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18話 『父の仕事とこれからの話』

本日二話目です!


どうもこんにちは。

キアーラ・カサッツァです。


パパやんが日雇い派遣労働者から短期雇用労働者を一足飛びで正社員雇用となり、家計が科学忍法火の車から、お野菜入ったスープ飲めるんジャーに進化いたしました。


何の因果かドルネオ父さんの新たなる仕事は郵送業者だ。

今日も今日とて書類だったり物資だったりを届けたり回収したりしている。

と言っても今のような現代日本のような一般大衆向けの郵送業務ではなく、会社の取引先が対象でルート輸送みたいなものだ。


工場から工場へ材料を運んだり、できた製品を直送で現場に届けたりまたは倉庫に届けたり。はたまた、付き合いのある店から他の店へ荷物を運ぶ、ザ・運送といった業務に加え、取引先に書類を届けたり取引先に不足している品がないか御用聞きに行き、その商品を届けに行ったりと多岐にわたって色々運んでいる。

郵便局と佐○急便とアス○ルを兼任しているようなものかな?

街の中を重い荷物を運びながら行ったり来たりでそれはもう忙しく飛び回っている。


この時代背景で流通に従事するって、もう勝ち組と言えるんじゃなかろうか?

お給料もグレートに60%もアップしたし!!

パパさんかーねーもーちー!!


まぁ実際には60%アップしても元が少ないので金持ちには程遠い。

しかしながら、今までは一つでも歯車が狂えば詰んでいたところが、多少は生活に余裕ができたのは極めて僥倖であるといえる。


3食ご飯が食べられて、おかずにお肉もお目見えするようになってきた。

体は幼女である俺や中身も体も幼児のポーなどは、食事から取れる栄養素の偏りは病気に直結してしまう恐ろしいファクターだからな。

もはや質より量の具なしクレープと具なし汁の生活には戻れない。


上の兄二人は純粋に飯が美味くなったことで大喜びだし、クレアお母さんもいざという時のポーションの買い置きができるとあっては不満があろうはずもない。

まぁちょっと忙しすぎるので体調を壊さないか心配しているみたいだけど。

しかし当人であるドルネオ父さんもやりがいがあると張り切っている模様。


良いことはそれだけではない。

アタクシ、この世界に来て始めて金貨というものを拝見いたしました。

なんというか。こう、金ピカピカでしたね。


絵柄はこの世界の神さまがモチーフになっているらしいんですが、絵だけ見るとなんかチャラい兄ちゃん見たいなのが金ピカピカパワーで神々しく感じられました。

黄金の匂いは鼻で嗅ぐもんやない、魂で嗅ぐんや。そしてその匂いで魂が蕩けるんや。

そう昔の悪い人は言いましたが、その通りだと思います。

金は正義じゃぁ!!


『浅ましさが比類ないねぇ』


お前も前世と今世ともに極貧生活を送ればわかる。


『わかるかなぁ?』


何でそんな大層なものを見られたかというと、聖人様がドルネオ父さんの仕事着としてスーツを用立ててくれることになったのだ!!


聖人マジ聖人!

よ! 社長! ドン・フェルッチオ様様!!

毎度ゴロッリオから金をせびっていた狼男や、娼館で娼婦に暴力を振るっていたクズなどの旧移民達と同じ人種とは思えぬ!

流石は聖人様と呼ばれるだけのことはある。


いや、聖人にしたってここまでやらないと思う。

もしかしたら神かもしれん。


聖人曰く、父さんの仕事は取引先にお伺いするので、それなりの格好をしないといけないんだって。だからこの金貨でスーツ作って来なさいと。


現代日本だってそんなのないわ!

俺はスーツを買うために自分のバイク売ったわ!!


一応ドルネオ父さんが聖人さまの目に止まった理由はあるようで、父さんが聖人様の経営する孤児院の修繕工事の人足として仕事をしていたんだが、みんながみんな薄汚れた格好で仕事をしている中で、毎日身体も作業着も清潔にしている父さんが気になったそうだ。


普通は日雇いの人間は金がかかるのでそこまで清潔にはできない。

だが我が家にはクレアお母さんがいるのだ!!

パパに水ジャバー!洗濯物に水ジャバー!

めちゃキレイ!


クレアお母さんのおかげで清潔なドルネオ父さんは、人件費お安いのに取引先相手にも失礼にならない人材としてスカウトされたわけだ。


重い荷物を運ぶ時は作業着。取引先に行くときはスーツと使い分けているわけだが、作業服は似合っている。

スーツ姿のドルネオ父さんはなんていうか、ちょっと力んだらシャツのボタンがちぎれ飛びそうにガチムチ。

前世で出会ったら、あぁカタギじゃないんだなぁと思ってしまうこと間違いなし。


……本当に取引先に失礼にならないのかな? あんな声でかくてうるさいのに。

いや……そこは父さんを信じよう……。


おかしいなぁ。父さんも間違いなく獣人ではなく人間のはずなのになぁ。

食っているものも俺と変わらないはずなのになぁ。

なんで逆三角形なんだろう??


さておき、これで少しは余裕が出て来たが、ポーのことを考えたら金はあるだけあったほうがいい。

俺も俺で稼がなければな。もう10歳になろうとしておりますので!!


「ということで、今日も今日とてやってまいりました! ザ! スラム!」


我が家がある通りから更に二、三本裏道に入った辺りにあるガキどもがいる区域に俺は来ていた。


ゴミが打ち捨てられ、すえた臭いが充満し無気力な目をしたストリートチルドレンが道端に寝そべっていた場所だ。


「なにがというわけなんだ?」


「本日はソニー兄さんとゴロッリオ三人でやって来ております!」


しかし最近は俺が子供達に食事を与え、その代わりに水浴びをさせて路地も掃除をさせため随分と改善されてきた。

たったそれだけの事でも疫病の防止にもなるし、空気もよくなる。

スラムの空気はポーの肺に悪影響だったからな。


「なぁ? 聞いてるか? 誰に言ってんだ?」


子供たちの目にも輝きが戻ってきた気がする。

絶望しかなかった世界に一握りの光明を与えられたんじゃないかと思う。

つい嬉しくなって叫んでしまうな。


「最近のソニー兄さんは背も高くなって筋肉もついて来ており、中々の男前です!

自覚が多少あるのか、少しだけ前髪を伸ばすなど色気付いてきております!!」


「ちょ! やめろや!」


「自分で思っているチャームポイントは切れ長の鋭い目です!!

皆は目つきが悪いと思っています!! 好みの女性はズバリ巨乳です!!

多分マザコンなんだと思います!!」


「ホントにオマエ! マジオマェ!!」


ちょっと涙目になりながら俺の口を塞ごうと懸命に手を伸ばすソニー兄さんだが、俺が高い位置にいのでそれは叶わない。


「ゴロッリオ! キキを下ろせ! 鉄拳制裁を加えてやる!」


「……う?」


「お前も人の話聞いてねぇな!」


どこまでもマイペースなゴロッリオは兄さんの話を聞いていない。

今は俺を肩に乗せているので落とさないように集中しているのだろう。


彼は移動時に俺のことを肩に乗せて運んでくれる。

最初はおっさんが肩車されてたら小っ恥ずかしいと思って固辞していたんだが、何度も勧めてくるので俺が折れた。


俺も最近はもう割と快適だし。良いかなぁって思い始めた。


___ゴロッリオ・ビアンコ。


俺が最初にスラムで助けた少年だ。

身長は2m以上。飯もきちんと食っていないはずなのにガッチリとした身体は筋肉の塊で、世紀末に紛れ込んでいても違和感はないだろう。

髪は黒髪で堀が深く、目もつぶら。

動物に例えるとゴリラ。


本人は知らないと言っていたが、恐らく獣人の血が入っていると思う。

多分ゴリラ。でなければ驚異的な防御力を持っている事に説明がつかないからな。


そんな彼だが、1度助けた後も定期的に食い物をあげていたら、なんだか懐かれた。


俺的にはあんまり助けた感はないんだけど、ゴロッリオ曰く、他人を慮ることのできないスラムで育った彼はそのデカイ体躯も相まって、スラムのコミュニティにすら異端とみなされ、ひとりで生きてきたそうだ。


そんな中で人として接してくれた俺に恩義を感じ、ついていく事にしたんだって。

……チョロインかな?


奇跡的に素直に育った彼がこの先悪い人に騙されないか心配だ。


そんな話を前にしたら我らがクレアお母さん。

うちに連れてきなさいとの仰せ。


はぁ? 我が家の家計は科学忍法火の車なのに?って思ったが、よくよく聞くと近所のヴォーチェ婆さんが足を悪くして日常生活がシンドイから男手が欲しかったんだって。


ということでゴロッリオはうちのすぐ近くの噂製造婆さん、ヴォーチェさんのところに居候しております。


ヴォーチェ婆さんは針子の仕事をしていて、婆さんを仕事場に送り出した後は基本的にゴロッリオは一緒にあれこれを手伝ってくれているのだ。


ちなみに婆さんを送り届ける時はハンドキャリー。

パワフルムーブで抱っこ移動です。

ゴリラかな?


そんなゴロッリオ君の上から騒がしいソニー兄さんを見下ろしていると、騒ぎを聞きつけた子供達が集まってきた。


集まった子供たちは男女合わせて二十人ほど。

下は5歳くらいで上はソニー兄さんさんと同じくらいの15〜16歳くらい。

出会った当初はヤンチャな子ばかりだったが、ソニー兄さんの親身になったお話し合い(物理)や、俺の親身になったお話し合い(餌付け)などにより今では気の置けない仲間となり、一つのチームとして活動している。


子供たちは皆襤褸(ぼろ)をまとったような姿だったが、コツコツ俺が悪党どもから寄付していただいた金を使って、今ではある程度見られる服装になっている。


男の子はワイシャツ、ズボンにサスペンダー。

中古も中古だがハンチング帽を被っている。

女の子は基本ワンピース。胸元におもいおもいのリボンをあしらっている。

こちらは安い布からヴォーチェ婆さんの有志によって作成された。

一部俺の要望を取り込んでもらったが。


小公女セーラと母を訪ねて三千里のマルコをイメージしていただくとわかりやすいかと思われます。


なかなか元手はかかったが、伊達や酔狂でやったわけではない。

故あってのことだ。

今日はとうとう今までの苦労が実を結び、兼ねてからの計画を実行に移すことができるのだ!


俺は今までの苦労に想いを馳せながら、チームの子供達を見回し宣言する!


「これより大ビンゴ大会を実施する!!」


読みいただきありがとうございます!

感謝の念が絶えません。


ありがたやありがたやぁ。

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