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3話

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 カレナと、あのお姉さん達から聞いた話をしていると、デイトンさんがやってきた。


「うちの耳の良い奴らから話聞いてたが、とんでもねぇ姉ちゃん達だな?」


 ちゃんと聞き耳立ててたんですね。


「びっくりですよね? 高ランクパーティーってピンキリだと思いますけど、有り得るんですか? 飛び級でAランクなんて、噂くらいあったんじゃないですか? デイトンさんは聞いた事ないですか?……長いんですから」

 

「おいおい、ここからほとんど出ない俺が王都あたりの冒険者の事なんてわかるわけないだろうが」

 

カレナも疑問に思ってたのだろう、デイトンさんに問うていた。


「でも、流れの冒険者とかから、すごい新人が現れたとか……5年以上前に登録されたのなら、何かしらの都市伝説みたいに噂になってそうだと思いません?」


 



 摩訶不思議な事柄は、時としてその地に、伝説や伝承として語られることも多い。

 古龍であったり、誰もみた事がないSランク冒険者だったり、伝説の賢者達も然り。


 Aランク冒険者は、各国の王族お抱えになっていたりして、一般には冒険に出かける事が無くなってるみたい。出回っている情報としては現在引退していないのは、40代後半くらいの5〜7人パーティーが4組いる。長いキャリアを積み重ね、名実共に認められているが、ほとんど隠居しているような人達だ。指南役として育成に熱心であり、現役の冒険者をビシバシしごいてるって話は聞いている。

 お姉さん達の師匠って、この人達の中の誰かだろうか? 今度聞いてみよう。


 だからこそ、ギルドの受付嬢として聞いた事のないAランク冒険者は興味津々だ。


「Aランク冒険者って、何かしら話題になりますよね? しかも、あんな若い女性ばかりのパーティーなんて、噂にならない方がおかしいですよ。最低でも、5年も情報が入ってこないって……諸国漫遊してるからあんまり噂が立たないのかな?」


「それはあるかもしれねえな。転々としてたらよほど大きな功績でもあげない限り、物珍しいだけじゃ大した噂にならねえかも知れねえ」


「でも、ギルド内でも情報が共有されないって事ありますかね?」


 カレナが興味深い事を言った。


「一介の冒険者には、組織の事情なんてわからねえけど……大袈裟にしたくないって事で、あんまり考えない方がいいんじゃねえか?」

 

 デイトンさんのその言葉で、シフォールさんのあの圧を思い出し、背筋がゾッとした。


「そうですよね……知らない方がいい事って、世の中には沢山ありますよね……」

 

 実感のこもった低いトーンで呟くと、2人は怪訝そうな表情で私を見る。


「どうしたの? あんたそんな経験したことあったっけ?」


「失礼ね。私だって言えないような秘密の一つや二つあるわよ」


「若えのに経験豊富って言い方だなぁ、おい。まぁ、あいつらが特殊な環境で行動していることに関しては、これ以上詮索しない方がいいってことでいいんじゃねえか?」


 デイトンさんはそう言うと話題を変えてきた。


「そういえば、なんか変わった依頼って入ってきてねえか? ここ数日、森の中の様子が変だって話があってな。なんかギルドでも聞いてないかなって思ってよ」


「カレナ、なんか知ってる?」


「正式な調査依頼ってのはなかったはずですよ? でも、商人がここにくる途中の村で変な集団を見かけた、なんて話があったって言うのくらいしか私は知りませんね」


 そんな噂話あったんだ。行きつけのお店でマスターと世間話したりするけど、私は聞いた事ないな。


「どこでそんな話聞いたの? 私と呑みに行く時でもマスターとそんな話しないじゃない?」


「ん? ディルムとご飯に行った時に、彼がそんな話してきてたのよ」


 彼氏とのデートでの会話でしたか。ケッ…………。


「そういえば彼って服飾職人だったよね? それなら行商人からの情報もあるか。でも、森って近くのあそこでしょ? 何か異変があったら、すぐに噂が出回りそうなものですよね?」


「だから、こうしてギルドにも何か情報が入ってないか聞いてるんじゃねえか。出入りの猟師にも聞いてみてはいるんだが、あの森は広いからな」


 そうなのだ。森自体は、徒歩で3時間もかからずに行けるのだが、直進して歩いても抜けるのに一日かかるくらい広い。ギルドでも2〜3ヵ月くらいの頻度で、探索依頼を出しゴブリンなどが住み着いていないか等、調査はしている。そういえば、そろそろ調査依頼を出す時期ではなかったかしら? 


「森の様子が変って、どんな感じなんですか? 次の調査依頼の参考にもなるし、ギルドマスターの判断次第では、早めに依頼をお願いするかもしれませんよ?」


「おう、精霊術師の話ではな、大地の精霊力が乱れている感じがするらしい。原因を調べようにも、森全体を歩き回らないと特定できないかもしれないって話だしよ。猟師にしても、森から肉食系の獣が減ってるって話してたな。あとあれだ、マナの濃度が濃くなってきてるかもしれないとか術師達が感じてたみたいだぞ」


「デイトンさん! それってかなりヤバいことになってるんじゃないですか? 数日前からなら、なんでもっと早く教えてくれないんですか!?」


 カレナが、カウンターをバンバンッと叩いて、デイトンさんに詰め寄っている。デイトンさんは、チラリとこちらを見て『なんとかしろ』って目で訴えていた。知らんがな……カレナって怒るとすごいんだぞ。何か言おうとしても、言い訳も聞いてくれないんだから。

 カレナがデイトンさんに矢継ぎ早に捲し立てていると、ギルドマスターとお姉さんたちが執務室から降りてきた。


「なんだ、騒がしいな? 今度はカレナか? デイトンも……何してんだ?」


 ギルドマスターが、怒られているデイトンさんを見て困った表情をし、私に視線を向ける。なんで私を見るんですか? まだ止めれるタイミングじゃないですよ。ギルドマスターに無言で肩をすくめ、首を振る。

 ギルドマスターは、溜息を吐きながらも、


「お〜い、カレナ? もどってこ〜い」


 と、言いながらデイトンさんをどついて、カレナの気を引く事に成功した。


「ぁん? あっ?! ギルドマスター!! 聞いてくださいよ! この人達ったら……」


 カレナは、デイトンさんと、あっちで隠れるように呑んでる冒険者達を指差して、ギルドマスターにさっきの件を報告していた。


「わかったわかった。おい、デイトン。それについて、詳しそうな術師らと呼んでこい。上で待ってるからよ。イレーヌさん、あれはすぐに調べさせるが、ちょっとこの件次第では時間がかかるかもしれねぇ」


 そう言ってギルドマスターは、リーダーのお姉さんと握手をした。


「別にかまわないわよ。時間はかかるだろうと予想はしてたから、ゆっくりするつもりだったしね。なんか手伝える事があったら協力するわ」


「そいつは助かるぜ。でも、このタイミングってのは……あれが絡んでんじゃないよな?」


「どうなのかしら? まぁそれならそれでこっちの調査の進捗も捗るかしら」


 お姉さんは、ギルドマスターに軽くウインクをし微笑を浮かべていた。ギルドマスターは苦笑いしてる。

 そして、他の人達とも握手をしギルドマスターは上に上がっていった。


「「……ギルドマスターが、『さん』付けしてた……」」


カレナと2人、同時に呟いてしまった。

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