幕間4(3)
お久しぶりでございます。随分と遅くなってしまいました。
まだ見てくれる人がいてるのか?
この半年……半分現実逃避の時間を過ごしていました。
仕事は真面目に行ってましたけどねぇ……昨年内に更新したかったんですが……
逃げと言う「楽」に走ってはいけないですね。
堕落という墜落事故からの復帰からのリハビリが大変ですwww
イレーヌが繭のある荒地に向かった後、シフォール達も各々の仕事に取りかかっていた。
シフォールは骨折などの重症者を中心に治療を施していく。現場での惨状を聞き取り、これから派遣される冒険者達のランクなども考慮すると戦力を減らす訳にはいかないであろう。巨人達が使用した衝撃波についても、この規模の威力を出せる存在など成竜くらいであろうか。巨人が使用するなど聞いたことがないが、心当たりはある。しかし、こんな場所にいるはずがないと思い思考を切り替える。特殊個体が稀にそういう能力を持っていることがあるが、3体が同じ能力というのは考えにくかった。ギルドからの情報から操っている者がいるだろう事はわかってはいるが、能力を付与しているとしたら厄介な存在が相手になるだろうと、内心で溜息を吐きながら治療を施していった。
ミリアは、イレーヌから事前に冒険者達に配分する魔道具を預かっていた。以前に大規模討伐に参加していた際に作成していたものだ。ただ、今回の討伐では必要個数が足りない為、冒険者のグループ分けを管理してほしいと言うことであった。面倒臭いことを押し付けられたと、嫌々ながらもリーダー格の連中を集め部隊編成をしていく。今回預かった魔道具は2種類であり、主戦場にマナ濃度が濃いと思われる為、魔力抵抗を高める物と後衛用の防御陣である。どちらも数は5個ずつしかなく効果範囲も半径5メートル程しかない為、編成に苦労している。
ティッチは周辺のマナを安定させるため、上位精霊を呼び出し精霊達を宥めさせマナを龍脈に戻すようにしている。それと龍脈の流れを止めている箇所を調べ、龍脈を堰き止めている物質を除去するために異界のクリーチャーを召喚した。このクリーチャーはアーティファクトが好物であり、役に立つだろうと呼び出したのだが、1匹しかいないためどこまで除去作業ができるのかは定かではなかった。
しばらくするとイレーヌ達が帰ってきて、現場の様子を皆に伝える。
「…………と言うことで、現状は何もしてはいけません。あそこの周囲に何も現れないか監視する事と、現場の空気に身体を慣らすことを優先させて頂戴。いざって時にいつもの調子が出なかったから実力が出せませんでした、なんて情けないこと言わないでよね? 死ぬのはあなただけにしてほしいものだわ。巻き込むのは勘弁してちょうだいね」
イレーヌの煽るような物言いに憤慨する者もいる中、当の本人は周囲を見渡し挑戦的な視線を投げかけている。シフォール達やギムレフは溜息をつき、ギムレフが冒険者達に語りかけた。
「あー、皆んなも言いたいことはあるだろうが、現地を見に行った俺もアレはヤバいもんだと感じた。このイレーヌの言うことに従わざる負えん。我慢して聞いといてくれ。この場所でも身体の調子がいつもと違うとわかっているはずだ。魔法使える奴は、魔法が不安定になっているのも勘付いているよな? 現地ではこれの倍くらいの圧があった。俺達はまだ運がいい! イレーヌの調査ではまだ数刻の猶予があるみたいだから、普段通りとの違いも検証できる時間がある。準備を済ませて来た後続に美味しいとこを持っていかれたくねえだろ? 疲れも残ってるだろうがもう一踏ん張りだっ! 適宜、休息をとりながら監視を続けてくれ」
ギムレフはそれだけ言うと、またイレーヌに引き継ぐ。
「文句ある人もいると思うけど、私は貴方達の実力を把握していないから。貴方達も私達の力は知らないでしょ? こないだのレイスの一件で見た人もいるかもしれないけど、誇張された噂話を聞いてる人も多いんじゃない? 百聞は一見にしかず。この機会にしっかりと上位ランカーの実力を目に焼き付けなさい。それに、このまま現状維持の力不足で死にたくないでしょ? こないだのレイスの件は酷かったわよ……ちょっとレベル低いわよね。色々と経験不足は否めないわ。生意気な事言ってる自覚はあるけど、事実だから! 今回の戦闘はかなり厳しいと思います。しっかり実力を発揮して、生き残ってね♡ 相応の活躍をした人達にはご褒美あげちゃいまっす! 出来る範囲でだけどね♡」
かかって来いと言わんばかりの挑発的な笑顔に、しばしの沈黙の後、罵声や質問が飛び交う。
「出来る範囲ってのはあんたらの実力相応くらいの報酬でもいいのか?」
「Aランクっていろんなツテあるよな? 良いように口利きしてもらえたり出来るか?」
「一晩中ヒィヒィ言わせてやるからなっ!」
一部、欲望ダダ漏れの言葉もあったが、
「オッケーよ〜♡ ちゃんと良いとこ見せてねっ!」
イレーヌはサムズアップで応えていた。
痛みを堪えるように頭を抱えてる姿のシフォール達。ギムレフも呆れ顔である。
その後はパーティーのリーダー達を引き連れ、繭の状態を確認しに行ったり、魔道具の使用状況の検証を行いながらギルドからの後発部隊を待つのであった。
後発部隊が森に差し掛かる頃には日は中天に登っていた。街では3の鐘がなっている頃であろう。急ぎではあって馬車を使ってはいるが、輜重の移動で思うよりも遅くなってしまっていた。
唯一助かっているのは、これまでの道中で魔物の襲撃がないことであろう。魔物に遭遇しなかったわけではない。明らかにこちらを警戒するだけで襲撃してこないのだ。襲撃してこないのは魔物の都合であり、冒険者達はいつ襲いかかってこられるか気が気ではなかったのはあり、精神的に疲弊している。
そのような状態で森に入り暫く進むと、身体に纏わりつく負荷に更に疲弊していく。出発前にギルドマスターから説明はされていたが、いざ経験すると思っていたよりも不快感が酷かった。
部隊のまとめ役であるドマのもとに少数ではあるが、体調不良の者が出てきていると言う報告が入ってくる。Eランクの輜重隊に魔力酔いをおこしている者が出ていた。現地まではまだ奥に進んで行かなければならない為、体調に変化のなさそうなものをヘルプに使い進む事にする。奥に行くほど魔力濃度が上がっていき、三分の一近くが限界に近づいてきた頃、突然魔力濃度が薄まった場所に差しかかった。
現地まではあと少しというところだったので皆、安堵の表情を浮かべ進んでいき、先発の偵察隊と合流した。
合流した者達は、現状の把握と作戦内容の練り直しである。持ち込んだ武装の確認と設置をしながら、全員で荒地周辺に配置が終了してしばしのち、繭に動きがあった。まるでこちらの動きを見計らったようなタイミングである。
繭の下の魔法陣は強く輝き出し、荒地に溜まっていた魔力が霧散した。
黒の繭は脈動を始め、宙に浮いていく。
1つは円形になり、2つは人型に変わっていく。
2つの人型は4本腕の巨人に変わっていく。全身は真っ黒で裸であった。性別を示す象徴もなく、顔には目や鼻、口といった器官もなくのっぺらぼうである。2体は地に足を着け、もう一つの球体を挟むようにして佇んでいる。
球体の表面からは多数の触手が生えてきており、中心部分には大きな目蓋と思わしきものが浮かんできている。
イレーヌ達ものんびりと見ていたわけでない。繭からの変化が早過ぎたのだ。巨人に変化するまでが30秒程の時間だったのである。呆気に取られて見ていたのが仇となった。
焦ったイレーヌが叫んだ。
「4本腕は冒険者に任せるよっ!! あの球体は私達が相手するからっ! 動き出す前にアイツらを引き離すからねっ」
(アイツの魔力反応かなり不味いわね……あんなの見た事ないし。久しぶりに危機感感じるわぁ)
イレーヌは内心焦りを感じながらも不敵な笑みを浮かべ、シフォール達に念話で指示を出し1番に戦場を駆けて行った。
幕間は一旦終了。
次回、本編ラストスパート……不定期更新ですが今度は半年もかけない←結束バンドを聴きながらの宣言!www




