12話
不定期更新、遅くなりました。
寝る暇がない。
ギルドマスターと、報告しに行った冒険者2人が降りてきた。
「ここにいる全員、聞いてくれ。さっき届いた報告をするぞ」
今回の報告は、昼に出した冒険者が合流して観察したところまでの見解である。
別行動した3体は、それぞれが同じように破壊と捜索らしきことをしていたらしい。ちょっと違うのは、動くものを見るとすぐさま攻撃するなど、行動が過激になっていたとの事だ。相手にバレないような位置どりを把握するために結構ギリギリのことをやってたみたい。その結果、判明したのは操られているだろうとの見解であった。瞳孔は開いており、意識はないと推測。破壊箇所についても、最初は不特定であったが、ある箇所で魔力溜まりであっただろう箇所を発見し、重点的に捜査し巨人を観察すると、魔力溜まりから魔力を抜き取っているだろう行動が見えたらしい。例の刺青である。魔力を吸収すると微かに蠢いていたらしい。……気持ちわるっ。
各々の行動を各組が連絡し合い、同じ行動をしている点としばらく変わった動きがないので、交代要員と物資の補充に2人を帰らせたとの事だった。イレギュラーがあった時の連絡用に、使い魔もついてたらしいが連絡がないので現状維持との判断である。
使い魔が白ヘビだったのはキモかった。服の中から袖口に出てきてたし……
現状、森の奥に進んでいるらしいので周辺の村は大丈夫だろう。ただ、これ以上の森林破壊は、貴重な採取物の損失にも繋がるので、目的は判明していないが討伐は確定だろう。
ギルドマスターは、交代要員4人と魔術に精通している者2人を選別し、補充物資を持たせ出発させた。
補佐官からの次の資料整理は、森の魔力溜まりについての調査だ。これも各ギルドの調査報告と併せて、事例をまとめていかなくちゃいけない。
深夜残業確定~って、ため息をつきながらカレナと喋っていると、お姉さん達がやってきた。
ギルド内の雰囲気に、入り口で一旦立ち止まったが、カウンターの方に来る。
んっ? なんでティッチさんはイレーヌさんにおんぶされてるんだろ? 顔が真っ赤だし。
「なんだか忙しそうね? 何があったのかしら? まぁ、私達は別件だけど。ギルドマスターはお手隙かしら?」
今度は、私がギルドマスターに報告しにいくと、ギルドマスターは私を押し退け、
「ちょっ……」
急ぎ、下に降りていった。
どさくさ紛れに、胸触られたんですけどっ!!
私も慌ててギルドマスターを追いかけ、文句を言おうとしたが、
「ちょうど良いところにきてくれた。相談したいことがあるんだが、上がってくれ」
ギルドマスターが低姿勢でお姉さん達を促している。
しかし、ミリアさんは渋面をつくり、
「別に全員じゃなくても、イレーヌが話を聞けば済むことなんだろ? 私には面倒な相談なんて性に合わないね」
「あらあら、そうやって人任せにしていいのかしら? イレーヌがお人好しって貴女が1番わかってるじゃない。後で文句言うのは無しよ? たまには頭働かせないと、錆ついちゃうんだから。脳筋が取り柄じゃないでしょ」
シフォールさんの辛辣な言葉を受けて、
「情報を制しないと、いざという時に行動が鈍るってか?」
と、溜息を吐き了承していた。
「不貞腐れないの。貴女の意見が大事なこともあるのよ。それに、私達の依頼の報酬替わりに請け負ったら安くつくんだけど」
イレーヌさんは笑いながらミリアさんの腰の辺りを叩いていた。
「別に私達、お金に困ってないじゃない。貯め込んでも使い道ないしな。方々で散財して、経済をまわすのも私達の役目だろ?」
「あら? 言うわね~1番お金使えてないのミリアじゃないの? 呑む事にしか使ってないくせに」
シフォールさんは、ミリアさんの肩を叩きながら苦笑し、
「さっきからうるさいわね。文句言ってる暇があるなら早く片付けなさいよ。私は眠いのよ!」
イレーヌさんの背中で眠っていたティッチさんがお怒りだ。
3人は苦笑しながら上がっていった。
「ティッチさんどうしたんだろう? 顔真っ赤だったよね?」
カレナが疑問に思っていたが、
「もしかして……」
カレナにお昼の件を話して、2人で苦笑した。
資料整理に戻った私達は黙々と仕事をこなし、補佐官に報告し指示を仰ぎ、ひたすら頑張った。
しばらくすると、ギルドマスターとお姉さん達が降りてきた。
ギルドマスターは、補佐官に現在までの調査結果のまとめ等を聞き、お姉さん達も一緒に聞いているようだ。何かお姉さん達にも質問したりして、5人で話をしている(ティッチさんはミリアさんに担がれてる)みたいだが、奥の応接間にいるもんだから何も聞こえない。盗み聞きはよくないとは思ってるんだけど気になるじゃない?
たかが受付嬢が関われるもんでもないか。何かあったら仕事ふられるでしょ。こっちは、残りあと少しを片付けちゃいましょう。
そうこうしているうちに、奥での話し合いは終わったようだ。補佐官を除いて、ギルドマスターとお姉さん達が出てきた。
「じゃあ、私達は別動隊として動くわね。その都度、適宜対応でいくわ。何か報告があったら、このコに話しかけて」
イレーヌさんは手のひらの上に魔法陣を作ると、何かが魔法陣から浮上してきた。まん丸な白いネズミだ。二本足で立って片手? 片足? を挙げている。
「なんですかっそれ〜? メッチャ可愛いじゃないですか! 丸々と太ってるのが愛嬌いいですね」
そのネズミは、私に向かってビシッと指を突き立てている。なんだろう? チューチュー言ってるが、怒ってるような感じだ。
「ダメよ、ミーヤちゃん。このコ、太ってないって文句言ってるわ。見た目こんなだけど力持ちなのよ」
イレーヌさんがそう説明すると、ひょいと手から飛び降り、椅子の脚にしがみついて、なんとそのまま持ち上げちゃった。
思わずカレナと2人で拍手すると、ドヤ顔になってるみたい。
「今の魔法陣って召喚陣ですか? でも召喚って別次元の存在を、一定時間呼び寄せるってものじゃありませんでしたか?」
カレナが質問している。私はカウンターに上がってきたネズミと、指で腕相撲? している。
ヤバい! 負けそう……指折れる……
「これは特殊召喚陣ね。使い魔とのパスを通じて、空間をつなげてるの」
ネズミは、モストマスキュラーのポーズをとり、勝ち誇っている。
ネズミに負けた私を、皆が呆れた顔して苦笑している。
「そんな魔法聞いたことないですよ。誰に習ったんですか?」
「自分で作ったわよ。誰も考えなかったのが不思議よね? 不便に思わなかったのかしら?」
指をさすりながらネズミを睨み、私も聞いてみた。
「普通、使い魔って主人の近くにいるものじゃないですか? パスで命令とか、視界共有とかして離れることはあるにしても、召喚するものではないですよね?」
「私、あちこちに使い魔放してるからね。普段、みんな自由に生きてるわよ」
んっ? またなんか規格外のようなことを聞いたが、いち早くカレナが、
「えっ?! 待ってくださいよ? 使い魔って多くても2匹くらいしか契約できないって聞いてますよ。あちこちってことは、複数なんでしょうけど精神持つんですか?」
「それは通常の契約方法ね。私のは特別なの。サモナーのアレンジみたいなものね」
ニッコリと簡単に言ってますけど、魔術を新規で作成するって余程のことですよね? やっぱりこの人達、規格外だわ。他の3人も特別な何かがあるんでしょうね……
カレナと2人で、信じられないものを見てる顔してるのが可笑しかったのか、
「呆けた顔してんじゃねぇぞ。それで、その使い魔に話しかけたら、イレーヌさんに伝わるってことでいいのか? だが、そっちからの連絡はどうするんだ?」
ギルドマスターが私達を嗜め、イレーヌさんに問うていた。
「このコを通信室に置いといて。私の持ってる通信機で、伝言をパスから受信させるわ。魔力は私から供給するから問題ないわ」
「あの自動書記にそんなのあるのか? 初耳だぜ?」
「だって、私しかその機能使わないもの。そのために作ったんだし」
「魔道具まで作っちゃうんですか? イレーヌさんてなんでもできるんですね」
感心してる私の肩に、ネズミが登ってきてサイドチェストしている。何がしたいんだ……
「錬金術師でもあるからね。色々とやらされてるわ。それじゃあ、私達も動きましょうか」
「こいつどうすんだよ? このまま連れてくか? 1人で置いて行けねぇだろ?」
ミリアさんが、肩に担いでるティッチさんを指差してる。
「一度宿に帰るわよ。ちょっと準備があるし。あと2、3時間もしたら起きるでしょうから、それからティに運んでもらうってことでいいんじゃない?」
そんなことを話しながら、お姉さん達はギルドを後にした。
2時間仮眠して仕事しよ。
なぜか話が最初のプロットから勝手に外れていくもので、修正が大変。
話が進まない……




