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2章14話 「デザートの説明しただけなのに怪しまれる話」

すいません!遅れました!


こんにちは、キアーラ・カサッツァです。

語るに落ちると言うことわざがありますが、隠していることをしゃべってしまうと言う意味で使われます。多分それは人格が過去の経験知識を元に形成されるからだと思います。

その為人間は一度知ってしまったことを完全に意識から外す事は出来ないのです。

人格がある限り過去から逃れる事は出来ないのです。

つまりもう諦めて何もかもしらばっくれる政治家の対応が最適解なのです。




「「デザート?!」」


目を輝かせるフレアさんとトントンさん。

二人ともソファから腰を浮かして前のめりだ。


さもありなん。どこの世界でも、甘味は女子のベストフレンド。

今では心の栄養としての側面が強いが、今回は本来の仕事をしてもらおう。


「デザートにはもともと、食事で取りきれない栄養を賄うために考案されたと言っても過言ではないでしょう。今回のケースにぴったりです」


ホントはちょっと過言だけど。

昔のデザートは、食後に足りない栄養を補給するためのサプリメント扱いだったし。

ちょっと大袈裟に言っても大丈夫だろう!


「デザートにはそんな由来があったのですね。知らなかったです」


「そうなのです。そう言った意味ではデザートも薬膳と言えるでしょう」


だから摂取することに罪悪感を覚える必要はなく、むしろ栄養面をキチンと考えられたデザートは食べるべきなのだ!

女子はすぐにダイエットとか言ってデザートを制限しようとするからな。


「そっれっで♪ 寒天ゼリーとスウィートポテトって何かしら?♪」


「私も気になります!」


ずずいとさらに身を乗り出す二人。

お教えしましょう、そうしましょう!


「まず寒天ゼリーとは、テングサという海藻を乾燥させ煮立たせることで作れるプルンプルンの食感が楽しいデザートです!」



「それは私よりもプルンプルンかしら?♪」


「トントンさんよりはプルンプルンではないです!」


「プルンプルン……」


プルンプルンであることに矜持でもあるのか謎の対抗心を見せるトントンさん。

そしてプルンプルンというキーワードに反応するフレアさん。

この人は俺と似ているのかもしれない……。


「そしてそのプルンプルンの上にお好みで甘い蜜をかけたり、プルンプルン自体に甘みをつけたりします!」


「プルンプルンに蜜をかける……」


「この寒天ゼリーは沢山食べられる上に、水溶性の食物繊維を多く含んでいる為選びました!」


思考がもはやオッサンではなかろうかという人の方はなるべく見ないように説明する。


「そういえば、なぜ水溶性の食物繊維が必要なのかは聞いてなかったわね」


マダムがふと気づいたのか言ってくる。


そういえば言ってなかったかも。

茶番に夢中すぎたなw


「今回は体の中に不要なものが残っていることから起こる症状だったんです。

水分不足と食物繊維が不足すると便が硬くなって便秘になります。

それを解消するためですね」


あと水分が不足しているときに不溶性の食物繊維を取ると、逆に便が硬くなるため、水溶性である事も重要だ。


「食物繊維というのにも種類があるのね……」


栄養学という独立した学問が前世にあったくらいだからな、その数や組み合わせはそれこそ無数にある。その奥深さの一端に触れ、マダムが感心したように言う。


「どうして、お医者様も分からなかったのかしら?」


「便秘が恒常化している人もいますからね。

お医者様もそれを持って病気だと言う診断はできなかったんでしょうね」


便秘そのものは病気じゃないしね。

女性には多いと聞くし、生理現象の一つとしてスルーしたのかもと伝えると、マダムは何やら考え事を始めてしまった。


お医者様の評価が下がっちゃったのかしら?

それだとしたら悪いことをしたなぁ。


「もう一つのデザートはどんなものなんですか?」


今回は割と早く帰ってきたフレアさん。

デザートが気になるからかな?


「もう一つはスウィートポテトです」


「うんうん♪ スウィートポテト(さつまいも)をどうするの?」


トントンさんから、どうするのいただきました。

え? 食べますけど?


「そのままですか?」


どう言う質問だろうか?

フレアさんが怪訝そうに聞いてくる。

ソースでもかけるかどうかってことか?


「はい、まぁ。今回はそのまま?」


「そうですか……」


フレアさんとトントンさんが心なしかガッカリしている?

あれ? どう言うこと??

二人の様子から、なんかすれ違っているのはわかるが、一体何が?


『あぁ、翻訳スキルのバグだね?』


え? なに? どう言うこと!


聞き捨てならぬ不穏なセリフを吐くルナの方を見るとやれやれと肩をすくめている。


『君はスウィートポテトというお菓子の名前を口に出したけど、彼女たちには本来のスウィートポテトの意味であるサツマイモって聞こえたんじゃないかな?』


なぜそんなことに?!


『多分偶々、スウィートポテトというお菓子がこの世界に存在しなかったから起きたんだとおもうよ? あとで直しておくよ』


おい、バグとかあんのかよ! バージョンアップが必要とかそれでも悪魔か!


『ロールアウト時に完璧なものを送り出すのは不可能なんだよ?

その辺りをわかってないから、クライアントが追加の資金を出し渋るんだ』


なんの話だ!


『サービスにかかる人件費を、未だに無料だと思っている人間には経済の仕組みを一から教えるべきだと僕は思う』


それには激しく同意だけれども!


『技術や知識にもっとお金を支払うべきだ』


その通りだ!


『国内の生産性が最低まで下がっている今、在庫と資源を必要としない物にこそ価値を見出し対価を支払うべきだと僕は思う』


え? 本当にどうしちゃったの?! 何があったの?!


『不愉快だ! 僕は帰らせてもらう!』


そう言ったルナは姿を消してしまった。

あ、誤魔化された。やれやれ。

しかしこの世界にない言葉だとバグが出るとは……。

でも結構いろんなものがちゃんと伝わっていたような……?


「あ、でも、お芋そのままでも美味しいですよね!」


と、黙ってしまった俺を気遣ってフレアさんが声をあげた。

いかんいかん。今はこちらに集中すべき。そうすべき。


「すいません、説明不足でした。スウィートポテトというお菓子なんです。

蒸した芋をザルでこして、ペースト状にしバターしお砂糖牛乳を混ぜた上で、軽く焼いた物ですね」


改めて説明するとフレアさんとトントンさんから、おぉと声が上がる。

サツマイモは不溶性の食物繊維だけど、中に入っている栄養素が肌に良かったり腸の動きを助けたりと美容に向いた食品なのだ。


「美味しそう! 食べることで健康になるなんて凄いわ♪

あ! だからデザートはとても高級品なのかしらね?」


そう言えばこの世界でデザートは超高級品だったな。

砂糖を作れるのがエルフだけなんだっけ?

供給の面で高額になりがちなんだよな。

スウィートポテトも砂糖使うし高くつくか?


「ねぇ? キキちゃん?」


俺がこの世界のデザート事情を思い出していると随分と考え込んでいたマダムから声がかかった。


「デザートが足りない栄養を補うために作られたって、誰から聞いたのかしら?」


……なんかニッコリ笑ってはる。

コエーやつだ。コエー笑顔やーつだ。


「えへっ♪」


とりあえず条件反射でぶりっ子したが、俺の顔が笑顔を形成しようとしてひきつる。


なんだ? なんでそんなところに引っかかったんだ?

マダムがこの顔をしているときは俺から何かを引き出そうとしているときだ。

つまりろくでもない結果になるってことだ。


「私は栄養っていうものがあるって、さっき初めて知ったわ。

多分みんなも知らないんじゃないかしら?」


あい。だからこそお金になるのではないかと思ったんですが……。


「栄養と言うものがあることを知らないのに、栄養のためにデザートを作れるかしら?」


いや、全員が全員全く知らないってことはないんじゃ……?

学者さんとかもいるはずだし。

そう反論するもマダムは首を振る。


「うちの専属のお医者様は、この国でもトップクラスの権威なの。

お客様が重役の方が多いから優遇してもらっているのよ」


はぁ……?

何故突然、店自慢を?

首をかしげる俺にマダムがいいかしらと解説してくれる。


「そのお医者様が知らないと言うことは、この国で知っている人はいないと言っても過言ではないわ。一部の例外を除いてね?」


やっぱり雲行きが怪しくなってきたな。

どうせ、俺が栄養素に言及する事は本来出来ないはずっていうんでしょ。

ありえないっていうんでしょ。

うん。言い訳が思いつかないので現実逃避しよう。

今度はどんな妄想をしようかなぁ?


「もしそれを知っているとしたら、長い年月をかけて人体と自然を研究し、ついにはポーションをつくったエルフ達ね」


「あ、俺エルフです」


ノータイムで嘘をついてみたがどうか?

いや、エルフなら知っているというなら、知っている俺は逆説的にエルフと言うことなのでわ?


「「あぁ〜」」


キリッと言い切ったら、フレアさんとトントンさんから、だからか〜と納得の声が上がる。

それを見てマダムがえぇっと驚いた顔をした。

うん、俺も信じちゃうのはどうかと思う。


「貴女の両親が二人とも人間なのは確認済みよ?」


「隔世遺伝です。先祖にエルフがいたんです」


「かく……? なに?」


マダムが分からないと言う顔をする。

嘘だよ19世紀ならメンデルが大豆を一生懸命選別して遺伝子を発見しているはずだよ。

遺伝くらい知っているはずだよ。そう思いマダムにXXとYYの話をしてみた。

するとマダムはものすごく深刻そうな顔をして重々しく口を開いた。


「……多分その話は秘匿されたエルフの秘術に当たるわね。

エルフに知られたら消されちゃうかも」


おかしいな。おかしの話してただけなのに、命の危機が訪れたぞ?

知識チートってするつもりがなくても、出ちゃうんだなって思いました。


お読み頂きまして誠に有難う御座います!

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