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33話



ご無沙汰しておりました。

夏前からいろいろありまして、まぁ言い訳ですけどね。昇任試験も無事終わり、また仕事が増えていく事になりそうで……気付けばもう一年が過ぎようとしてるんですね。

上手く時間を使えない事を反省しなければ……





 私は一瞬、思案にくれそうになったが、カレナの声で我にかえる。


「ダンジョンが生きていると仮定されているなら、魔物の出現や不可思議な現象も、枠に納めて考えたら納得出来るって感じですか? 何か足りない感じがしますが……でも、一般の認識ではダンジョンってこんなものだって考えていたから、不思議な話ですよね。今まで誰も疑問に思ったり、そう言った噂が流れたりしなかったなんて…………」


 カレナのそんな疑問に、補佐官はなんだか慌てたような雰囲気で、


「それはアレよ。『大いなる意思のもと』って神様的な何かがあるんじゃない? 世界には不思議な事がまだまだ満ちているのよ」


 そう言って唇に人差し指を当てて、なぜだかウインクなんてしている。


「なんですかそれ〜? 答えはぐらかそうとしてませんか? でも、知ってしまうとなんか嫌な予感がするんで、今のは聞かなかった事にしておきます……情報操作の類いと考えたら、世界規模で考えると一組織で全てに関与するには無理がありそうですしね」


 カレナがなんか考え込みそうになってるわ。

 カレナが悩むのもわかる、わかるよそれ……でもね、


「ムズかしいことなんて知識求める探究者にでも任せておけばいいんだって。どっかでちゃんとした答えが出たら、そのうち噂にでも上がってくるでしょ」


「もうっ! ミーヤってば、それは楽観的だし他人任せにしすぎじゃない? それに、考えてもみなさいよ。生きてるって仮定されているって事は、そこには意思、若しくは本能的な思考が存在してるって事なのよ。いつ、どんな時に未知の恐怖として襲ってくるかわからないんだからっ」


 そう言われると確かに、ダンジョンなんかの閉鎖空間で『もしも』があったら怖いと思う。


「でも、今までの長い歴史の中でそんな事なかったみたいじゃない。一度でも危険な事があったのなら、今のような世間の認識じゃなくない? それこそ『大いなる意思』ってモノの抑止力が働いているとか? それに未知の危険って言うのなら、ダンジョンだけでなくどこででも起こりうるものじゃない。今回の件もその一つって感じじゃない? 私個人の意見なんだけど、思考のある意思なら人的災害、思考を伴わない本能的なものなら自然災害って考えたら、未知の恐怖なんてあやふやなモノよりよっぽど対策とか考えやすいと思うんだ」


 何気に思った事を言ったのだが、補佐官もカレナもなんかポカンとした顔で私を見ている。


 ん? なに?

 2人のその表情に、私までポカンとした表情になってしまった。

 補佐官はプッと苦笑し、


「ほんと貴女の思考には、たまに驚かされるわね」


「ホントですよね〜。普段は物事を簡略的に考えてる様な言動をするくせに、変なところで物事の本質を理解してるような言動をするっていうか……」


 2人揃って私の事を褒めているんだろうか? 何気に、普段の私を貶されているような感じにも思えて、ちょっとムスッときた。


「私だってちゃんと考えたりしてます〜。ダンジョンに未知の恐怖があるとしても、それ以上にメリットの方が大きいと思うんですよね。一攫千金を求めるのにリスクってつきものじゃないですか。ダンジョンにどんな意思が存在しているのかはわかりませんが、人が起こす戦争なんかの無益なものよりマシな気がするんですよね」


「そうね。戦争にメリットがあるのは上流階級の人達であって、一般の人にはデメリットの方が多いでしょうからね」


 そう呟いた補佐官は、乾いた笑いを浮かべていた。過去に何かあったのだろうか? 気を揉んでいる私の代わりに、カレナが上手く話題を逸らそうとしてくれる。


「それにしてもダンジョンって何の為に存在しているんでしょうね? 命の危険は確かにあるけども、私達にとってダンジョンから齎される資源はメリットの方が多いですよね。搾取されているだけみたいで、ダンジョンにとってのメリットて何かあるんですかね? それこそ生きているのだとしたら、本能的なものでも何か目的みたいなものがあってもおかしくないですよね?」


 ナイスよカレナ♡ 補佐官の悲しそうな顔は見たくないわ。


「ホントそうだよね。ダンジョンからしか得られないものって結構あるもんね。魔物の素材にしても地上の同種より品質良いし、希少な薬草とかもそうだよね」


 補佐官は私達の会話から何か察してくれたように軽い笑みを浮かべて、


「ダンジョン内での生態系では、通常よりマナの内包値が高いって報告があがっているわ。魔力の高いモノ程、強力な個体や素材になるのは知っているわね。ダンジョン内からの薬草や鉱物、魔物の素材等が高品質なのもダンジョンのマナ濃度の影響らしいわね。もちろん、魔物も通常の個体よりは強くなっているのよ。でもね、地上の魔物と比べると戦い方が稚拙だから与し易いのよね。まるで初心者の戦闘経験しかないって感じかしら。上層に関しては……だけれどね」


 なんか含んだ物言いだけれども、その疑問も含めて聞いてみる。


「へーそうなんですか。もしかして、上層では魔物の討伐による入れ変わり?が激しいから戦闘経験が乏しくなっているって感じなんですかね? でも逆に言えば、下層の強い魔物は生き残りやすいから戦闘経験を積んで更に強くなっていくってことにもなります、よね…………それって大丈夫なんですか? 強い個体が上層に上がってきたりとか、地上に出てきちゃったりとかしないんですかね?」


 もしかしてダンジョンって、冒険者にとってもそうだけど、魔物に関しても戦闘経験を積むための訓練場みたいな役割があるのだろうか?

 そうだとすると、ダンジョンってかなり危険なモノに思えてきたのだが、


「それに関しては興味深い報告もあがっているのよ」


 補佐官は真剣な表情で私達を見て、少し間を置いてから話し始めた。


「今までの調査ではダンジョンの魔物は、その階層から移動したりしないみたいなの。一番の不思議は、冒険者が戦闘が不利になったりして逃げる時でも追ってこないってことね」


「えっ? それっておかしくないですか? 魔物って弱そうな獲物見つけたら執拗に追いかけてきましたよ。昔、村でゴブリンが畑を荒らしに来た時には、村の若い者が追いかけられてましたし、私なんて角兎アラージに追いかけられたんですよ。川に飛び込んでえらい目に遭いましたよ」


「角兎に追いかけられるって、あんた何したの? 攻撃しなければ襲ってこないじゃない。人が近づけば、まず逃げていくような魔物なのに」


 カレナが呆れた顔で、わたしにジト目を向けている。


「だって仕方ないじゃない。その仔、真っ白でまん丸で、角だって親指くらい小ちゃかったんだよ。ホント可愛かったんだから。私が12才の時で抱き抱えれるかどうかってくらいの大きさだったけど……逃げ出した所をうまく追い込んで、モフモフを堪能しようと追い詰めた時にね、急に金切り声をあげて襲ってきたのよね」


 目をつむりあの時のことを思い出し、しみじみと語ると、カレナと補佐官も一緒になって「プッ」と吹き出した。


「何それ! バッカじゃない? もう一回言うわ。バッカじゃない?!」


 机をバンバン叩いて笑ってる。

 えっ? そんな笑う事? カレナのツボがわかんないっ。


「なによっ、仕方ないじゃない。子供の頃は好奇心旺盛なのよ」


 ひとしきり笑い終えたカレナは、


「あ〜可笑しかった。でも、そうなるとますますダンジョンって、何なのか考えさせられますよね。何のために生まれて、何を目的としてるのか?」


「そんなこと考えたって私達みたいな一般人が何か出来るものでもないでしょ? そんなのは物好きな研究者が色々と考察して、デデンっと世紀の大発表〜とか何とかで広まっていくわよ」


 フフンっと持論を述べてみれば、2人からは溜め息をつかれてしまった。


「ミーヤ、もうちょっとギルド職員としての自覚を持ちなさい」


 補佐官がちょっと睨んでる。


「わかってますよ。でも仕方ないじゃないですか? 考察するにしても、探索に行ける力もなければ多岐にわたる知識もノウハウもないんですよ? 人には得手不得手って有るんです。私が考えるより専門分野の人が考える方がいいんですって」


 バンザ〜イって、お手あげのポーズを決める。

 2人はやっぱり呆れた顔してたが、カレナが補佐官の方を向き、


「確かに、いま私達が考察するようなことでは無いですね。その件はもういいとして、ところで補佐官? 新たに発生したダンジョンって最近ではあるんですか?」


 カレナは答えの出せない議論を打ち切って、新たな疑問を口にする。


「そうね、ここ10年の間では1つ発見されたくらいかしら。若いダンジョンはだいたい3層から5層くらいで姿を現すみたいね」


「ダンジョンって生きてるんですよね? じゃあ、もしかして殺すなんて事も出来るんですか?」


 私の疑問に、カレナは『あっ』って顔してるし、補佐官は『フッ』って鼻で笑うような仕草をして、


「どうなのかしらね。殺すという言葉が適切かどうかはわからないけれど、活動を停止させる様な器官があるのかどうか。心臓とか脳とか生物として重要な器官や代替されるようなモノが発見された報告はないわね。そもそも、活動停止した後にどんな事が起きるのかわからない現状で迂闊に行動を起こす事はできないでしょう? 仮定として、活動停止だけなら魔物の発生もなくなるくらいで、迷路のような洞窟になるってだけだろうけども、根源の支えがなくなることによって崩落する危険もあるでしょうからね。まぁ現状では今まで全てのダンジョンにおいて攻略したって報告はないわね」


 ダンジョンを攻略した報告がない? なんかモヤっとするものがあるのだが、うまく考えることが出来ない。


「もうっ! ますますダンジョンって意味不明じゃないですか。もう考えるのヤダっ! その辺の魔物とかと違って、目に見えない事が多すぎるって卑怯じゃないですか。そう思いませんか?」


 膨れっ面になりながら、補佐官に聞いてみた。


「卑怯かどうかは別にして、どういう経緯で生まれたのかは知りたい所ね。それこそ賢者あたりは知ってたりしてね」


 ん? なぜここで神様ではなく賢者なんだろう?

 そういえば、さっきも何か濁すような物言いがあった気がするが……

 あれ? なんか話が脱線してるような気がするんだけど……………………思い出したぁ! アレの事について聞いてる最中だったわ。








「なんだなんだ、全然話進まねぇじゃねえか」

 とお思いのアナタ。

 正解です。なぜこんなに話が脱線しているのか……ダラダラと書きたいこと入れていくだけじゃダメとわかっているんですが。

 書きたいものを書く。これ即ち挑戦。やりたい事をやってから後悔や反省をすればいいのです。

 でも、サボるのはダメですね。



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