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2章 32話 「人類皆兄弟だった話」

この辺の話を上げるに当たって、4話をそこそこ改稿しました。

ストーリに変更はありませんが、キキとルナの人生ゲームのルールに少し手を加えました。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 


 どうもこんにちは、キアーラ・カサッツァです。

 袖触れ合うも他生の縁と言います。

 これは行きずりの人との出会いであっても、それは偶然ではなく前世からの縁があるという意味です。

逆にいうと前世での縁が必要なわけです。

 その上、今世でも懇意になるとしたら、それはもう大変なことではないでしょうか?

 実際に仲間になる確率はどれくらいなんでしょうね?




「まだ死んでいない……?」


 俺は警官たちの方を振り向き観察すると、確かに血だらけだがまだ胸が上下している。

 どうやら本当に死んでいないようだ。

 ちっ、浅かったか……。


「だが、何故コイツらが死んだら俺が負ける? 別に仲間でもなんでもないぞ?」


 敗北の条件は敵に殺されるか、俺が憎しみにかられて仲間を裏切るかのどちらかだ。

 確かに王虎を()られて、憎しみを持って警官どもをぶち殺したけど、こいつらは仲間ではない。


『王虎も警官も死んでないよ? その解説はまた後でね? 警官のベルトにポーションがあるからそれを使って、治療しなよ。もうほんとに時間がないよ?』


 ポーション! そうか! この世界にはご都合チートファンタジー薬品があったんだ!


 俺は急いで警官に駆け寄ると、ベルトについた四角いケースが目に入った。

 中を開けてみると試験管のような瓶が入っている。

 よかった。割れていないようだな。


『先に警官たちに使いなよ? そっちの方が重傷だから』


「ふざけんな! 王虎が先だろうが!」


『王虎は全然大丈夫だよ? なんだったら、放っておいても治るよ?』


「そんなわけあるか! あんなに血が出てるんだぞ!」


『落ち着きなって。血ぐらい出るよ? そりゃ撃たれればさ? 男は本当に血に弱いよね?』


 うんざりしたような表情をするルナ。

 ……もしかしてマジで?


『 彼は体が大きいから2、3リットル血が出なきゃ大丈夫だよ。何度も言うけど、警官を先にしないと君が死んでしまうんだよ? ほら! 急いで! あとで胸触らせてあげるからさ?』


「え……? ほんとのマジに?」


 ルナが呆れつつも、割と焦った顔をしていたので仕方なく警官にポーションをかける事にする。まじで死んじゃう5秒前らしい。

 決しておっぱいにつられたわけでも、王虎が大丈夫だとルナに言われて安心したからでもない。そしておっぱいにつられたわけでもない。


『じゃあ、なしでいいね?』


 バカヤロウ。ダメに決まってるだろうが何言ってんだ。


 傷にポーションをふりかける為に、警官の胸元をはだけさせようとしたが、男の制服を脱がす機会なんて、当然今までなかったし、血で結構滑るのでもたついてしまう。

 ルナの言う通り警官を先にしてよかったかもな。王虎を先にしていたら間に合わなかったかも知れん。


『その警官Aが一番ひどいから、ポーションは丸々1本使った方がいいよ?』


 言われた通り警官Aの胸全体的にふりかけるようにポーションをかけていく。

 だんだんと血まみれの傷口が塞がっていき、折れたあばら骨がバキバキと音を立てながら戻っていくのがわかる。

 何度見ても不思議な光景だ。なんで、患部にかけただけで傷が治るのか?

 体内に散らばった細かい骨の破片も戻ってるのかな? どうやって元の状態を判定してるのかな? 失敗とかあるんだろうか? あとなんか甘い匂いもするよな。


 ついうっかりトドメを刺さないように、くだらないことを考えながらBとCが持っていたポーションも拝借する。一人ポーション1本が標準装備なんだな。

 こいつらは思ったより軽傷だ。やっぱりあばらは折れているけど、完治させる必要はあるまい。半分づつでいいだろう。

 しかし結構至近距離だったのに即死じゃなかったのはなんでだろう?


『寝ている人間から放出される魔力なんてたかが知れているからだろうね? 館長が起きていたらミンチだったんじゃないかな?』


 ふむ。この世界の銃は気絶している人間を使っての発砲は弱体化すると。

 今後の参考にしておこう。失敗しないようにな。


『今回はそれに救われた形だけどね?』


「そこが、とんと分からぬ」


 最後の一本を王虎にふりかける。

 この傷の位置心臓に弾当たってない? これでも放っておいても治るの?

 ポーションをかけたことで傷口からキノコ型に潰れた弾丸がコロリと排出される。

 異物を排除する効果もあるんだぁ。もうマジチート。

 あらかた王虎の傷も治ったと思う。


「で? なんでそいつらが死ぬと俺の負けなんだ?」


 手が血でドロドロだ。なんか拭くもんないかな?

 俺は辺りを見回しながら、ルナに質問する。


『その警官達はね? 子供を守るために警官になったんだ』


「ご立派な志だと感心するが、それと俺に何の関係がある?」


 母さんに持たされたハンカチは汚したくないからなぁ、カーテンでいいか。

 帰ってハンカチが血まみれだと母さんも驚くだろうし。

 あと、血で汚れた手で女性の胸を触るのは良くないしな?


『最近の君、子供を助けるって言う目標ができただろう? バンビーニを治めると決めたときからね?』


 はぁ? いや、確かにそれも目的の一つだが……。

 俺は困惑してカーテンで手を拭く作業を中断し、ルナの方を見やる。


『子供を守るって言う志が同じだろ? という事は仲間さ』


 いやいやいやいや!


「馬鹿か! 目的が同じだけで仲間判定とか、頭のネジがぶっ飛んだ陽キャだって考えんぞ! それがまかり通るなら、生きると言う目的を持っている奴らは全員俺の仲間という事になるだろうが!」


 判定がガバガバすぎるだろうが!

 ありえん判定にルナに詰め寄るも、ルナは肩をすくめるばかりだ。


 おいおい……マジなのか?

 つまり全人類が俺の仲間なのかよ。

 いつのまにか博愛の権化のような存在になっていたらしい俺は、唖然とするのだった。


お読みいただき誠にありがとうございます!


ヤバイです! ストックないのがこんなにキツイとは?!

間に合わない! 間に合わないです!

週一でこんなにヤバイなら毎日投稿はどうなっちゃうのか?

毎日投稿の作者さんは化け物なのでしょうか……。

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