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大きくなったよ、四聖天が

 街の古びた(?)場所(昼)

水咲「ていうかアレ四聖天だよね⁉︎ アノン、どうなってんの?」

アノン「あれはガイアの能力ね。体を大きくするっていう単純で平凡な能力なんだけど、あの娘の場合恐らく最強クラスにまで跳ね上がっているわ」

水咲「あの娘の場合?」

アノン「そう、あの能力は自分のカップサイズと指定した相手のカップサイズの差に五を掛けた倍数分、体が大きくなり力が強くなるってやつなのよ。その相手ってのは能力者と同種に限るんだけどね」

綾「なんだそのくだらない能力は。恥を知れ」

アノン「私に言われても……」

綾「ちなみに水咲はAAAだから……百キロメートルか。すごいね」

 アノン、真剣な顔つきで歯を噛み締める。

アノン「そんなもんじゃないわよ。百キロメートルなら貴女の能力でもどうにかなるわ。でもね、いい? 貴女たちの世界はAAAまでしかないけどね、この世界ではそこから一センチメートルずつ下にサイズが有るのよ。水咲のサイズはFL、AAAの五つしたなのよ! つまり三百十二メガメートル!」

 アノン、見上げると四聖天。まだこちらに気が付いてはいない。

アノン「みんな静かに……!」

水咲(む、こんな時にオナラがしたくなってきた。でも音を聞かれるとバレル。四聖天はオナラの音に敏感だからね……そうだ、大きい音を出して誤魔化そう)

水咲「ああああああああああ!!!!」

水咲の尻「ばああああああ!!!!!」

綾「うるせええええええええ!!!!{何気に1番うるさい。そして妙に臭い(単純に口が臭いため)}」

四聖天「下痢の時の下水道のような臭いとプロテインを雑巾に浸した臭いのマリアージュね。見つけたわ、2人とも。そして臭みの極みも。そしてさようなら私の嗅覚」

 絶望する水咲と綾。

綾「終わったーーー!」

 暴れ出す四聖天。

アノン「いえ、まだよ! 指定が完了するまで1分視界にとらえていなければならないの――危ない!」

 飛んできた瓦礫から水咲を庇うアノン、妖精が野球ボールに直撃しヘナヘナと落ちるように落ちる。

アノン「逃げるのよ、水咲……」

水咲「そんな、こんな美少女をここに置いて行くなんて……それにまだ特別な力もらってないし……!」

アノン「ごめんね水咲……でも今は逃げるのよ! このままでは本当に死ぬわよ!」

水咲「あ〜ん、ここは言われた通りドロンしなきゃいけない気がする〜」

 めそめそと泣きながら、綾に手を引かれて走り出す水咲。アノン、その背中に呼びかける。

アノン「貴女さえ指定されなければなんとでもなるわ! 貴女ほど胸の小さな人間、他にいないわ!」

 その場で立ち止まる水咲。

アノン「だって人間界ではAAAまでのサイズまでしかないもの! それってつまり、それ以下の人間が存在しないってことでしょう!」

 水咲、アノンに向かって走り出す。

アノン「ちなみにFLというのはFLATの略で」

 水咲、アノンの顔面に向かってドロップキックを放つ。

水咲「うるせえええ! こうなったらあたしの手で葬ってやろうか、アァアン⁉︎」

綾「姉さーーーん!」

 水咲、体に違和感を感じ見上げると四聖天の体が光り出している。

四聖天「私は神にでもなるのかしら⁉︎」

水咲「しまったあああ!」

綾「水咲ちゃん本当にありえないんだけど! 今更胸の大きさとかどうでもいいでしょう⁉︎」

水咲「綾ちゃんにはフラットの気持ちがわかるかってんだよ⁉︎ クッソおおおお!」

 どんどん巨大化してゆく四聖天。

綾「そんなのわかるわけないよ! でも水咲ちゃん、なんの努力もしてないじゃん!」

 四聖天、呻き声を上げ始める。

四聖天「なにこれ……く、苦し――」

水咲「ええ⁉︎ し、してるよ……。コーヒー牛乳とか……めっちゃ飲むよ」

 綾、鬼の形相で水咲の肩を掴み問い詰める。

綾「あのね、そんなの努力したとは言わないの! 私は毎日糞尿が白くなるほど牛乳を飲んで、口が臭くなるほどプロテイン飲んでるんだよ! それに水咲ちゃんが他の人の胸触ってる時、私は自分の胸揉み漁ってるのよ! あなたにはわからないでしょうねえ、無い胸を……腹じゃねえんだよおおおおっ!」

 瞬間『パァンッ!』と爆裂音が鳴り響き、眩い光が町中を包み込み、風が巻き起こる。

アノン「これは、まさか……!」

水咲「天皇陛下万歳!」

作者「それはいけない。天皇陛下とは国の象徴。象徴ってわかるかい? 要するに国民全体を示していることになる。よって天皇陛下を馬鹿にすることは全国民を相手とることになるんだ。君は私自身を今挑発したのと同義なんだよ。どうしてくれる? 私がその気になれば君を1人だけ四十代のおばさんにして、それなのに何故か四聖天女学院に通っているという設定にすることもできるんだよ。それでいつか君は通報されるのさ。学校の体育に明らかに四十代そこそこのおばさんが混ざってるの何故かって。教師でもなさそうだし他の子からも避けられている、いや、存在自体無視され――」

水咲「申し訳ございませんでした」

作者「はい」

※作者はあまりにも痛い小説を書きすぎて全身筋肉痛に悩まされています。バファリンが効かなくなったその時、作者はこの小説を書くのを辞めるでしょう。それがこのインターネットという世界の環境のためにもなると信じて……。

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