目指せ、恐ろしく速い……
無理です。
と言いたくなったけど言えなかった。うるさいなコミュ障だよ悪いか。
「確かに君がかなり有能であり、そして【幻帝】を倒したのであろうことはわかった。だからこそ……」
「悪いな、ネガ。コイツは……アランは確かに常識人なんだが、ちょいと戦闘狂なとこがあってな。相手してやってくれ。」
そんな理由で巻き込まれる私、可哀想じゃない?
しかし困ったなぁ……戦闘ともなれば《叡知》がバレかねない。どうにかするすべがないわけではないけど、あまりお披露目したくないんだよなぁ……
というか私ごとき一般人の相手をするくらいなら【幻帝】とかの魔物を倒しにいってほしい。そしたら私がこんな目に遭うこともなかったんだぞ!
そんなことを考えている間に私はギルドの闘技場?的なところに連行された。うっわやりたくない……
私はひっそりとアランさんの能力を調べた。《鑑定》らしい。王道だけど《叡知》には劣るかな。ちなみにそしたら既に私の《叡知》がバレてそうなものだが、そこは有能《叡知》さん。私の事を思ってか妨害しといてくれた。やだ惚れそう……てか《叡知》の有能さに対して私の無能さがヤバい。
「どうやら僕の力でも君の能力は読めないらしい。だからこそ燃える。見せてもらうとしようか。」
「それでは、ネガさん対アランさんの模擬戦を始めます。どちらかの気絶、または降参宣言によって決着とします!……では、はじめ!」
待って、降参できるの?それなら一発で降参危なっ!?
私が降参しようとしているとめっちゃ速い速度で来たアランさんに斬られかけた……殺しにきてらっしゃる?
……まぁ、よく考えたら私の実力測ろうとしてる相手に降参はよくないってわかったからよしとしよう。では私の手を打つか。
「《幻霧》」
フィールドを霧が立ちこめる。
私の……ではないけど新能力、《幻霧》。
剣入手と供についてきたこの能力は《幻惑の霧》の劣化能力みたいなもので、魔力を使用して視覚のみに作用する幻覚を発生させられる。
ちなみにオリジナルの《幻惑の霧》に関しては実は嗅覚と聴覚にも作用できたらしい。《叡知》で見抜けるから問題なかったと思ってたけど実は凄かったらしい。
……なおゲンムと言ってもあの仮面◯イダーではない。自分の才能に酔いしれたりしないしブゥゥゥンとか言って変身しないし主人公の重要な秘密を嫌がらせでバラしたりしないし「私は……神だぁー!」とかは言い出さない。連想しても同じにされたくない……
脳内に湧き始めた自称神のせいでだいぶ集中力が乱れた。アイツは忘れたくても忘れられない男と言われるだけあるということか。迷惑この上ない……
「ほう、霧か……しかも【幻帝】と同じような性質らしい」
バレてるなぁ……まぁいいや。私は幻像の私を突っ込ませつつ気配を消して移動を開始する。《叡知》は絶対に使わないもんね!
ちなみに私の気配操作(薄くする方に限る)は一級品である。班行動とかの時に空気に徹し続けた私の気配を捉えられるかな?……悲しくなってきた。
ちなみにだけどこの霧は発動者の視界は普通に良好になるという利点がある。良好っていうかあんま普段と変わんない。
……これが魔物とかなら突っ込んで斬って終わりでいいと思うんだけど、人だしなぁ。
悩んだ末に私は……ロマンを一つこなすことに決めた。
皆は知っているだろうか?“恐ろしく速い手刀”を。私じゃなきゃ見逃しちゃうやつだ。
アレの改造版として、恐ろしく速い峰打ちをする事にした。やり方は《叡知》が教えてくれる。
身体に魔力強化をかなりする。最速のスピードで、最高の峰打ちをするために。もちろん力を入れすぎて首の骨を折ったりしたら私が死ぬし、力が足りないと気絶に持っていけないのでそこら辺も絶妙な調整が必要となる。
……私は何をしているんだろう?まぁいいや、深く考えたらしいよくない気がするしやろ……
私は一気に踏み込んで首に峰打ちを……
「なるほど、確かに強いね。でもまぁ経験が足りない、かな……!?」
まぁ予想通りだったかな。
《叡知》の解析能力で既にアランさんの事はだいたい理解している。
彼の能力が《鑑定》のように見えてその実違う能力であることとか、ね。
彼の持つ《鑑定》は私の《幻霧》のようにアーティファクト……でいいのかな、それによってもたらされている能力だ。
彼の本当の能力は《分身》で、私が突っ込むのを待って倒すつもりだったんだろうなぁ。
でも私もただの霧じゃなくて《幻霧》だし……普通に戦法を“知って”いた以上は別に警戒とかはいらない。
幻像を突っ込ませて本体を視認し、動揺してるうちに倒すのが私の今回の攻略法だ。
……なんかもう完全に正攻法とは言えない汚い戦い方だよね……申し訳ない……
しかし私の安寧のため、現れた本体に私は伝説の?恐ろしく速い峰打ちを決めた。ロマンが1つ満たされてちょっと満足した。
なんか久しぶりな気がしますね!
体調は戻ったのでまたちまちま書いていきます。
評価ポイント100、ありがとうございます!とりあえず目指せ1000でやっていこうと思います




