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きっと幸運は倍の不運で返される(あくまでも個人の意見です)

 5歳になった。


 ここまで「親が会話をしてこない」とか「村人に敬遠されている」とかを除いては不運がなかった。これは何かよくないことが大きく来たりするのかな?……嫌だなぁ。


 ちなみに私が嫌われていた理由としては目の色があげられる。


 私の容姿は凄く整ってる。美少女……まだ美幼女かな。5歳の今でもかなりだ。まぁこれの収束する不運は今は考えないものとして……とりあえず銀色のストレートのキラキラした髪に、蒼穹の如き蒼の瞳を持っている。


 しかし、しかしだ。髪の色は母親譲りらしいのでいいとしても……母親も父親も、目の色は違うのだ。


 母は紫、父は金。


 うん、私誰の子?生まれてきた瞬間に母親はチラッと見たので母親からな事は間違いないけど、父親誰……?


 てなわけでたぶんそれが原因でも私は嫌われてる。


 そんな私の名前はネガだ。ネガティブから取ってるんだろうか……私にピッタリすぎる。


 まぁそんなことより、情報が生殺与奪を握るみたいな話をしたけどここまで情報を得る機会には恵まれず。


 まぁ唯一よかったのは魔力操作はそこそこ上達したことかな……少なくとも前世の私のトップスピード(50メートル走10.7)を越えたのは間違いないし、握力もかなりいってる気がする。


 そんなわけで思ったよりちっちゃい不運に気味悪さを感じつつも5歳まで生きてきていたんだけど……


 私の目の前には今、神様的なアレがいた。うーんヤバい。


「異世界より訪れし者よ……」

「あ、ひゃふ、ひゃい……」


 そういえば私の心情描写だけを聞く者がいたとすれば「あれ?これでコミュ障のぼっち?」と疑問に思った人がいたかもしれない。


 しかしそれは大きな間違いだ。


 そもそもぼっちがコミュ障になる瞬間というのは「他者と会話をする」からである。


 つまり会話をしていない時はかなり安定しているのだ。


 さらに言えば他者と話さない分1人で物思いにふける時間が多くなる。だから考えることは結構ある。


 でもそれが会話となると無理なのだ。普通に無理。声は上擦るし言葉が出ないから「あ、」と「えっと、」が必ず喋る前に口から出るし、相手がたくさん喋る人だったりするとすぐに脳がショートして理解すらできなくなる。生きててすみませんって謝りたくなる……


「……あの、よろしいでしょうか?」

「ひゃい!……ど、どうじょ。」


 あとすぐに噛む。


「貴方は地球という星で死にました……」

「……」

「そしてこちらの世界へ転生されました。そろそろ理解も追いついてきたのではないでしょうか?」

「…………」

「貴方を転生させてしまったことにはお詫び申し上げます。しかし、やってほしいことがあるのです。」

「………………」

「この世界は現在、魔王が復活しそうになっています。勇者もいることにはいるのですがまだ幼く……到底世界など救えません。」

「……………………」

「故にそれまでの間世界を守っていただきたく」 

「無理ですぅ!」


 あ、私がいきなり喋ったから神様さんがビクってしてる……すみません、でも世界守るとか無理です。これもコミュ障特有の症状、「変なところで発言して相手をビビらせる」だ。しかも自分の声は小さくて聞き取って貰えないことがほとんどだから大声になる。よりビビらせる。いいことは何もないしむしろ罪悪感とか混ざってくるので本当にダメ。


「……も、もちろん今の状態で救えなどとは言いません。世界を守るのも貴方一人ではないですし、それに一つ。」

「……?」

「貴方に、チート能力と呼ばれるものを一つ、さしあげましょう。」

「…………」

「もちろんどんな能力もありますよ?全てを切り裂く剣、あらゆる物から守る盾。どんな魔術でも使える才能も与えられますし、神の奇跡と言われる神聖魔法でも使えるようになります。」

「………………」

「何者にも負けぬ鋼の身体、どんな的でもワンパンする拳、どんなものより速く走り抜ける脚、あらゆる情報を知る事だって……」

「え……?」

「……あ、何か気になるものがありましたか?言ってみてくれて構いませんよ?」


 どうでもいいことではあるけどこの神様はいい人だ。人じゃないけど……コミュ障で全然話せない私に対しても温厚に接してくれるし、ちょっと漏らした言葉なんかに対してもしっかり反応してくれる。マジでいい人……


「あ、えっと、その……あらゆる情報、知りたい、です。」

「そうですか!ではさしあげましょう。能力名は《叡知》です。世界の理や神について、そして未来のことや自分自身の事以外は森羅万象のなんでも知ることができる能力ですよ!」

「っひ……あ、ありがとうございまひゅ……」

「いえいえ!思ったより早く決めて頂いたのでこちらとしても感謝ですよー!では!」


 そして神様は帰っていった……


 それにしても……神様(いい人)と出会ったり、チート能力の情報なんでも知れる《叡知》なんて貰ったり……これは……


 不運フラグだろうなぁ……たぶん5歳までで全部の運使い果たしてるし……今後が心配すぎる……


 その私の予想は外れた……などということはなく。


 辺境の村は魔王軍に燃やされて全部なくなった。《叡知》で魔王軍の軍略読んでなかったら死んでた。7歳の出来事だった。

 今日はあと1話あげる、かもしれません。

 今日あげなければ明日です。

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