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26話


遅くなりました。なんか物足りない感が否めないが……



「んっ……まぶしっ」


 眠っていた私に朝の光が容赦なく降り注ぐ。いつもならカーテンに遮られてこんな起こされ方しないのになどと考え、寝起きでボゥとしながら身体を起こす。

 いつもよりちょっと早起きしたみたい。グッと身体に力を込めて伸びをする。少しスッキリした気分で、ふといつもの寝起きと違うことに気付いた。

 あれ? 何も着てない……下着もつけてない、全裸なんですけど……どういう事? 


 昨夜の記憶を呼び起こす。


 イレーヌさんとお喋りしながら部屋呑みして、それから…………きゃっ、やだ、思い出したっ! いつの間にか後ろから抱きついてきたイレーヌさんに、キスされたんだった……柔らかい唇、優しくも激しい接吻。

 自然と指先で唇を撫で、昨日の余韻に浸る。あんなキス初めてだった。男とする時でも、人によって上手い下手はあったよ。でも、キスだけであんなに感じさせられたのは初めてだった。頭が真っ白になるってのがあれなのか……男との行為でイかせてもらったことがない私がいうのもなんだけど。

 みんなの話で、イった時の快感話とか聞かされてるからね。男も何が気になるのかしつこく聞いてくるヤツもいるしで、演技は上手くなったのは自覚してる。喜ばせればいろいろと融通聞いてくれるし。


 でも、昨日のイレーヌさんとの情事は、今までの男との行為とは別物だ。一言で言って上手い。同じ女性だからなのか、それともイレーヌさんが特別上手いのか、私の感じるところを的確に突いてきていた。自分でするよりも気持ち良くしてもらったのって初めて。全身を舌で撫でられる感触、指が侵入してきて……何度もイカされちゃった……ヤバッ……思い出したらムラムラしてきちゃった。仕事前からはしたないけど、スッキリさせちゃお…………




 少しの余韻に浸っているとふと思い出す。起きた時にイレーヌさんはもう居なかったが、手紙が置かれていた。


“おはよ。昨日は楽しかったわ。ミーヤを見てるとつい可愛くて我慢できなくなっちゃった。出来たら起きるまで一緒に居たかったんだけど、急な用件が発生しちゃって行かなくちゃいけなくなりました。またあとでね。

 追伸。昨日の乱れ方凄かったけど、ご近所さんには聞こえないようにはしてるから安心してね♡ “


 きゃーーーー、思い出した……すごい声出してたよ……恥ずかしさでお布団に包まり、じたばたしていたがそれどころではない。もう出勤時間ギリギリだ。

 昨日の行為でシーツも凄い事になってると思ったんだが、なぜか洗濯した後みたいに綺麗だった。イレーヌさんの魔法かな? たたむだけで済んだので感謝である。急ぎ身支度を整えて、部屋を後にした。




 出勤時間ギリギリだったので怒られはしたが、ギルド内はそれどころでは無くバタバタしていた。

 いつものことながら、カレナに問いかける。


「また朝からバタバタだねぇ。もしかして森の件で進展あった? 冒険者の人達も集まってきてるし」


「当たり。明け方前に異変があったらしいわ。詳しくはこれから冒険者の人たちが揃ったら説明するんだって。それまでは私たちは点呼とグループ分けしておくみたいよ」


 そう言いながら私に書類を渡してくる。


「あれ? ミーヤ、昨日銭湯に行った? 髪とか艶々になってるみたいだけど?」


 ギクッ!? 鋭いな……身支度してた時ちょっと思ってたけど、髪サラサラだし肌も昨日あんなにじっとりしてたのにベトついてなかったもんな。これもイレーヌさんがしてくれたんだろう。


「うっ、うん。まぁそんなとこかな……ちょっと気分的にもさっぱりしたかったからさ」


「ん? なんか隠してる? まぁいいわ。私もさっぱりしに行かなきゃな〜」


「カレナこそ、ここん所お泊まり続いてるから大変じゃないの。乱れたシーツちゃんと洗濯してる?」


「うっさいわね。思い出したくないことつついてこないでよ。昨日もそれでちょっと揉めたんだから……」


 おうっ……冷やかしのつもりがやぶ蛇になってしまった。機嫌が悪くなったカレナの愚痴を聞き、なだめながら仕事の話に戻して行く。リスト見てリーダー格の人達捕まえてっと、ある程度揃ってるとそんなにやることないなぁと感じながら、ふとイレーヌさん達の姿が無いことに気付いた。


「あれ? イレーヌさん達いないね? なんか聞いてる?」


 カレナに聞いてみたが、知らないみたい。


「どうした嬢ちゃん? 誰か探してるのか?」


 なんとなくキョロキョロしてたのをデイトンさんに見られてた。今回、デイトンさんは経験と視野の広さを買われて戦術指揮担当の1人であったりする。


「いえ、ちょっと……今回の招集にイレーヌさん達が見当たらないなと思いまして」


「イレーヌって、あのAランクのか? おーそういえばあのメンバー見てねぇな。手伝ってくれたらありがてぇけどよ。レイスの件では大活躍だったしな。参加してくれたら最大戦力として安心できるんだがよ……ここに居ねえってことは、あの姉ちゃんらも暇じゃねえってことだろ? まぁ俺らの街周辺の出来事で、よそ者に最初っから手助けしてもらうのも情けねえ話だからな。他の奴らにも気合い入れさせねぇとよ」


 ガハハと笑っているデイトンさんであるが、私としてはみんな無事であってほしいなと思う。生存率が上がるに越したことはないからね。そんなお喋りをしてるとギルドマスターと補佐官が降りてきた。


「全員注目! 例の森の件だが、いよいよ怪しい動きになってきた。よって討伐隊を結成する。すでにグループ分けされてるんで、勘のいい奴はどんな役割分担されてるかなんとなく解ってると思うが、詳細は後で説明する。そして現況だが…………」


 ギルドマスターから、朝に報告があった件が説明される。明け方前にジャイアントが集まっていた所へ、今度はインプが3匹現れた。インプはジャイアントを囲むように魔法陣を形成したそうだ。それは召喚陣だったようで、さらに3匹のジャイアントを呼び出したという。

 ん? ちょっと気になった事があったが、誰も意見がないようなので私の思い過ごしかも。

 呼び出されたジャイアントもイレズミがあったようなのだが、なんと今までいたジャイアントの心臓を抉り取り食べたというではないかっ! すわ仲間割れ?とか思ったが、心臓を抉られたジャイアントのイレズミがそれぞれに移動したらしい。元からあったイレズミに新しいイレズミが絡みつくように蠢いていき、黒いモヤが出てきて繭のようにジャイアントを包み込んだらしい。3つの繭からは禍々しい魔力が漏れていることから、急ぎ報告が入ったという事であった。

 着実に悪い方向に進んでいるなぁ。

 ギルドマスターは補佐官に書類を渡し、レイドにおける役割分担の説明をしていった。私たちギルド職員も物資の確認から準備に駆り出されてバタバタと時間が過ぎていった。







先日、会社で漢字の小テストがあって物忘れの激しさに愕然としてしまいました。スマホやパソコンの変換機能は優秀すぎて、私はバカになっていく……ちゃんと字を書かんとあきませんね

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