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目指せ第3の街 しかし彼女はコミュ力が……

 私は一人辺境の村から逃げだし、3つ目の街を目指して歩いていた。


 《叡知》を得てから2年間も猶予が貰えたのは最高だった。お陰でだいぶこの世界についても詳しくなった。


 結論から言うと、ここはRPG世界だった。


 まず最初の街と言える場所に、現在7歳で私と同い年の勇者がいる。


 まぁ街というか国だったけど……神聖国ファウスト。そこに勇者がいて、たぶん冒険はここから始まる、と予想してる。


 そして予想通り神聖国周辺は雑魚ばっかりだった。そして魔王城の方向に向かうにつれて敵が強くなるいつもの?仕様だ。


 というか思ったより世界は広かった。魔王城は魔界という別ステージだった以上人間界のみでもだいたい街よりも国換算だ。


 そして私が目指す3つ目の街……いや、3つ目の国は探したら見つかった。


 サードラ公国。そこが私の目指す場所。


 規模は普通。人工も普通。取り立ててこれといった名産品もなく、THE普通の国だ。


 セカンディア王国は残念ながら1つ目の国に近すぎる。やはり3つ目の国か。3つ目こそ正義なのか。


 ……でも着いたら何をすればいいんだろうか。さすがに7歳の子供の労働は許してくれそうにない。


 かと言って孤児院とかに行くのもなぁ……いいところならいいけど、悪いところだと売り飛ばされかねない。


 と、言うわけで《叡知》さんの出番です。


 《叡知》を発動すると目が目の色に輝く。私は青い。綺麗だけど否めない厨二感……ちなみにその時私の視界には検索画面的なアレが映るようになる。


 そして念じると知りたいことについての検索結果が出るのだ。


 この能力の凄いところとして、まず知りたいことはなんでも知れる。しかもあまりやらないけど脳に直接情報を送って一瞬で覚えることまでできちゃうのだ。凄い。


 何よりも、使用中は思考加速状態に入る。手に入れた当初の私は現実世界で6分、加速状態では1時間ほどしか扱えなかったけど、今は30分……加速状態にしてなんと5時間は扱えるようになった。


 最も私の身体の動き自体も遅くなるんだけど、魔力様の力で10倍までスペックを上げればいつも通りというゴリ押しでなんとか……


 他にもいろんな活用法があったりして超便利。そしてもちろん調べるのは「7歳が生活していく方法」です。


 結果……7歳でも稼げるのは実力主義の冒険者業や、ヘキサニア帝国の騎士団くらいなもので、やはり冒険者しか道はないらしい。


 嫌だなぁ……冒険者とか危険と隣り合わせじゃん。私としてはギルドの受付嬢とかがよかったんですけど……


 まぁでも薬草採取ガチ勢になればなんとかなる、かもしれない。


 私には《叡知》があるので薬草の生えてる地帯とか結構わかる。それらを活用して効率良く稼げば楽な暮らしもできるはず……?


 一応どうせ滅ぼされるならってことで幾つかお金やお金になりそうなものをぬす……貰ってきた。たぶん大丈夫、たぶん……


 ということで冒険者ギルドに訪れました。


 ちなみに私の住んでた辺境からはだいたい60kmくらい?離れてたけど魔力使って走り抜けたらすぐだった。まぁでもこんなの誰でもできるだろうから何の自慢にもならないけど。


 ニッコニコの笑顔で応対してくれる受付嬢さんの放つその眩しい陽キャオーラに私は浄化されかけたけど、なんとか耐えた。この人のこの笑顔は私に向けられてるのではなく仕事に対する情熱が私ごときにも下手な対応は許さなかったんだろう、そうに違いない。そう思う事でなんとか耐えられた。


「こんにちは、お嬢ちゃん。冒険者ギルドに何の用事かな?」

「ひぅ……」


 あ、冒険者登録するにも会話は必要だった……私としたことが生き延びたからって安堵しすぎたのかもしれない。脅威は日常の中に潜んでるんだ……


「あ、すみませ、その、ぼ、冒険者登録、を……」


 かと言ってここで何も言わないわけにはいかない。ミジンコにも意地はある。今後生き抜くためには必要なことなんだ……そう思ってなけなしの勇気を振り絞った。


「えっと……冒険者登録?キミが?」

「はぃ……」

「うーんとね、冒険者っていうのは危ない職業なの。もちろんその危なさに応じた報酬は出るけど……来る者拒まずとは言え、キミみたいな子供はちょっと……」

「え、えっと、その」


 私としては「そんなの構いませんよ!冒険者にならなきゃならない事情があるんです!もちろん覚悟はしてますし危ないことにはできるだけ手を出しません、なのでどうか登録してください」くらいは言いたいんだけど、先ほどなけなしの勇気を振り絞った私にもう勇気は残っていなかった。どうしよう……


「いいじゃねぇか、登録してやれば」

「ギ、ギルド長……」

「!?」


 奥から怖いおじさんが出てきた。確かギルド長と呼ばれてたけど、怖い。めっちゃ怖い……何を要求されるのかわかったもんじゃない。私は関わらなかったけど高校のクラスにいたDQNと呼ばれる人種によく似てる……


 私は男の人が全体的に苦手だ。強面のおじさんも嫌いだし優しげなフェイスのイケメンも嫌いだしなんなら無邪気に見える子供すら苦手だ。かつてネットの海でSMとか凌辱系の同人誌を見たその日から……つまり無理です。


「しかし、彼女は子供で……」

「事情があるんだろうよ、それに……」


 チラリと私に視線を向けてきた……やめてください、私はお金持ってないんですぅ……それにまだ7歳のボディですぅ……


「俺の能力がコイツを登録してやれって言ってるんだよ。損はしねぇはずだぜ?」

「それでしたら、まぁ……」

「ぇ……?」


 と、とりあえず登録はしてもらえるのかな……いやでもやっぱ何か裏が……?何を要求されるんだろう……


「おう嬢ちゃん、お前もそれでいいか?」

「ひゃい……」


 しかし私ごときミジンコには、たとえ怖くとも断ることなどできないのだった……

 お昼から用事あるんで頑張りました(どうでもいい)

 あとブクマ増えてましたありがとうございます!

 じゃあ……また明日あげるんで……

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