16話
仕事都合で遅くなりました。短めですがとりあえず……
朝1の鐘が鳴っている。
昨日の騒ぎのせいで帰るのが遅くなり、いつもより睡眠時間が短かったせいか、なんだかまだボゥとしたままの身体を起こす。カーテンの隙間から陽が差し込んでおり、小鳥の鳴き声も聞こえてる。カーテンを開けると小鳥が逃げて行った。窓から外を眺めてみると、いつもと変わらなそうな風景だ。若干、巡回してる警らと冒険者達が見受けられるが、気を張ってる様子はない。すれ違いざまに明るく挨拶してるようだし。寝てる間に解決したんだろうか? 日が昇ったからレイスも出て来なくなったのか? 出勤したら情報あるでしょ。
そそくさと着替え、行きしなにパン屋で朝ごはん用のサンドイッチを買ってギルドに向かった。
ギルドに到着し、更衣室でサンドイッチを食べながら着替えていると、カレナが出勤してきた。
「な〜にぃ? 今日はずいぶんと遅いじゃない? 昨日はお泊まりだったでしょ? あんなことあったら帰れないもんねぇ〜」
ニヤニヤとしながら聞いてみるが、なんかため息ついちゃってます。
「もう、大変だったんだから。行ったら即、喧嘩になっちゃって宥めてるところに昨日の騒ぎでしょ? 有耶無耶にしながら昨日は甘えてあげてたら、朝から頑張っちゃってさ……」
あ〜聞くんじゃなかった。カレナもカレナである。そんな赤裸々な告白、いかに私相手だからってヤメテヨネ。
「朝から獣のように激しく求め合う2人……ヤラシッ」
イヤンイヤンと身体をくねらせる。……呆れた顔をしないで下さい。
「もうっ! それより昨日のあれはなんだったのかしらね? 引き継ぎの時に説明もあるだろうけど、今日も事務仕事になりそうね」
着替え終わり、夜勤者と交代の時に昨日のあらましを聞く。
昨夜はギルド内でもバタバタだったらしい。なんせ街中にレイスが至るところに大量発生である。把握出来てるのでも100は下らないとの見解であった。冒険者達も頑張ってたらしいが、なんせ数が数であり危なくなっていたが、神殿の人達と盗賊ギルドも参戦してくれたらしい。
しかし、リッチなんて迷惑なアンデットまで出て来てピンチになったらしいが、なんとミリアさんが鎧袖一触の活躍で凄かったと報告が上がってるとか。それに街中に結界が張られたみたいだが、神官曰く神聖な結界だったようで、アンデットが弱体化しずいぶん助かったとも言ってたらしい。そんな広域範囲結界を張れるものなど街にはいないはずなので、誰がやったのか調査中だそうだ。街の人間でいなかったのなら、もしかしてあの人かなと当たりはつけれるが、憶測であるのでまた聞いてみよう。
そのシフォールさんも目撃例がある。10匹くらいのレイスに囲まれた3人組を浄化魔法で助けたそうだ。10匹をいっぺんに浄化するって凄いなと思ったら、今度はティッチさんがまた違う意味で凄かったらしい。なんか獣らしいのに乗って現れたのだが、頭がワニで鬣があり下半身がずんぐりした獣だったらしいのだ。……そんなの知らない、聞いたこともない。しかもその獣らしきものは、レイスを食べていたとの報告があり目撃した者は、レイスの見た目と絶叫で、生きたまま食べられる時ってあんな感じなんだろうなと背筋を震わせていたそうだ。たしかに、いかにレイスと言えど見たくないものだ。
あとは司祭様が神殿で襲われてたところを助けてくれた女性冒険者がいるとか。姿形を聞き、推測するにイレーヌさんと思わしき人物は、なんとデミリッチとやりあっていたらしい。デミリッチは何か探し物をしていたらしく、司祭様を問い質していたが重要なことを調べられそうになった時に現れたそうだ。戦闘もかなり激しかったようで神殿内は深刻なダメージらしい。炭化してがらんどうになってるんだって。
ただ、大爆発が起こったはずであったが、司祭様と神殿自体は無事で周辺に被害は出てなかったとの事だ。その後は、2人の姿が消えていたので消息は不明らしい。
大丈夫だったんだろうか? デミリッチってリッチの更に上位のアンデットと聞く。詳しい生態がわかっていないのでどれ程の脅威か推測されているのが、ドラゴンの成竜並みだろうとのことだ。そんなのが街に現れていたなんて恐ろしい事である。
冒険者達に負傷者はいるものの死者が出ていないのが幸いであった。
なぜデミリッチ達が現れたのかは現在調査中であるとの事。お姉さん達の報告もまだみたいで、ギルドマスターが昨日から寝ずに待っているらしい。来たら直ぐに通せとイライラしてるそうだ。
引継ぎが終わり、これからまた報告書のまとめやらなんやらで憂鬱である。




