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私という人はちょっとアレ

 ……げんてい?何の限定だろう。


「ここがやつのテリトリーに変わっちまってる以上抜け出せるかはお嬢ちゃんの運次第だが……きっと伝えてくれ。そうじゃないと街が……」


 調べたところ限定ではなく【幻帝】だった。Sランクのめちゃ強魔物らしい。何でも《幻惑の霧》という能力を持っているらしく、テリトリーに入ったら生きて帰るのはほぼ無理らしい。


 ……は!?私詰んでない!?


 と思ったけど幻惑効果なら《叡知》で正解探せばいっか。心配して損したなぁ。……前世の私だったらフラグになってそう……今世なんかちょっと運良いっぽいんだよね。調子乗ってて殺されるかもだから自重しますけどはい。


 死にかけさんの視線が私を見ている……あそっか、意思を見せないと。とりあえず頷いておく。


「……頼んだぞ……俺らのパーティ名は、『英、雄の、み……ち……」


 そう言って力尽きてしまった。ご冥福を。


 私がなんで動じてないのか気になる?てかこの世界に来てから誰かに見られてるような感じがすごい……つい解説とか入れなくなるくらいにはね。


 それで言ったらためらいなく魔物を殺せる理由とかもかなぁ……まぁそっちはメダカ全滅させた時より罪悪感は感じないってだけだけど……命大切にしてなくてすみません……


 私が動じてないのは前世で殺人鬼に遭遇したことがあるってだけなんだけどね……中学の時に突如学校に入ってきて道を塞ぐ者を見せしめに殺してテロリストよろしく「ここに立て籠もる」とか……


 結局その事件はなんとかなったんだけど、その時に警察に連絡しようとした先生を明らかにR-18Gな感じで拷問して殺す様を見せしめにさせられたからなぁ……今更普通に死にかけくらいじゃ……って感じである。


 その学校は結局私が死ぬまでも普通に閉鎖されてたし、その光景を見た人は大半がトラウマになってお家から出れなくなってたりした。


 ……私だってもちろんトラウマにならなかったわけじゃない。数日間はアレを思い出して眠りから覚めたり、吐くこともあった。


 ただ私にとってアレは……あくまで“他人事”なんだろうね、いずれは何とも思わなくなる程度のものだった。正直日常的になんとかする必要のあるコミュニケーションの方が怖かった。非日常の経験が恐ろしいのはその時だけだけど、日常で必要なものはいつでも恐ろしい。


 ……私ってつくづく自己中な人間だなぁ。ほんとに生きてる価値が見当たらない。ごめんなさいって世界に謝りたくなる。


 まぁ今こんなことを考えていても仕方がない。切り替えていこう!


 さて、まずは脱出だ。霧空間は迷わせてくるけど、実際のところ空間自体に干渉してるわけじゃない。なら《叡知》使って脱出すればいいだけじゃん……


 完全に木が立っててもすり抜ける。……ちょっと面白いな!するすると帰宅ルートをたどっていく。


 ラスト!明らかに落とし穴なところを普通に歩ききって脱出!森を抜けると完全に普通の視界に戻った。ちょっと楽しんでた……トリックアート感あって……


 ……でもこれって私《叡知》なければ死んでたよね?運がいいとは言えない私な訳だし、あるいは運悪くパタリと力尽きてたかもしれない……私本人より《叡知》が格段に役立つと差を見せつけられてる気分だ……


 とりあえず薬草を片手にギルドに向かう。死んでしまった彼の遺言も届けないとな~


 ちょっと気分がハイになってたので調子乗ってました。すみません。コミュ力の低さを今更だけど思い出した。無理だぁ……


「あ、ネガちゃん。お帰り~」


 マリーさんがいた。まぁマリーさんなら……ということで事情を説明。ただし30分かかった。


「嘘……この街に【幻帝】か……」


 マリーさんは難しい顔をしてギルド長と会議を始めると言っていた。頑張って下さい、私は帰ります……






 ネガが帰った数分後。


 マリーはネガから言い渡された【幻帝】についての情報をギルド長たるフューズに話していた。


「ネガちゃんが先ほど帰ってきたんですけど、その……信じられない情報が」

「……ちなみになんだ?」

「近隣の森に【幻帝】が出たそうです。『英雄の道』の方々が全滅したそうで……」

「……【幻帝】、か。」


 ネガはさほど凄いとは考えていないが、【幻帝】というのはSランクの魔物の中でも特別強い。


 かつて遥か遠くの地にて当時の最強、『魔喰の黒騎士』と呼ばれた存在が最後に戦った存在とされている。


 感覚にも作用する強力な幻惑を無制限に生み出す霧を発生させる《幻惑の霧》を持ち、それによって黒騎士は大いに翻弄された。


 彼は重傷を負いながらも最強としての意地を見せ、己の剣を相打ち覚悟で深々と刺したとされている。


 しかし【幻帝】を殺しきる事はできなかった。だが彼は【幻帝】を撤退させ、結果は引き分けとなった。


 その後、【幻帝】はその剣が抜けぬままいまだに世界を彷徨っていると言い伝えられている。


「……まぁ、なんだ。あまり【幻帝】の事は気にしなくていいと思うぞ?」

「そうもいかないでしょう……死人が既に出てるし、【幻帝】がいなくなるまでは増え続けると思いますよ?」


 そう言われるとフューズはフンと鼻を鳴らして言った。


「俺には“見え”ちまってるんだよ。あのお嬢ちゃん……ネガが【幻帝】を倒す未来がな。」

 ちょっとはやいですけど投稿です!

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