンコチンポオチンチンチンチンが目の前にある!

むしゃぶりついて一気に元気にしてやりたい。高くそびえるチンポタワーに昇り、射精の花火を眺めたあと、反った部分から一気に滑り降りたい。

尿のウォータースライダーだ。流れ混じる精子の残り汁を口の中でクチュクチュし、飲み干したい』


「カザマ、おいどうした口を開けてさ、あ、おい!」


 大変大変変態変態。大変な変態だ。まさか学友、いや親友といっていい。それがまさか小人願望がある変態夢想家だったとは!


「おっと、ヘイ、カザマ! 危ないヨ」


「ああ、すまん、マイケ……」


『お前のケツを掘って掘って掘りまくりたい。

お前が垂れ流す粘液性の血の糸を引いた糞を顔に塗りたくって泥パックにしたい。

ワールドサイズのペニスだ。しゃぶりがいがあるだろう』


「あ、あああああああああああ!」


 真面目でおとなしめな留学生のマイケルが、まさか俺の肛門を狙う国際スパイだったとは。

 奴とはスーパー銭湯も行ったことがある。情報は駄々洩れだ。ガバガバのガバ。アナルもそうされちまう。掘られ掘られ温泉発掘白濁の湯に浸かりあ、あ、あ、あ――


『おいおい、無防備なケツだなぁ』

『イージーパンツは剥くのもイージーだぜ』

『その包装紙の中身は包茎バナナァ』

『おいおいおいおい、こんもりと位置が丸わかりだぜ?』

『右曲がりのチンコ。真っ直ぐチンコに』

『すかした態度。チンポは正直』

『ポケットの奥のモンスターを拝みたい』

『イケメンのチンコ。ブサイクのチンコ。本当のチンコ好きには関係ないの』

『よくもまぁチンコなんてないですよって面して歩けるなぁ』

『チンコを隠す為だけにそんなオシャレする必要ある?』

『一寸のチンコにも五分の耐久力』

『オー・チンポシャンゼリゼ』


 ――あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…………



「……ん、ああ、戻って来たか。急に飛び出して心配したぞ。それでどうだった? 心の声は。

ま、良いばかりではないだろうが大切なことなんだ。自分の心の奥底を知るのにはな。

カウンセリング業界でも、催眠術などで自分の悩み、幼少期のトラウマなどを蘇らせることがある。それで今直面している自分の問題を見つめ、そう、本当の自分と向き合い、そして、ん? なんだ、しゃがんでどうした? おい。私のベルトを、何かに使うのか? おい、おい、あ、あふぅ……」

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