九六話 ルーシェの帰還
現在深夜2時前…
眠い…
誤字報告ありがとうございます!
助かります!
そして、隅まで細かく読んで頂けると実感出来、嬉しく思います!
と、夜中に更新しようとしたら、まさかのメンテナンス中で更新出来ず…
本日の投稿、それで遅れてしまいました!
本当にすみません!!!
双腕は強く振り下ろすフリをし、斜めに飛んで逃げたシリウスを更に追う。
「シリウス様!」
「ゲフンッ」
いつものシリウスなら空中でも浮遊は可能なのだが、如何せん消耗が激しい今、避ける術はない。
そこへシルフィが空気砲をぶつける形で、シリウスを吹き飛ばしたのだ。
緊急自体のため、咄嗟にかなりの威力で放ったのと、運悪く綺麗に鳩尾へ入ったのもあり、シリウスは吹き飛びながら吐瀉物を撒き散らす。
「あらー。き、綺麗に入ったわねぇ」
「シ…シシシ、シリウス様ぁ!すみません!」
頭から地面へと突っ込んでいくシリウスに、アクエリアスが水で咄嗟にクッションを形成することで、頭からぱっかんする事態は回避された。
「ゲホッ…気、気にする…ゴホッ…でない。悪気はないのはわかるのじゃ」
水のクッションから出てきて、そう声を何とか捻り出したのだが、限界とばかりに両膝が崩れる。
そんな好機を逃すわけはないと、双腕の無数の口が、更に大口を開けてシリウスに迫る。
「これでも飲んでなさいっ!」
腕を止めるために、アクエリアスが巨大な水弾を作り、それを解き放つ。
しかし、それはもう飲み飽きたとばかりに、片腕を振るい四散させた。
「何よ!?さっきまであんなに飲んでたのに!じゃあこれなら!」
今度は氷刃をいくつも出現させ、粗雑な扱いはさせないと乱舞させるが、鬱陶しいとばかりに、振り払おうとする。
シルフィが風を操り氷刃の動きを変え、双腕に絡むように操る。
しかし…
「「きゃぁ!」」
絡む氷刃を振り払うのではなく掴み、集め、大精霊二人に目掛けて投げつけた。
その勢いは用意に二人で作った水風壁をぶち破り、二人を吹き飛ばした。
ようやく有り付けると、双腕がワキワキと手を動かしながら、シルフィへとにじり寄る。
「く…ここまでかのぉ…」
諦めかけた瞬間、シリウスの目の前に小さな波紋が起こり、そこから杖を携えたルーシェが現れた。
「待たせてごめん。ぼろぼろだけど大丈夫?」
「ヒーローは遅れてくるのが様式美というものか…成りは酷いが、まぁ生きてはおるのぉ」
また邪魔が増えたのか。
いい加減にしろと言わんばかりに、双腕は二人まとめて喰らいにかかる。
「うわぁ…気持ち悪っ」
「全くじゃのぉ」
シルフィを抱え軽くそれを飛んで躱し、そのまま大精霊二人の元へと降りる。
「二人共大丈夫?」
「どうにかこうにか」
「死んではないわね」
それぞれに返事をしたあと、ルーシェの手に捉まり、体を起こした。
そこへ目掛けて、腕が獲物を返せとばかりに裏拳を放った。
「少しは大人しくしててよ」
迫り来る拳へルーシェは杖を掲げると、放たれた光の鎖が腕に絡まり、その動きを止める。
「何その杖?凄すぎない?」
「何だろうね?貰い物かな?そんなことより、あれは僕が何とかするよ。二人共酷い格好だよ?」
その言葉に改めて自身を見る二人。
氷刃に削られ、裂かれ、服が辛うじて繋がっているだけという状態だ。
「任せても大丈夫?」
そのシルフィの言葉に、無言で頷いたルーシェ。
大精霊二人はその顔を見て、大丈夫だろうと判断し、それぞれを司る宝石の中へと消えていった。
『あとは任せたわ』
『ルーシェ。お願いね』
そう声が聴こえた直後に、双腕が拘束を打ち破る。
しかし、先程までの様に、やたらめったらと攻撃を仕掛けては来なかった。
今しがたの光の鎖へと、警戒心を強めているのだ。
「どうしたの?来ないなら…こっちから行くよ?」
杖から再度光を放った。
動きを拘束する鎖が飛び出る。
しかし双腕は、左腕を犠牲にすることで被害を抑えてきた。
そして残った右腕がルーシェを襲う。
「なるほど。でもそれじゃあ甘い」
更に杖を掲げ、拘束した左腕を操り、迫る右腕をぶん殴らせる。
『ギャギーーーーーーーーーーーーーーン』
凄まじい衝突音と共に、衝撃波だけで軽くクレーターが生まれる。
「うん。流石に自分の腕は食べれないみたい。どんどん行くよ」
そう言うと、更に左腕操るルーシェ。
「でも…何で使い方がわかるんだろ?」
「ビキ…メキ…バキバキバキ!」
その疑問が口から溢れたと同時に、空が割れる音が響き渡る。
「グゥー……………ガァーーーーーーーっ!」
鬼神の様な頭部が現れ、有無を言わさず口を大きく開き、ごん太なレーザーらしき物を放ってくる。
左腕でそれを受け止めるも、左腕は瞬時に消滅。
「これは予想外!」
消滅した腕に驚き、これでは不味いと避けようと考えた瞬間、体から勝手に動きを、杖を地面へと少し刺した。
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