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嫌な噂って本当に嫌だよね

 結果私は普通に諦めてギルドに向かった。憂鬱だ……校外学習から逃げた次の日の学校みたいだ……月曜日を越える……


 私は身体が戻ろうとするのを理性の力で押さえつけ、なんとかギルドについた。紙袋は取っている。


「?あ!久しぶりネガちゃん!」


 マリーさんがキラキラした笑顔を向けてくる。うあぁ……身体が溶けるぅ……


「もー、こないだはいきなり帰っちゃったから心配したよー。」


 そう言って冒険者ライセンスを渡してくる。そういえば預けっぱなしだったな……


「はいこれ。ランクBまで上がってるから。」

「…………!?」


 えっ……危険な仕事率が……上がった……?


 私は真面目に冒険者業を辞めることを考え始めた。無理無理無理無理。


「それで……とりあえずBまで上がったけど何の依頼受ける?」

「ぇ……」


 私はなんか受理されるのか心配になりつつもいつも通り薬草採取の依頼が書かれた紙を出した。


「ぶぶぅー、駄目でーす。Bランクに見合った仕事をしてくださーい」

「あっ……」


 死んだわ私。辞世の句はなにがいいかな……


 この終わり ズルしたからですか? いやマジほんと生きててすんませんでした……


 大量字余りだ。私には俳句の才能もないらしい。季語もないし……


 私の全てを諦めきった修行僧のような表情を見てマリーさんはめっちゃ慌てだした。


「いやいやごめん嘘嘘!だからほんとその全てに絶望した世捨て人みたいな顔やめて!」


 修行僧ではなく世捨て人だったかぁ……惜しいかな?


「ちゃんと薬草採取でいいよー……冗談言っちゃってごめんね?」


 私の命の期限は延びたようだった。完全に終わったと思った。


 私は危険から避けつつ生きていたい。何故ならそれは私が危険に首を突っ込めば死が待っているようなものだからだ。


 かつて人数合わせで生物係に入れられ……そして「割り振られた仕事は頑張らなきゃ!」と思ってやった結果としてクラスで飼っていたメダカ達が何故か全滅し、クラス中から非難するような視線を浴びせられたあの日から……危ないことはしないと決めた。


 ……危ないことの線引き?自他問わず命に関わればそれは危ないんだよ。だから迷い猫とか探せない。もし死骸が見つかったのを届けて「お前が殺したんだろ!」とか言われようものなら……想像するだけで恐ろしい。


 地雷が踏まれたり妄想で憂鬱になったりはしたもののまたしても私は薬草採取を頑張ることにした。働かざる者食うべからず。なんで7歳児でも働かなきゃいけないんだろう……これが異世界か。


 私は薬草を刈っていた。特に何も考えずに身体を動かす時間は素晴らしい。働くのは嫌いだったはずなんだけど、引き籠もってて「私、ついに引き籠もりになったの……?本当にそれでいいの……?」と自問自答するよりはマシな事に気づいた。


 ……この調子だといずれ定年退職があるかは別としてあったとしても「何もしない生活ってこれでいいのかなぁ……」とか思って虚無感に襲われそう……そんな老後は嫌だけど、かといってなんで定年退職してなお働かなきゃいけないんだ……これが社会か、私には適応できないように作られてる……まぁ私がシンプルに無理ってだけなんですけどね、はい。というか……


「……霧?」


 霧が出ていた。白い霧。なんで霧?昼だよ?昨日も快晴だったよ?今日も快晴だよ?


 あ、今「お前、普通に喋れたのか……」って思った人がいた気がする。いい?周りに人がいない状況ならぼっちは堂々と独り言を漏らせるんだよ。むしろ人生の割合的には独り言の方が多かったりする。


 カラオケルームとか、自宅とか。宿は無理だって他のお客さんいるもん。私の声はたぶん美声と分類していいと思うけど人がいれば話せないので披露する機会はないかな……


 だけどこの世界に来てからは完全なソロスペースが確保されることが少なくなったし……森とか歩いてて歌聞かれたら恥ずか死ぬし……だから独り言が少なかったのだ。独り言「も」か。


 実際独り言の声もちっちゃい。人いて声聞かれたら嫌じゃん……例えボディに内包された声が美声でも発する魂が穢れてると結局耳を穢す事になりそうって思っちゃうんだよね……底辺ですみません……


 しかしまぁ霧が出たならやめた方がよさそう。私のアホ毛レーダーも少しだけ反応してる。つまり危険。


 まっすぐ引き返してしばらく。


 私は死にかけの人に出会った。


「っ……人か……見た感じ子供だが、冒険者っぽいな……」


 なんか普通の人だった。腹の辺りを抑えて死にかけな事以外。


 ……これヤバくない?私が犯人扱いされない?ここでこの人が息絶えると都合よく人が通って「キャー!人殺しー!」とか叫ばれる気がする。めっちゃ嫌な予感がしてならない。


「まぁいい……俺はたぶん死ぬ。皆もたぶん既に……」


 え、複数人を殺害した犯人扱いされる……?「遺体をどこにやったんだ、吐け!」とか尋問されるの……?めっちゃ嫌だやめてほしい逃げようかな。


「それより……俺はもう助からないから、ギルドに伝えてほしいことが。」


 ……この人凄いなぁ。死を怖れてないわけじゃないんだろうけど、自分の命に見切りをつけて情報を伝えようとしている。普通の人にはできない。普通の人っぽいのに……


 ちなみに調べたところ現状この人が助かる方法はない。何でもできるというのなら話は違うけど今の私の状況では冥福を祈るくらいしかできない……


「ヤバいやつだ……【幻帝】が出たと伝えてくれ。」

 たまにはってことで11時とかの投稿です

 明日は普通のペースでいきますが書くのってちょっと体力いるんですね……主に目が疲れるだけですが。あと指。

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