注目が……視線が……おえ
私が【幻帝】を倒して帰還したと知られると、もうとんでもない大騒ぎになった。
いやね?元々は私もそんなことを知られるつもりはなかったんだよ。「【幻帝】?たぶんどっかに去ったんじゃないですか?」ってスタンスのつもり……だったんだよ。
なんか、【幻帝】さんはドロップアイテムをしなさったのだ。
私は倒したあとはじゃあ、いつか流浪の剣士にでも倒されたことにしたまえって感じだったんだけど……私が去ろうとした瞬間、ズルッと刺さっていた剣が落ちたんだ。
……うん、だからどうしたって思うじゃん?私も放置するつもりだったんだけど……去ろうとした瞬間、なんかオーラ的なアレがぶわっと出てきて……「持っていけ、さもなくば殺す」と言わんとする思いが伝わってきたんだよね。
まじかー、誰かに見られたら詰むなー、私が倒したとか思われたくないなーって思ってたんだけど……圧に弱い陰キャな私は普通に持ち帰ってしまった。
で、街の門を軽ーくスルーするつもりではあったんだけど、裸身の剣を持ってる以上、普通に話しかけられ。
まぁコミュ障ですし?もちろん私から口を挟むつもりはないというかできなかった結果、「これはもしや……あの黒騎士が【幻帝】に刺したと言われる剣では!?」って一人が言い出し、もう一人が「あぁ、俺はかつて書籍で見たことがあるが……間違いない。これはあの伝説の剣だ!」って言い放って。
私としては「違うよ?普通に落ちてただけだよ?【幻帝】?黒騎士?ちょっと存じませんね……」って言いたかったんだけど実際は「う……うぁ……」しか言えず。
そのうちに一人の人が「俺、冒険者ギルドに伝えてきます!この人有名ですし!」って言い出してさらに私は「!?」ってなった。いつの間に有名になってたんだ。
後から聞いた話によれば、以前同行した『紅の四剣』の皆さんが私の凄さを伝えるべく盛った噂を街中で話してまわったらしい。無駄にご近所では彼らの評判が高かったこともあって普通に受け入れられたとか。
……恩を仇で返されるってこの事かぁ、あとなんでご近所付き合いいいんだよ、荒くれ者の冒険者ってイメージが台無しだろうが。なぁんて思ってしまった……口調も変わるというものである。
そしてトントン拍子でギルドに連行されてフューズさんの確信してるような「お前がやったんだろ?ん?怒らないから言ってみ?」的な圧に押されて「はぃ……私が倒しました……」と言ってしまった……
まぁでも確かに?めちゃくちゃ注目されることと引き換えに遊んで暮らせるくらいのお金が貰えるかもしれないと考えれば悪くない、そう思うことにして私は引き籠もった。
……思えばその時にずっと引き籠もって出なければよかったんだろう。
どうやってか私の住む?宿屋を特定したマリーさんにギルドに来てと言われて「お金貰えるかな……」と思ったのでついていったんだけど、それが間違いだった。
今、私の目の前には超絶爽やかイケメンがいる。その爽やかスマイルの裏に腹黒が隠されていそうで恐ろしいことこの上ない。てか誰。
「やぁ、こんにちは。僕は神聖国ファウストの魔術学園で学園長を務めたりしている者でね、アランと言う。君が噂のネガさんかな?」
「ぁ、はい、そうです……自分ネガです……」
「そっか、それでね?最近僕は面白い噂を耳にしたんだ。」
ヤバい、もう吐き気がしてきた……こんなやつと一緒にいられるか!私は宿に戻るぞ!そして引き籠もるんだぁぁぁ……
「なんと、齢7歳の女の子が伝説のSランクの魔物、【幻帝】を倒したらしい。にわかには信じられないんだけど、フューズギルド長が太鼓判を押すようでね……」
……まさかとは思うけど私に入る予定のお金を回収しに来たのだろうか?
ちょっと待ってほしい、私はもう既に充分な注目を浴びた。その分の代金として【幻帝】の討伐料金は頂こうと思ってたのに……まぁそれはそれとして私が「金出せ」って言われたらたぶん圧に負けて出すので無駄な抵抗はやめなきゃかなぁ……
「あ、そうそう。君が倒し、手に入れたという剣、見せてくれるかい?」
あ、剣が目的?私としては持っていってくれても構わないっちゃ構わないんだけど……でもなぁ。
そう思いながらも抵抗などせずにポイと剣を出す。
漆黒の両手剣で、前刺さってた時は黒かっただけなのに今は謎の白ラインが入ってる。なんだろうねこれ。
「ふむ……どうやら本当にあの「魔喰の大剣」のようだね。ちょっとおまけはついてるようだけど。」
「ぁのそれ……持っていきます、か?」
「いや、無理だね。この剣は君以外に使えるものではなくなってる。【幻帝】の強い意志が伝わってくるよ。」
そう言ってアランさんは爽やかスマイルを浮かべた。……一体その裏でどんなことを考えているんだろう。私は真剣に逃げるべきかな?
「さて、どうやら君が【幻帝】を倒したのは間違いないみたいだ。だけど僕にはまだちょっと信用できない。」
まぁ、でしょうね。
「そこでだ……僕とちょっと手合わせしないかな?」
というわけで今日はこれで以上ですね……
麻雀を進められたので始めたら執筆に支障がでることがわかったので自制しながら投稿ペース守れるように頑張ります。




