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17話 『金を稼ぐのに本気になる話』

明けましておめでとう御座います!

今年もよろしくお願いいたします!

 

 どうもこんにちは。

 キアーラ・カサッツァです。

 いつの世も、どこの世も夢を見る事は止められないと思うのです。

 言うなればロマンチックが止まらない。


 もしかしたらワンチャンあるかも? と思ったら自分に嘘はつけない。

 人は皆そういう人生のエトランゼな訳で。


 そして楽して今より幸せになりたいと言う欲求もまた止められず。

 つまりワンチャン10億当たんねぇかなぁであるわけです。


『みんながみんなそう考えいるわけじゃないと思うけどねぇ?』


 ばっか、おまえバカおまえ。

 労働に従事している人間は全員そう思ってるに決まってるだろ。

 むしろそれしか考えてないまである。


『仕事が辛かったんだね?』


 はい。


 と爽やかな笑顔でお返事したところで、今後の計画を立てていきたいと思います!!

 その名も「宝くじで夢を売りつつ、現金と言う名の希望を懐に入れちゃおう計画!」


『宝くじの正式名称は当籤金付証票っていうらしいよ?』


 賢いアピール、まじマンジ。


『いい歳した中年男性の若者言葉も大概だと思わないかい?』


 俺は今幼女なんでいいんです。はい論破ァ!


 宝くじを販売するにあたって、まず信用がなければ成り立たない。

 金が動くわけだからみんな慎重になるだろ?

 この世知辛い世の中で金を持ち逃げされる確率の方が高いわけだし。

 ましてや相手がスラムのガキどもとなったらなおさらだ。


 なので俺は近隣の方からの信頼を得るための秘策を用意した。

 その名も「小綺麗にした子供達が、無償で街を綺麗にしちゃうよ作戦!」


『秘策って言うほどでもないねぇ?』


 馬鹿め。ルナめ馬鹿め。

 シンプルで地道な方法にこそ活路があるのだ!

 急がば回れというだろう。

 今日の俺はこの作戦の現場監督として見回りをしているのだ。


 よしよし。みんな真面目にやっとるなぁ。


『見回りと言う名の散歩だねぇ?』


 作戦の総指揮官として見回りをしているのだ!!


 この作戦に際しクレアお母さんの力が大活躍だった。

 そう魔術水だ。

 このスラムにも水道はあるが、ある程度金を持っていないと使えず、公衆浴場もあるが当然スラムの子供たちは使えない。

 つまり身綺麗なだけで、ある程度贔屓目で見てもらえるわけだ。


 でもクレアお母さんの魔術で一発解決!

 おててから水ジャバー。


 これを利用しスラムの子供たちをうちの庭にでかいタライを置いて、毎日キレイキレイ。

 クレアお母さんも沢山の水を用意するのが大変だったが、子供達がわんさか来て楽しそうにしており、苦にもしていないようだった。


 最近体調があまり良くないポーにも友達ができて一石二鳥とくらぁ!

 子供達も孤児が多いので、クレアお母さんに甘えまくりだ。


 ……俺のお母さんで俺のポーだぞ甘えるな。許せん。


『大人気ないよねぇ?』


 嫉妬の心は父心! むしろ大人だから抱く純情な感情!


『純情だろうか?』


 うるせー! 三分の一も伝わらねぇ!


 そして重要なのが挨拶!

 無視されようが舌打ちされようがめげずに挨拶を徹底させた。

 挨拶するたび友だち増えるぜ!


 現代日本では冷え切った近所づきあいでむしろ倦厭されることもあるが、この国の奴らはまだそこまで冷めていない。笑顔で挨拶されれば悪い気はしないのだ。

 無償で掃除してくれるとなればなおさらだな。


 そうしてコツコツと近所の方々の評判をよくしていくことで、ちょっと話をするぐらいならOKってところまでこぎつけた。


 これは中々のことなんだぜ?


 そうして次のステップ。

 いきなり大金が当たるかもしれないので、クジを買ってくださいと言っても買ってもらえるわけがない。

 何言ってんだコイツでターンエンドだ。


 そこで俺はない頭を捻りに捻って考えた。

 そうしてひねり出した答えは、娯楽性を持たせればいいのではないかと。


 現代日本なら宝くじというシステムが確立されているので、それだけで娯楽たり得るが、この世界ではそうではない。ゲーム性が必要なのだ。


 思いついちゃったね俺は。やれやれだぜ。さすが俺。


 元手が掛からず、誰の目にも明らかで!なおかつエキサイティンッ!


 その名も「ビンゴ!」


『もはや宝くじじゃぁないねぇ?』


 うるせー!

 俺が宝くじと呼称すればそれはもう宝くじなのだ!

 言ったもん勝ち!


 このビンゴには利点があるのだ。

 ゲームとして成り立っているので、本格始動の前に体験してもらうことで楽しさを実感してもらえるのだ!


 最初は参加費用無料で一位の人には粗品プレゼントでも、娯楽の少ないこの街では受けに受けるはず!!


 そうして浸透したところで、参加費用を徴収し一位の人に上がりの何パーセントかを賞金とすれば分かりやすい上に、イカサマもやりにくいのでお客様も安心!

 参加者が多ければ多いほどもらえる額も多いので、口コミで仲間を呼んでもらえるって寸法よ!


 怖い。自分の天才的頭脳が怖い。


『人の褌で相撲を取るって知っているかい?』


 知っていますけど何か?

 この世界では俺こそがオリジンなので未だ問題なし!


 ……©️の人って異世界にまで徴収にこないよね?

 そんな能力者いないよね?


『まぁ、いないけどね……?』


 よかった。悪魔がいるくらいだから鬼のような集金人もいるかと思った……。


 さて。計画も順調に行っているし、可愛い可愛いポーの顔でも見に行きますかね?


 そうして俺はご帰宅なさるのでした。


『やっぱり散歩だったねぇ?』



「今帰ったよ〜」


 どっかのおっさんのように帰宅の挨拶をかまして、俺はポーのもとへ向かう。


 お返事は無しか。

 クレアお母さんは洗濯かな?

 兄さんたちは靴磨きにでも行っているんだろう。

 ドルネオ父さんは言わずもがなお仕事だ。


 こりゃポーが寂しがっている可能性大!

 お慰め差し上げなければ!!


 ちっちゃい歩幅でできるだけ急いで俺はポーの部屋にたどり着く。


「ポー、寂しかったかい? おねぇちゃんが帰ってきたよ〜?」


 だがそこには真っ青な顔をしてヒューヒューと喘鳴を響かせる妹の姿があった。

 俺はすぐにポーのもとに駆け寄る。


 くそっ! ちくしょう!!

 発作だ! やばいぞ! くそっ!

 アンモニア臭がする。失禁もしているのか?!

 やばい……!

 昼間に重度の発作が出るなんて!


「お母さん!! ポーが発作をッ!!」


 俺は叫びながら母さんを呼び、ポーションが仕舞ってある棚に走る。

 震える手をなだめすかしてポーションの瓶をなんとか握りしめ、ポーの元に舞い戻る。


「ヒュー! ヒュー!」


 ポーの喘鳴がひどい。


「ポー! これを飲むんだ! ポーションだぞ!」


 そう言って俺は瓶を傾けて中の液体を飲ませようとするが、息ができていないポーは飲むことができない。

 咳き込んでしまい吐き出されてしまう。


「どうすりゃいいんだ!!」


 なんとかしなければ! なんとかしなければ!

 くそぅ! 俺がかわってやれればっ!


『……暖炉の焼けた石にポーションをかけて蒸発させればいい』


「なんだと?! 何言ってんだお前!!」


『吸入だよ。蒸気なら呼吸困難になっていても体内に入れられる』


 っ!!


 俺は急いで暖炉に向かうと焼けた石を拾う。


「ぐぎゃぁああああ!!」


 くそったれ! 痛くねぇ! 全然痛くねぇ!!!

 涙なんか流れてんじゃねぇ! 手元が狂ったらどうする!!

 文字通り焼け付くような痛みに耐えながら、ポーの元に戻る。


「ポー! こっちに顔をむけろ!」


 俺は空いている方の手で虚ろな目をしたポーの顔をこちらに向けると、少しずつ焼けた石にポーションをかけていく。ジュージューという音を立てながら水蒸気がポーの顔を撫でていく。


 どれくらいそうしていたのだろうか?

 小さな瓶だから短い時間の事のはずだが、俺にはとてもとても長い時間に感じられた。


「スースー」


 あれほど、うるさいくらいに響いていた下手な笛見たいな音はなくなり、落ち着いた呼吸の音が聞こえてきた。


 助かったのか……?


 しばらく様子を見ていたがどうやら呼吸が安定して眠ったようだ。


 よかった……。


『ポーションじゃなければ危なかったよ』


 ……そうだな。こんな即効性があるなんてマジでファンタジーだぜ。


「ルナ」


『……なんだい? 声に出したら誰かに聞かれてしまうよ?』


「ありがとう。お前のおかげで助かった。本当にありがとう」


『___珍しいこともあるものだね? 明日は雨かな?』


 茶化すように言うルナがどんな顔をしていたのかは、深々と頭を下げていた俺には見えないのだった。



 そのあとも大騒ぎだった。

 俺の苦痛の叫びを聞いたクレアお母さんが慌てて帰ってきて、俺の手を見るなり卒倒しそうになるわ、ちょうど帰ってきた兄さんたちが訳も分からない叫び声をあげるわ。


 ポーが起きちゃうだろ? 静かにしろ。


 クレアお母さんが俺の叫びを聞いて急いで駆けつけたってことは、やっぱりたいして時間は経っていなかったってことだな。


 ちなみに俺の手は骨まで行ったかなぁ? と思ったがスーパーファンタジックアイテム

 ポーションさんが御都合主義かよレベルで俺の手にもかかっており、再起不能まではいかなかった。

 マジポーション。


 まぁ石を引き剥がす時はクッ殺と思ったけど。


 そんなこんなで夜にドルネオ父さんが帰ってくると、なんだか俺が叱られた。


 解せぬ。


「無茶はしないと、約束しただろう?」


 そんなこと言ったって。ねぇ?

 しゃーなしですよ。しゃーなし。


 ことがことなだけに反省の色が見えない俺はそれ以上は追求されることもなく、そのまま家族会議に突入した。


「ポーの発作がの頻度が日に日に上がってきている。今のままではどうなるか分からない」


 ドルネオ父さんが家長として言いにくいことを代表して言う。


「ポーションがあれば大丈夫なんだろう?」


 すがるような表情で父さんにソニー兄さんが問いかける。


「確かに。ポーションがあれば対処療法ではなく治療も可能だろう」


「だったら!」


 そう勢いずくソニー兄さんにドルネオ父さんは静かに首を振る。


「確かに治療は可能だ。だがそれは潤沢なポーションがあった場合だ。我々ではそんなにたくさんのポーションを用意する金がない」


 うちがどれだけギリギリで生活しているか分かっているソニー兄さんは絶望したような表情を浮かべるが、すぐにハッとなり俺の方を見る。


「そうだ! キキなら最近金を稼いでいるからそれでなんとかなるんじゃ!」


「どういうことだ?」


 怪訝そうな顔でドルネオ父さんも俺を見る。


 ……流石に娘が泥棒家業に身をやつしていますと宣言できるものではないので、兄さんたちには黙っていてもらったのだが、追い詰められて喋っちまったみたいだ。


「……スラムの子供たちと街を掃除して小銭を稼いでいるんだよ」


 これ以上心配をかけるわけにもいかないので、嘘をつく。

 ソニー兄さんは何か言いたげな表情をしているが、


「ソニー兄さん。ポーションはとても高いんだよ。

 俺の稼ぎの全部(・・)を使ってもたかが知れてるのさ」


 俺の言いたいことがわかったのか、そのままソニー兄さんは俯いたまま動かなくなってしまう。


 そりゃぁ、俺のしのぎの全部を使えば1、2本は買えるかもしれないが、そうしたらスラムの子供たちに還元することができなくなってしまう。

 そしてそうなれば仲間のいなくなった俺に金を稼ぐ手段がなくなってしまうのだ。


「私も働けば……」


 クレアお母さんが口をひらくが、


「いや。お前がいなくなったらそれこそ今度発作があった時にどうなるか分からない。

 お前は家にいてもらわなくては」


「僕とキキでポーを見ていれば?」


 フレド兄さんが名案がひらめいたとばかりに言うが、


「そうしてまた焼けた石で手を焼くのか?

 ……ポーが心配なように、父さんはお前たちも同じように心配なのだ」


 手を焼いたのは俺だが、子供たちがいつ暴走するやもしれぬと気が気でないのだろう。

 父さんが大きくため息をつくと皆の視線がそちらに集まった。


「みんな悲観しすぎだ。

 父さんはどうしようもないと言いたいわけではないのだ」


 どう言うことだ?


「これからはより一層ポーを気にかけてやってくれと言う話をしようと思っていたのだ」


「だけど今のままではどうなるかわからないって……」


「今のままならな」


 怪訝そうに尋ねたソニー兄さんにドルネオ父さんが答える。


「父さんな新しいところで雇ってもらえることになったんだ」


「え?! 雇ってもらえるの?!」


「あぁ。それも日雇いじゃないぞ。ちゃんとお給金がもらえるんだ。

 そうなれば今まで以上に稼げるからポーションの備蓄だって出来る!」


 おぉ? おぉ?!

 新移民の父さんが日雇いじゃない仕事につけるなんて!

 こんな時じゃなければ祝賀会ものだぜ!!


「本当なの?! あなた?!」


 クレアお母さんもびっくり仰天って感じだな!


「本当だとも!」


「いったいどこで雇ってもらえるんだ?!」

 そうだな。どんな奇特な人なんだ?


「あぁ、その人は聖人なんて言われててな、よくできた人だよ」


 はぁ〜。聖人。

 いるところにはいるんだなぁ。

 悪魔がいるんだから聖人もいるか。


『……』


「その方はドン・フェルッチオさんと言ってな、色々な慈善事業にも力を入れてらっしゃる方なんだぞ!」


 そう父さんは嬉しそうに言うのだった。







お読みいただき誠にありがとうございます!


もしちょっとでも面白い! 続きがきになる!と言う方がおられましたらポイント評価とブックマークもよろしくお願いいたします!


感想なども随時受け付けておりますので、よろしければ、そちらもお願いいたします!


作者にとってとてつもない励みになります!

引き続き頑張っていきます!

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