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期待に、弱いんですぅ……

 結果から言うけど、ノーダメで勝てた。


 いや、なんか思考加速入ってるのもあるけどゴブリンのろすぎた。なんかスッと行ってザシュッとすればすぐに終わった。あとはそれを3回。まさかゴブリンは……弱い?そりゃそっか、5歳でも勝てるんだもんね。ただ《叡知》の特殊モード使ってるあたりちゃんと人より劣ってるだろうけど。


 しかし残念ながら倒したゴブリンがアイテムになることはなかった。棍棒3本は重いし、放置。


 ……不潔そうだしあまりゴブリンの身ぐるみ剥がしてまで、とはいきたくない。普通の依頼はちゃんとこなしたからお金は充分だ。でもマリーさんとかに褒めてもらえるかもしれないので嫌々ながら魔石を心臓部分を切って抜き取る。


 この魔石をギルドに持っていくとお金がもらえる。退治してくれたからよくやったねボーナスみたいな感じで。


 でも返り血とかは浴びたくないので短剣をちょっと長い木の棒に括りつけて心臓周辺を大きく切り取り、逆さにして魔石を取り出した。直接は嫌なので大きめの葉っぱにくるんで持った。


 あとでその光景を見てた冒険者が「ゴブリンの死体になんかいろいろやってる怖い幼女がいた」と騒ぎ立てて、さらにはその人が幼女を恐れるようになったと言うけど、それは別の話。


「えっと……これ、一人で?」

「ひゃい……」


 私はマリーさんに対して相変わらずのコミュ障を発動しつつもしっかり魔石と薬草を提出した。話しかけられてるあたり私は日本にいたときより遥かに成長している。この一歩は小さな一歩でも、私にとっては大きな一歩だった……


「な、言っただろ?」

「ひぇ……」


 ギルド長が現れた。逃げたい。今すぐ帰りたい。私が大きな一歩を踏み出したのは気のせいだったみたいだ。すみませんもう2度と調子乗らないんで許してください。


「ギルド長……まさか、これを“見て”?」

「さてな。もっと凄いものかもしれないし、あるいはこれを見たのかもしれないな。」


 何の話をしてるんだろう。


「ごめんね、ネガちゃん。私が貴方の能力をちょっと見誤ってたのかも。」

「ぇ……?」


 何を……言ってるんだろう……この下級人類の私に……


「普通駆け出し冒険者ならゴブリン退治なんて一人一匹いけるかいけないかなんだけどな。……まぁ、あんなもん“見せ”られた以上こんくらいはいけるとは思ってたけどよ」

「この人──フューズギルド長はね?《未来視》の能力を持ってるんだ。それでネガちゃんの未来を視て、採用の判断を下したらしいの。」

「!???」


 え、待ってほしい。私は5歳でもゴブリンを倒す光景を目にして「へー……今の子供は5歳でもゴブリン倒せるのかー……凄いなー……」とか思ってた。


 でもよく考えたら普通に5人くらいで囲んで叩いてたし、どこかで聞いた話でしかないけど「子供もいざというとき戦える戦士に育てるため、トドメを刺させたりする場所も多い」とか……あ、私は嫌われてたしね。いざって時は殺せばいいとか思われてそうだったし、てかきっとそうだから戦力とかいらなかったんじゃないかな、うん、やっぱ私だよねー……


 あとの独白?はさておき、つまり私は……盛大な勘違いをした結果「俺またなんかやっちゃいましたか?」の無自覚チート主人公みたいなことになってる……!?


「いやー、ゴブリン3体ノーダメ撃破か……それって確かCランク冒険者がようやくできるくらいでしたよね……」

「あぁ、そうだな。そう考えるとお嬢ちゃんのFランクってのも変えた必要が……」

「え゛……」


 待って、ランクが上がる?


 それってつまり危険な仕事任される率上がるってことだよね?


 ランク上昇→危険な仕事→怪我、痛み苦しみ、死の可能性


 駄目だ、それだけは阻止しなきゃ……


 しかし、しかし!


 やはり私ではそう簡単には発言ができない。


 あまり期待されないぼっち特有の症状の一つだ。“誰かに期待されるとその期待を裏切れない”である。


 私のような存在だと特に、期待されるという経験が少ないどころかほぼない。認識されてるかも怪しいやつに期待をする事がないだろうし……されたとしても「掃除やっといてー!忙しいから!」みたいな期待といっていいのかわからない期待ばかりだ……それでもやっちゃうんですけどね、はい。


「きっとお嬢ちゃんがランクを上げればランクに見合った仕事をしてくれるだろうからな!」

「年は気になりますが……見た目で判断するのは良くないって学びましたしね……」

「ぇっと……」


 駄目だこれは。私には発言できない。場の空気を壊しかねない発言が私ごときにできるとでも?それができるならコミュ障やってないんで……


「じゃあネガちゃん、とりあえずDまでは上げちゃうね。それくらいの実績持ってきてくれたし。」

「頑張ってくれよ、未来のエース。」


 ……これは無理。


「……鋭意努力させていただきましゅ……」

 なんだかめちゃくちゃ高評価いただきました。ありがとうございます!

 ブクマももう10いったことにはしゃいでます。

 ちなみに今は決まった時間に投稿するか考えてます。結論出たら告知します。

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