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閑話2 「王虎の過去の話」

暗い話です。

苦手な方はご注意ください。

 

 壁の隙間から漏れてくる外の光と、吹き込んでくる冷たい風がその少年の覚醒を促した。


 少年は雑巾の方がまだ上等であるかもしれないボロボロの毛布を自分の上からどかすと、これ以上破れないように丁寧に折りたたむ。


 冬の只中、このボロ毛布があるとないとでは夜をやり過ごせるかどうかが大きく変わる。

 やり過ごせなかったものはそのまま吹き込んでくる風と同じ冷たさになってもう起き上がってこない。


 住むところも雨漏りはするし、隙間風もひどい。

 その日の飯を食うのも難しく、頼れるのは同じく親にすたられたり亡くしたりした仲間だけ。ボロを纏って生きているのか死んでいるのか、自分でもわからなくなるような毎日だ。

 腹がとても減ったという事と、いつ何時(なんどき)自分が死神に魅入られるのかと言う恐怖。毎日ずっとそんなことを思っている。


 そんな碌でもない日常に少年は今日も目を覚ますことが出来たのがいい事なのか、それともそのまま眠ったままの方がいい事なのかを考え、どっちも地獄なら足掻ける分、生きている方がいいと今日も思うことにした。


 少年には学なんてものはないが、毎朝小難しいことを考えている自分は学者に向いているのではないかと密かに思っていた。

 然るべきところで学べばひとかどの人物になれると漠然と思っていた。

 そうすればこんなボロ切れを毛布がわりにする必要もなく、周りで同じく震えながら夜を過ごす仲間たちとも豪勢な食い物を食えるのに。


 そう考え今は碌に食い物もないが、いつか来るだろう豪勢な未来の為に頑張ろうと思う。

 昨日は隣で寝ているやつと分け合うパンの大きさで喧嘩をしたが、でかい方をあげればよかったなと思った。

 今日の分はそうしようと思い、まだ寝ている隣のやつに一言謝ってから一緒に煙突掃除の仕事に行こうと声をかける。


「おい。朝だぞ。起きろよ。遅刻したらまた殴られるぞ」


 そういって少年は一向に起きない隣で眠る仲間の体を揺する。


「おい。起きろって……おいって。なぁ……」


 ふいにまた冷たい隙間風が少年に吹き付ける。

 本当に冷たい風だ。

 身を切るような寒さとはよく言ったもので、かじかんだ手は実際にあかぎれで所々が切れている。

 そんな手で仲間を懸命に揺するが、どうやら隣で眠っていたはずの彼はもうその冷たさを感じる事はなくなったらしい。


 ___それがいい事なのか悪い事なのか。


 風の冷たさと手から伝わってくる冷たさとを感じながら少年はそんなことを今日も考える。




「いてて。ちくしょうあの野郎、しこたま殴りやがって」


 少年は雇い主に殴られ腫れ上がった頬をさすりながら愚痴る。

 仕事をする奴が一人来なかった事と、少年が遅刻してきたことに腹を立てたらしい。

 お陰で今日の給料はいつもの4分の1しかもらうことが出来なかった。

 せめて半分を要求したところ殴られたのだ。


「仕方ねぇだろうが。お前もそう思うだろ?」


 少年がそう隣に問いかけるが、応えるものはいない。

 それに気づいた少年は俯きながら同じことをつぶやく。


「……仕方ねぇよな」


 力がないから仕方がない。

 殴られるのも。支払いを4分の1にされるのも。


 ___朝を迎えられないのも。


「しかし。これじゃチビたちに満足にパンも買えない。どうするかなぁ」


 少年は頭をガシガシと掻きながら、その頭を掻く仕草を嫌そうに顔を顰める周りの大人たちを横目にスラムで待つチビたちへの言い訳を考える。


 他の年長の仲間は食料を今日は手に入れられただろうか?


 自分だけがパンを買えなかったとなるとあいつらに偉そうな顔をされてしまう。

 それは少しだけ嫌だなと少年は思った。


 スラムの仲間たちは少年と同じく親に捨てられた者が大半だ。

 旧移民であっても、まれに力が弱い個体が生まれてくる。

 ウサギなのに跳躍力もなく長い耳もない。

 犬なのに優れた嗅覚がない。

 少年のように虎なのに強靭な肉体と鋭い爪がない。


 そうして生まれてきた子供は出来損ないとしてスラムに捨てられる。

 赤子殺しは神から禁忌とされている為、直接は処分されない。


 強い個体に育ってもらうための試練という名目で捨てられるのだ。

 その結果死んでしまうのは事故ということになるらしい。

 事故で死ぬのは禁忌に触れない。

 何度聞いても訳がわからない理屈だと少年は思う。

 いつか学者になったらその辺を解き明かしていこうとも思った。


 そんな詮無いことを考えながら、少年はチビたちが待つ廃屋へと戻って来た。


「帰ったぜ。いやぁ。今日はパンが高くて。いつもの金じゃ買えなかったよ」


 考えた渾身の言い訳を告げながらみんなが待つであろう居間に入ると、少年は様子がおかしいことに気がついた。チビたちが部屋の隅で泣いている。


 ___あいつが死んだからみんな落ち込んでいるのか?


 朝冷たくなった仲間のことを思った少年だが、チビたちが何人かいないことに気づく。


「……なにがあった?」


 少年は近くに座り込んでいた自分と歳近いウサギの獣人の仲間に声をかける。


「いつものマフィアの奴らが来て……。家賃を払えって言って来たんだ」


「は?! 何言ってんだ! ついこないだ払ったばっかりだろう?!」


 少年は何かの間違いだとばかりに仲間に詰め寄る。


「それが……この前のはこの土地に住んでる分で、今度のはこの家に住んでいる分だって言ってきて。そんなの今まではなかったって言ったんだけど。決まったことだからって」


 少年はドンドン増していく嫌な予感を押さえつけながらさらに仲間に問う。

 でもそれはきっと予感ではなく確信だったけれど。


「だけどそんな金ないだろう? 払えないものは仕方ない」


 ___だからこの話はおしまいだ。払えないでおわり。


 ___意思に反して震える手足は無視をして。


「うん。だから……払えないなら仕方ない(・・・・)からって」


 ___見当たらないチビたちが女の子ばかりだけれど。


 ___カチカチと音を立てる自分の奥歯を食いしばって。


「小さくても使い道(・・・)はいくらでもあるからって」


 ___チビたちの面倒をよく見てくれる、あの娘の姿も見えないけれど。きっと買い物に行っているだけだから。


 ___吸っても吸っても足りない酸素を継ぎ足して。


「仕方ないから、今回は女の子をもらっていくって……」


「それを黙って見てたのか!!」


 頭の中が真っ赤に染まって、そんなわけはないとわかっていたが、少年は仲間の胸ぐらを掴んで詰問してしまう。


「ぐぅ!」


 その拍子にウサギの獣人は脇腹を抑えながら顔を苦悶の表情に染める。

 少年は、はっと思い彼の脇腹を見やると汚れで分かりにくかったが、じわじわと赤黒いシミが広がっていくのがわかった。

 ウサギの獣人は無理やり口角を上げて自嘲するように言う。


「一応、止めて見たんだけどね。ほら……僕うさぎだからさぁ、ダメだったよ……力が足りなくて……止められなかったんだぁ……」


 脇腹から出る赤い体液と。目から流れる透明な体液とをそのままに、震える声で悔しそうに言う仲間に少年は千々に乱れる心をなんとかやり込め、


「わるかった。取り乱した。怪我を見せてくれ」


 少年はそのまま仲間を横たえると、血に染まった服を捲り上げる。

 そこには刃物で刺されたであろう傷が、命の源をどくどくと吐き出していた。


「なんですぐに処置しなかったんだ……」


「……チビたちにはね。見せたくなかったから。これ以上不安にさせちゃいけないと思って」


 少年は急いで自分の毛布を取りに行くと、引き裂いて仲間の傷口をきつく縛った。


「そんなことをしたら、夜を越せなくなってしまうよ……」


 つぶやくように仲間が言うと、


「お前と一緒にすんな。俺は毛布がなくても、へいちゃらだ。

 それにこうやって傷口を押さえつけると、血が止まるらしいぜ。

 だからお前もすぐ良くなるさ」


 少年はともすれば引きつりそうな笑顔で元気づけるように仲間に言う。


「ふふ……博識だね。本当に学者さんみたいだ」


 誰にも教えていないはずの夢を言われて少年は目を白黒させる。


「ははは、気づかれてないと思ったかい? みんな知っているよ。

 だって君は、みんなにどうすれば学者になれるかそれとなく聞き回っていたろ?」


 少年は頭を掻くとばつが悪そうに仲間に聞く。

 本当は別のことが聞きたかったけれど、きっと今でなければ聞けないと少年は思ったのでこう聞いた。


「なにか……お前にも夢はあるのかよ?」


 ウサギの彼は少し考えてから


「みんなが笑って過ごせるといいなぁ。

 ほら僕ウサギだから。寂しいと死んじゃうんだ。

 みんなが笑っていたら寂しくないだろう? だからそれが僕の夢」


 冗談めかして言う彼はすぐに表情を引き締めると


「今から僕は君にひどいことを言う。君にはとても許容できないことだろうと思う。

 でも僕の最期のお願いだから聞いてほしい。でも聞かないと言ってくれても構わない」


 そう少年に告げる。

 少年は間髪入れずに応える。


「聞こう」


「女の子たちを取り戻そうとしないで」


 少年は怒鳴りつけそうになるのを唇を強く噛むことで堪える。

 一泊置くことに成功した少年は仲間に短く問う。


「なぜ?」


 聞き入れる態勢になった少年に彼はホッと一息つきながら、


「君が彼女達を取り戻そうとしても、ただ殺されてしまう。

 そうなったら彼らの面倒を誰が見るんだい?」


 そう言って部屋の片隅で怯えて泣いている子供達に視線を向ける。


「俺の他にも面倒を見れる奴はいる」


 少年は仕事に行っている何人かの仲間の顔を思い浮かべなが答える。


「いいや。ダメだ。みんなは君がいるからまとまっている。

 君がいなくなったらバラバラになって、子供達の面倒を見る奴はいなくなるよ。

 生きてはいけない」


「俺にそんな力はない」


 言葉に出すことで、ことさら自分の無力を強く意識することになり、少年は俯く。


「違うね。そんなことはない。

 それに子供達だけじゃない。僕たちも生きてはいけない」


 強い否定の言葉とともに腕を掴まれ、少年は顔を上げる。


「君だけだ。この地獄みたいな毎日で、死んだ方がマシだってみんなが思っている中で、君だけが生きている方がマシだって思ってる。

 こんなクソみたいな世界で、クソみたいな境遇で、それでも生きる方がマシだって思ってる。それは僕たちにはない物だ。それが君の持つ力だ」


 そう語る彼はいつもの温厚なものとはかけ離れた言葉遣いだった。

 そしてその目には強い意志の力が感じられて、少年は自然と固唾を飲んだ。


「その力をなんて言うか知ってるかい?」


 少年には、見当もつかず答えられない。


「希望さ。たったひとつの光。それがあれば人間は生きていける。

 その光の元にみんなが集まる。それを持っている君の元にみんなが集まる。

 逆にその光すらなくしたとき人は……死ぬ」


「俺が……そんな大層なものかね?」


「そうさ」


 彼は自信たっぷりにそう断言した。


「君がいなくなれば、ここにいる仲間も、いずれ仲間になるであろう人たちも遅かれ早かれ死ぬ。断言できる。無気力に搾取され家畜のように死ぬ。ここはそういう町さ」


「だから……俺を生かすために、彼女達を見捨てろと?」


「そうだ。優先順位の問題だ。僕たちみたいな弱者が死ぬのは仕方がない。

 でも、だからこそ。ただ死ぬんじゃなくて、そこに理由が欲しい」


 そう言う彼の少年の腕を掴む手は益々と力を増していき、今では痛いくらいに食い込んでいる。

 それが彼の思いの強さだとでも言うように。


「君と言う希望のために死ぬんだと。無駄ではないんだとそう思いながら死にたい。

 いきていた意味があるとそう思いながら死にたいんだ」


 反論を許さぬ語気、鬼気迫る表情。何から何まで彼らしからぬ様相だ。

 だがそれでも少年は受け入れられぬと反論する。


「それでも俺は彼女達を助けたい」


「……ダメだ。彼女達もそれを望んでいない」


「……なぜわかる?」


「彼女達は元々もう長くなかった。「ありがとう、さようなら、あとを頼みます」それが彼女からの伝言だよ」


「長く……ない?」


 続けざまに告げられる内容に少年は混乱する。


「病気でね。醜く腐り落ちる前に元々君の前から去るつもりだったって。

 そう言ってた。だからさ、君にはむしろ助けにきて欲しくないのかもしれない」


 その言葉が駄目押しとなり少年はその場に崩れ落ちた。


「頼むよ。僕たちを君のために死なせてくれ」


 彼の再度の懇願に少年は動かないまましばらくすると、カラカラに乾いた喉から掠れた声で言った。


「ひどい……話だ。朝、仲間をなくして仕事場で殴られて。金も4分の1しかもらえず、帰ってきたら仲間が連れ去られて、でも助けに行くなと言う。そして俺の為に死ぬと言う」


 そして少年は顔を上げて彼に問いかける。


「俺にどうしろって言うんだよ」


 だが、彼は応えない。


「なんだよ……。もう眠ったのかよ。……本当になんなんだよ」


 そこからのことは少年はあまり覚えていなかった。


 仕事に行っていた他の仲間が帰ってきて、事情を話した気もするし、一緒に彼を庭の墓に埋めたような気がする。掘り返したばかりだったから簡単だったように思う。


 少年はその間ずっと考えていた。どうすればよかったのかを。


 夜は毛布がなくなったが不思議と寒くはなかった。

 体の中でグツグツと何かが煮えているように感じられ、暑かったぐらいだ。


 次の日少年はいつものように煙突掃除の仕事に出かけた。

 特に遅刻もしなかったのに雇い主に殴られた。


 少年は考えた。なぜ殴られたのだろうかと。

 なぜだろう? どうしてだろう?

 そんな考える日々が続いたある日。


 少年はたまたま通りがかったスラムの一角で、街のチンピラがゴミを捨てるように死体を捨てているのを見かけた。


 それは連れ去られたチビ達と、チビ達よりも身体が小さくなった彼女の死体だった。


 少年がハッと気づくとあたりは血の海とかしており、少年の手からは無かったはずの鋭利な虎の爪が生えていた。それだけではなく身体は黄色と黒の縞模様の体毛に覆われていた。


 少年は出来損ないとして捨てられたが、なんのことはない。

 獣としての闘争本能が薄かった為その因子がまだ目覚めていないだけだったのだ。

 暴力を行使しようと言う意志。それが足りないだけだった。


 少年は自然とそのことを認識していた。


 何がいけなかったのか。


 ___力がないのがいけなかった


 どうして殴られるのか。


 ___力がないから殴られた


 純粋に力を欲した時、少年は虎の獣人としての力を十全に発揮できるようになっていた。


 皮肉にも彼女達の死が少年の成長を促したのだ。

 彼女らの望み通り、死が彼のためになった。


 少年もまたそのことに気づき、もはや心が壊れようとしてその時。


「おぉおおい。こりゃぁあ、なんつぅう惨劇だよ、おまいさん」


 少年の背後から声がした。

 とっさに少年が後ろをふりむくと、不思議な服を着た男が立っていた。

 一見すると貫頭衣のようにも見えるが、鮮烈な蒼色の布地でできており、袖がが大きく垂れ下がっていて、ズボンも履いていない。

 後から少年が聞いた話では着物と言う衣類だそうだ。


 しかしこの時の少年はこの男も彼女達を殺したやつらの仲間だと思い、その爪で引き裂かんと飛びかかった。

 しかしその爪が男にかからんとした時突如として男の姿が消えたのだった。

 たたらを踏む少年の背後からまた声がした。


「おまいさん。いきなり、襲いかかってくるってぇのは、紳士とはぁあ、言えないねぇえ」


 またもふりむくと一糸も乱れぬ姿でその男が立っていた。

 少年は喉を鳴らして威嚇する。


「グルゥゥゥ!」


 その声にことさら男は大袈裟に驚いてみせる。


「そぉんな、おっとろしいぃ声と目で睨みつけられちゃったらぁ、おぉじさんびっくらこいてぇ、こぉしが抜けちまうだ、わ、さ」


 そのバカにしたような態度に少年は憤りを覚え、再度襲いかからんとしたが、


「だ、か、ら、おぉじさん。こぉうしちゃう」


 男がそう言ったかと思うと、少年は気づけば地面に倒れ込み、顔面をしたたかに打ち付けていた。

 男が目にも見えない速さで少年を組み伏せたのだ。

 男は少年をそのまま覗き込むと、今までのおちゃらけた態度から一変。

 凄まじいまでの威圧感で少年に問いかけた。


「なぁ。坊主。おまいさん、その力で何をするつもりだい?」


 突然の出来事に混乱するも、考えてばかりだった少年は男の問いかけに真面目に答えた。

 なぜこんな怪しい男の問いかけに答えようと思ったのかは少年も分からなかった。


「みんなが笑って過ごせるようにしたい」


 男はその答えに一瞬目を細めると押さえつけている少年の頭にもう少しだけ力を入れた。


「じゃあ、おまいさんはこの惨状をみんなの笑顔のために起こしたと。そう言うわけかい?」


「……違う」


「そうだろうよ。おまいさんは力に振り回されて、怒りに任せてそこの男達を殺しちまったわけだ」


 殺し。

 少年はその時改めて自分が人を殺したのだとはっきりと思ったが、後悔の念は抱かなかった。


「あんたの言う通りだ。だが後悔はしていない」


「人殺しに後悔がない? そいつぁなんで? はじめてだろう?」


「あいつらは罰を受けるべき人間だ。だから俺が罰を与えた。死んで当然の人間だった」


 怨嗟の声を少年はあげる。


「罰を与えるねぇ。おまいさんは何様だい? 神様かい? 王様かい?」


 その問いかけに少年は黙ってしまう。

 なぜなら少年は何者でもなかったからだ。

 スラムにいる、ただの子供。

 それが今の少年だ。


「何者でもないなら、罰を与えるってぇのは烏滸がましいんじゃないのかい?」


 男が再度問いかけてくる。

 少年は少し考え、


「だったら、俺は王様になる。神さま(ゴッド)は無理だけど、みんなを笑顔にする王様になる」


 そう答えた。


王様(・・)ね。そぉれならぁ、この世界ではぁ力をつけないと、だぁめなのよん」


 男はまた元のおちゃらけた雰囲気に戻ると少年を立たせた。


「だぁから、おぉじさんが、おまいさんにぃ修行をつけてあげるでござぁんす」


「は?」


 突然の申し出に思考を停止する少年。


「おまいさんのちぃからは、ちょぉいとあぶなっかしいから、制御出来るようにしましょうねぇ」


「は?」


「おまいさん、お名前はなんていうんだい?」


「……名前はない」


「そりゃまた、不便のベンベン草ときたもんだ。そいなら、おぉじさんが名づけてあげまあしょい!」


「はぁ?!」


「ん〜。王様になりたい虎ちゃんだからしてぇ。ずぅばり王虎(ワンフー)でどないでっしゃろい?」


「はぁあああ?!」


 これがのちに、とある幼女と手を組むことになるマフィアの第一歩となるのはまた別のお話。









お読みいただきありがとうございます!!


この話はとても作者的にとても描きやすかったです。

今のところ一番の出来だと思います。


もしちょっとでも面白い! 続きがきになる!と思われましたら

ポイント評価とブックマークもよろしくお願いいたします!


感想なども随時受け付けておりますので、よろしければ、そちらもお願いいたします!


作者にとってとてつもない励みになります!

引き続き頑張っていきます!



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