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27話


世間様はGW

みなさんいかがお過ごしですか?

私どもの業界はGWなんてないですから……仕事は暇でのんびりですけどね〜





 ギルドマスターからの説明も終わり、冒険者の人達はこちらが用意した物資をそれぞれ運んで行く。ギルドマスターも各パーティーのリーダー達と話をしているようだ。

 ふと、ギルドマスターの肩にチューブトが乗っているのに気付いた。そう言えば、イレーヌさんの置き手紙に “ 急な用件が入った “ とあったな。この件だろうか? だとしたらイレーヌさん達は別働隊として動いてるってことかな? 気にはなるが忙しそうだし、こっちもバタバタしてるからね。それにしても、ギルドの武器庫っていろんなの置いてたんだね。在庫確認は受付の仕事じゃないから見たことなかったけど、大型魔獣用の兵器とか魔物の氾濫スタンピードがあった際の防御用魔道具とか、一般の冒険者が持ってなさそうなのがいっぱい奥の武器保管庫にあった。ちらっと聞いてみたんだが、過去に何度かあったレイドで苦労した経験から少しずつ増えていったそうだ。ただ、物理に特化したものしかなかったのは気になったが、私みたいな素人が戦闘のプロの経験則なんかわからないから、小言言われるのやだし黙っとこうっと。




 バタバタと冒険者を送り出し終えたのは2の鐘がなってしばらくしてからだった。ひと段落つきギルド職員だけとなったので、休憩がてら皆のんびりしている。ギルドマスターと補佐官は上の執務室に行ってるので、鬼の居ぬまのなんとやらって感じで私とカレナ、レティシアとレムさんの受付ローテーション組でお茶をしていた。


「やっと落ち着いたけど、現場の様子気になるね。みんな無事に帰ってきたらいいけど」


「何フラグ立つようなこと言ってるの。あたし達は帰ってきた人にこう手を組んで、『あなたが無事で良かったわ。あなたの身に何かあったらと思うと心が張り裂けそうだったの……」ってヒロインアピールして好感度を上げるのよ」


 フラグって何よ? それにレティシアがなんか乙女チックな妄想をのたまってますがレムさんが、


「あらぁ、レティシアって誰か気になる人でもいるのぉ?」


「えっ?! そんなわけないじゃない……あんなガツガツと女性漁ってるヤツなんか気になってるわけないじゃない。私の理想はレヴィン様なのっ! もっとスマートに女性心をくすぐってくれる人がいいのっ!」


 あらっ? ボロが出てるの気付いてないのかしら……カレナもレムさんもニヤニヤしてるし。


「ホントだよね。ここの冒険者のヤツらったら何であんなに彼女欲しがってるんだろ? まあ、もういい歳のヤツらも多いし、女性冒険者が少ないから同業者結婚てのも機会がなさそうだしね。レティシアのいう通り、レヴィン様みたいにとは言わないけど、もうちょっと気遣いが出来たらモテそうなのにね」


 ん? なんでカレナは私にジト目でため息なんかついてるんだ? 解せん。


「あっ! ミーヤもそう思う? レヴィン様は所詮理想ってのは理解してるのよ。でも、少しの要素くらいはあってもいいと思わない? 元はいいんだから女性の心を掴むようなノウハウを学んで欲しいって思うのよね。あの小説の著者が男性か女性かわからないけど、想像や理想だけではあれだけの人物像を描くことないと思うの。実在の人物のいいとこ取りをしてると思うのね。じゃあ、実際に一部でもそういう感性を持っている人がいるんだから、学んで欲しいわけよね。それなのにアイツったら『こんなのなんの役に立つんだ?』って投げ返しやがって……」


 その時のことを思い出しているんだろう。拳を握りしめてプルプルと肩を震わせている。すかさずカレナが、


「ホントにアイツってデリカシーないよね。モーリスだっけ? いつも私の胸をいやらしい目で見てくるんですけど」


「マジでっ?! 最っ低〜。それは気付かなかったわ……あのイレーヌさんをやらしい目で見てたのは気付いてたけど……カレナもスタイルいいもんね」


 レティシアは自身のスタイルを確認してため息をついている。そんな仕草に私達3人は我慢の限界とばかりに吹き出し笑っていた。


「レティシアってば、ちょろ過ぎぃ〜。あなたの好きなのってバレバレじゃない〜。前から思ってたけどぉ、やっぱモーリスだったんだぁ。隠せてるつもりだったの?」


 レムさんが直球をぶち込んでる。


「えっ? な、何? どうしてっ!?」


「あんた、カレナの誘導に簡単に引っかかってるじゃん。前からやたら突っ掛かってたから怪しいなって思ってたんだ。マジウケるわ」


「ホントにね。こんな単純な手に引っ掛かるなんて、よっぽど心配で余裕がなかったのかしら?」


 唖然とした表情のレティシアは顔を少し赤くして、


「もうっ、なんでこんな時に限って焦っちゃってるかなぁ。もうちょっと進展させてから言おうと思ってたのに」


「うわぁマジだ。まさかレティシアがあんなのにいくなんて思わなかったわー。お世辞にもかっこ良くないじゃない。どこが良かったの?」


 私の問いかけにムスッとした顔をして、


「そんなことないわよっ。年上だけど、目がクリッとしてかわいい顔してるじゃない。そんなこと言ったらミーヤだってあの時の流れの冒険者なんて、いくらBランクって言ってももうオジサン丸出しだったじゃないっ」


「なによっ! 若けりゃいいってもんでもないでしょうがっ! ガツガツしてヤルことしか考えてないじゃない。すぐに自分ものにしたがって、こっちの都合も考えないやつばかりじゃないの。その点、少し歳上はやっぱ経験が違うのよ。ちょっとの我儘も多めに見てくれるし、心が広いのよ。大人の余裕ってやつで素敵じゃない」


「何が、大人の余裕よっ! そういうのは涸れてるっていうのっ。激しく求め合うのが愛ってものじゃないっ!」


 ウゥ〜、ガルルゥ〜って、睨み合ってる私達にカレナとレムさんが、


「落ち着きなさいよ……恥ずかしいわね」


「そうよぉー、みんな注目してるわよぉ」


 と、呆れた声で言われたので、レティシアとハッと周りを見てみると……注目されていますな。エキサイトした私の声が思っていたよりも大きかったみたい。反論したレティシアの声も負けてなかった気がするけど。

 レティシアと2人、縮こまりながら、


「「ないわぁ」」


 声を揃えて俯いていた。





ガールズトーク……話がどんどん膨らんでいく。よくあんなに喋れるもんだ。



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