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25話


今回少しだけ想像力が掻き立てられるかとwww

BANくらわんと思うんですがね……最後の方は、生理的に苦手な方は読まないように



 今、なんか通り過ぎた? 

 何? えっ、なんなの? 

 一瞬のことで何か判別は出来なかったものの、大きさからして鳥とかではなさそうだ。ビクッとして、上を見上げたまま立ち止まり固まっていたが、恐怖心が湧き上がってくると少し思考が戻ってくる。今は丁度、建物に挟まれた路地にいる。少し戻れば明るく広い通りに出るが、ここは結構な暗がりになっている。普段であれば気にしない路地でも、昨日の今日である。少し不安が過ぎる。

 さっきの通りでも巡回の警らは通っていなかった。周りを見渡したが、この路地にも人の気配はない。


 “なんでこんな時に限って誰もいないのよーーっ!“


 心の中で大絶叫しながら壁に背中を預け、恐る恐る上を見上げて…………なんかいるっ?! 屋根の上から何かがこちらをのぞいている。

 月明かりが眩し過ぎるせいで人影であるとしかわからないが、こちらを見ているのはなんとなくわかった。恐怖に身体は硬直し声も出せない。ほんの一瞬の時間だったのだろうが、ずいぶんと長い時間に感じられた。

 そして、目が離せないままの私に向かって、その人影は屋根から飛び降りてきた。


「ヒィッ」


 小さな短い悲鳴と共に、身体が更に硬直した。

 しかし、その飛び降りる姿に見惚れてしまっていたのも事実だ。ただ飛び降りただけのはずなのに、優雅さに目を奪われてしまったのだ。


 屋根から飛び降りてきた人影は、2メートルほど離れた場所に着地した。音のない静かな着地であった。5階建ての建物から飛び降りてきたとは思えない着地である。しゃがみ込んだような姿勢でうつむいており、暗がりである為に確認しづらいが、フードのついた黒い外套を羽織っている。まるで影に溶け込むように揺らめきながら、ソレはゆっくりと立ち上がった。


 やだっ……もうダメ……


 恐怖心が最高潮に達し、脚が震えチカラを無くしてその場にへたり込んでしまった。涙が自然と溢れてくる。


 ……私、今からどうなるの?


 恐怖に震える身体は、もう声も出せないでいた。へたり込んだお尻の辺りがあたたかく濡れていくのを感じるが、それどころではない。


 ソレはゆっくりとこちらに近づきながら、フードをめくり顔を露わにした。





 …………へっ?! はいっ?




 フードの下から現れた顔を見た瞬間、恐怖に涙顔で歪んでいた表情がキョトンとした表情に変わる。


「……イレーヌさん?」


 見知った顔のその人物の名を小さく呟いた。


「こんばんは。ごめんなさい、ビックリさせちゃったみ、たい、で……」


 イレーヌさんはにっこりと笑顔で挨拶してくれたが、私の現状を見て困った顔をした笑顔になる。

 安堵感で思考がクリアになり、イレーヌさんの困ってる顔を見て自分の現状を思い出す。


 ぎゃーーーーーーーーーーっ!!


 あまりの恥ずかしさに、真っ赤になった顔を両手で隠す。


「やだっ、見ないでくださいっ! こんな、こんなとこ……」


 羞恥心で涙がボロボロと溢れてくる。顔を両手で覆い俯いてしゃくり上げてる私を、


「本当にごめんなさい。こんなにびっくりするなんて思ってなかったの」


 と言って、イレーヌさんは私を優しく抱きしめてくれた。


「うぁ〜んっ、怖かったです。もう殺されるって思っちゃいましたぁ。昨日あんなことあって、さっきのイレーヌさんの姿が幽鬼みたいに見えちゃって、殺されるんだって感じちゃってっ……」


 何て叫んでたのかも思い出せないくらいに、イレーヌさんに抱きつきながら泣き喚いていた。




 しばらくすると気持ちが落ち着いてきたのか、イレーヌさんの柔らかな胸に顔を埋めて頭を撫でられていることに気付いた。

 やだっ、イレーヌさんの胸元が涙と鼻水でグシャグシャになっている。恐る恐る顔を上げてイレーヌさんを見上げると、


「落ち着いた? 本当にごめんなさいね。仕事の帰り道で貴女を見かけて……声をかけずにあんなの見たら驚くに決まっていたわ。配慮が足りなかったわね」


 ハンカチで私の顔を拭き、優しく頬を撫でてくれている。何も言えずにいる私に、


「でも、女の子が1人でこんな路地をうろうろしてたらダメじゃない。昨日の件がなくても何があるかわからないんだからっ」


「はい……でも、この先に私が住んでる所があるんで。それにお酒も呑んでて、ティッチさんとご飯を一緒にしたりで楽しい気分だったもので」


「あら、ティと一緒だったの? またこんな遅くまでほっつき歩いて、あの子ったらっ!」


 ティッチさんは何をしてても子供扱いされてる事に可笑しくて、クスッと笑いが溢れる。


「やっと笑顔が出たわね。立てる? 送るわよ」


 スッと立ち上がったイレーヌさんが、私に手を差し伸べている。その手を取ろうと腰を浮かしかけるが立てなかった。腰が抜けていたのだ。

 しかもっっ!! バランスを崩して倒れそうになるのを支えるため、地面に手をついた時に重大なことを思い出す。

 やってしまっていた。いかに恐怖で気が動転していたとしても、女子にあるまじき事をしてしまっていたっ! 呑みすぎてたかもしれない。帰る前に済ませておけば、こんなことにはなっていなかったかもしれない……失禁……顔から血の気が引いていく。茫然自失となった私に気づいたイレーヌさんは、


「あらあらあら、そうだったわ。私のせいでこんな事になっちゃったんだったわ」


 イレーヌさんはしゃがんで、私の正面から腋の下に腕を回し、抱き締めるようにしてお尻の辺りに手を当てた。小声で何事かつぶやいた後、私の全身が淡い緑色の光に包まれていた。身体がホワッと暖かくなってくる。濡れたお尻の辺りが乾いていくのを肌に感じた。


「えっ!? なんですこれ?」


 イレーヌさんは私を抱きしめたまま、スクッと立ち上がる。つられて私も立ち上がっていた。腰が抜けていたのが嘘のようだ。お尻の辺りが乾いているのを確かめるように触り、スカートを見たりした。洗濯した後のように汚れもついていない。


「これって魔法ですか? こんなの聞いたことないですよ?」


 攻撃魔法や補助魔法を組み合わせて、生活に役立つ魔法が研究されているのは知っている。しかし、個人が行使するには術式と魔力操作の制御が難しく、魔道具頼りとなっているのが現状だ。かといってここまでの効果が出るような魔道具は聞いたことがない。雨の日に室内で洗濯物を乾かすのに軽く温風が出るとか、お風呂のバスタブのお湯を沸かすとか、食材を冷やして短期間保存できるのとか……簡単なように思えるが、複数の術式を組み合わせ制御するのだ。人の処理能力では限界がある。魔道具なら術式を固定するので簡易な物ならなんとかできるらしい。そんなのでも一般にはまだ普及しづらいけどね。

 魔晶石と呼ばれる魔力を溜め込んだ石が必要だからだ。魔物の体内に発生する魔石が長い年月で魔力を溜め込んだ天然物と、加工して作られる物があるが、天然物は強力な魔物からとるのでもちろん高い。加工品でも職人が少なくお手頃な値段ではないくせに魔力容量は少ない。だいたい富裕層や商売人向けだ。

 公共の施設にこの魔道具を使った銭湯がある。一般庶民は女性なら週一くらいで通うかな。普通は、毎日お湯沸かして濡れタオルで身体を拭くのが一般的だ。

 だから、イレーヌさんが使った魔法は画期的だ。粗相した匂いもなくなってる。


「そうね、私のオリジナルよ。制御が難しいからシフォールくらいにしか教えてないわ。女性の冒険者にとっては必需魔法だと思うんだけどね。長距離の移動やダンジョンに入ったりして、お風呂に入れなかったりした時とかね」


 確かに。女性冒険者さんが仕事した後は、すごく気にしてたもんな。


「イレーヌさんって魔道具作れましたよね? これは作らないんですか?」


「うーん……この術式、大掛かりなのよね。最低でも棺桶くらいの大きさになっちゃうから、魔道具としては持ち運びが難しいかしら。室内設置なら簡単なんだけどね」


「そうなんですね。便利でいいのになぁ。私の部屋に欲しいくらいです」


「作ってあげるのは簡単だけど、銭湯に行くより割高になるわよ。魔晶石高いからね。」


 残念だ。


「そういえば、お仕事の帰り道って言ってましたよね? 何か依頼があったんですか?」


「ええ、昨日の件でちょっとね。それよりも、すぐ近くだからって言っても、女の子をこのまま帰すのもなんだし、送って行くわよ」


 そう言ってウインクしてくるが、イレーヌさんも1人の女性だと思うんですが……しかし、屋根の上飛び回ったり、単独で上位アンデットを撃破する女性は普通と違うかも、なぁんて失礼な事考えちゃった。


「いえ、お仕事帰りでお疲れでしょうし、ほんとすぐ近くだから大丈夫ですよ。イレーヌさんの登場にはビックリしましたけどね」


「この装備のせいもあったからかしら。隠密系の起動させてたから」


 ペロッと舌を出して微笑む表情が綺麗可愛いな。ちょっと顔が赤くなるのを感じながら、悪戯心で怒った表情をし、


「ホント、びっくりしたんですからねっ! 生きた心地がしないってあんな感じなんですね」


「もうっ、ごめんって。お詫びを何か考えとくから許して。それにそろそろ帰りましょ?」


 そう言って私の手を握って歩き出す。せっかくだし送ってもらっちゃおう。そんなに時間のかかる距離でもなかったし、お喋りしながらだとすぐに家についてしまった。なんだかこのまま帰らせちゃうのも悪い気がして、


「よかったら寄っていきませんか? なんだかお喋りし足りない気分なもので……」


 テレた仕草でチラッとイレーヌさんの反応を見てみる。


「いいの? こんな時間だし、明日も早いんでしょ?」


「この時間くらいならいつも起きてる時間だし大丈夫ですよ。ぜひ、どうぞ」


 そう言ってイレーヌさんを部屋へ招き入れる。こんな時間にただのお茶ってのもどうかと思い、軽い水割りでもどうかと誘うと快く承諾してくれ、しばしお喋りに興じた。

 



 そろそろ眠気が襲ってきたかなと感じてきた時に、イレーヌさんにじっと見つめられていることに気付く。


「イレーヌさんってお酒強いんですか? 全然顔に出ないですよね〜私、さっきも呑んでたから顔真っ赤になってるでしょ?」


 見つめられてることになんだか恥ずかしくなって、つい軽口を言い腕を伸ばして、う〜んって伸びをして緊張をほぐそうとした。伸びをしたときに目をつむっていたのは一瞬のはずだ。目を開けると目の前にいたはずのイレーヌさんの姿がない。あれっ?と思った瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。左耳に熱い吐息が吹きかけられる。


「ひゃっん!?」


 ビックリして左を向くと、イレーヌさんの顔が間近にあった。潤んだ瞳と目があう。まつ毛長いな……こんな間近で見つめられると、心臓爆発しそうなほどドキドキしてるんですが……なんて考えてたら、イレーヌさんの左手が私の右頬に添えられ固定される。


 えっ? なにっ? なに??


 内心あたふたしていたのは一瞬であろう。時間がゆっくり流れるように、イレーヌさんの顔が近づいてきていた。


 そして……唇に柔らかく湿った熱い感触。マッサージされているみたいな優しい動き。自然と力が抜けて、唇を割って熱い舌が侵入してくる。口の中を弄り、舌を絡めとられ……何これ……思考がほわぁとし、息をするのも忘れるくらいの快感に支配される。


 どれくらいの時間が経ったんだろう? 長いような短いような奇妙な時間感覚は、不意に終わりを告げる。


「ふはぁっ、あんっ……もっとぉ……」


 唇が離れた瞬間、おねだりのセリフ。混濁した意識の中、抗えない快楽にイレーヌさんの首へ腕を絡ませていた。妖艶な微笑みを浮かべ、イレーヌさんの顔が近づいてきて、また唇を塞がれる。


 頭の芯は熱くなり、もう何も考えられなくなっていった…………




書きたかった部分が一部でも表現できてちょっと満足www

本格的なものが書きたくなったら、ノクターンも考えようかな

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