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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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九十話 それぞれの役割

 ここ数日、朝見るとブックマークが増えていて、とても喜んでます!

 皆様誠にありがとうございます!

 ルーシェが一人戦闘を開始していたころ、仲間達はというと、各自担当の仕事をこなしていた。


 大精霊&神チームは、その力を使いルーシェの作った植物の種を、一気に成長させる。

 そしてシルフィの力で、成長した植物の花から出る花粉を町中に広める。


「何だぁあのでっけぇしょ…く………グゥ……」


 と、花粉を吸った人間は、即座に夢の国へと誘われていく。


「これは凄いのぉ!」


 遠くから見える塔の様な巨大な植物に、思わず声をあげた。


「シリウス様!感心している暇はないわ!」

「わかっておるのじゃアクエリアス!シルフィ!次のポイントへ頼むのじゃ!」


 頷き応えるシルフィが手を空へ掲げると、ふわっと全員の体が浮き上がり、颯爽と空を移動する。


 町や村を距離で区切り、それらの中央地点から同時に植物の成長と、風による花粉蔓延行為を起こしている。

 これにより多少の時差はあれども、帝国全土という広範囲を素早く対処し回っている。


 また、セレナスの集めた情報により、何処の被害が多くなるのか、先に予想をしていたため、重点的にそこを早く回ることで、全体的な被害を減らしている。


 ちなみに開戦原因である貴族と皇帝がいるところでは、別の植物が植えられているのだが…

 それは後のお楽しみにしておこう。



 ジークの背に乗り移動する姉妹とセレナスのチームは、主に火消し作業と、セレナスの精神感応能力により、開戦による被害者の救助を行っていた。


「思ったより被害が少なくて助かるわ」

「本当ですね。でも、範囲が広いのでまだまだ回らないといけません」

「お二人共!あの火事の家に子どもが三人」

「それは急がなきゃ!」


 ちなみにジークはこの時、空からの異変がないか監視を行っていた。


「うん…情報通りだ」


 西の空を睨みながら、ジークは一人呟いた。




 そしてルーシェは魔族と剣を合わせていた。


「我の気付いたことは褒めてやろう。が、我を止めたところでこの国は終わることは変わらぬ」


 女魔族の剣を合わせつつ、更には余裕の表情を浮かべ、自ら語りかけることで、ルーシェから情報を得ようとしていた。


「それはどういうことですか?」


 鎬を削り合いながら、至近距離で聞き返す。

 が、そう言いつつも、ルーシェはわざと相手に合せているだけで、エアリアスからの情報により、魔族の作戦は全て筒抜け状態のため、ほとんど聞いていなかったりする。


(話しを聞くフリをしつつ、その実耳には入っておらぬな)


 ルーシェの動きや短い返答により、そう判断した魔族は話すことを止め、戦闘に意識を集中させた。


 お互い無言の中、剣戟と呼吸音だけがこの空間を支配していく。


 魔族は剣を主体としながらも、左手は手甲を装備しており、防御だけではなく、それによる拳打を織り交ぜた、トリッキーな戦闘スタイルだ。

 目に付くその二つを十分にルーシェに意識付けたと確信した瞬間、それまでにはなかったら足技を放つ。

 知っていたとばかりに、ルーシェはそれを防いだ瞬間、足先からナイフが飛び出す。

 これは防げまいと、醜悪な笑みを浮かる。が、ルーシェはそれすらも防ぎ、その油断を突く形で胴体を切り裂く。


「ガハッ…何故今の攻撃を…」


 吐血しながら、ルーシェを睨み付ける。


「…ラミューテ」


 不意に自分の名を呼ばれ更に狼狽する。


「名前を呼ばれた程度で、何を動揺してるんですか?」


 皮肉たっぷりに言いつつ、剣を首に添える。


「……そうか…お前がグドゥルフを…しかし…」 


 名前を知っていた理由には検討が付いたのだが、俄にそれを信じることが出来ない様で、困惑しているラミューテ。


「仮にあやつが捕まったとしても、仲間の売る様な馬鹿な真似はしないはずよな…」


 確かに情報は話してはないなと、内心頷いたルーシェ。


 次の瞬間、突如西の空に暗雲が発生する。


「…その顔を見るに、これから起こる事も知っておる様子…なれば!」


 ラミューテはルーシェの剣を掴む。

 そして急に腕を羽毛が覆い始め、指先も鋭く変化していく。


「…マサカコノスガタヲサラスコトニナルトハ…ヨソウガイヨ」


 羽根を携え、足は鉤爪を持つ。

 その姿はハーピィ。


「ドウヤッタカハシラヌガ…ドウホウノムネン…ハラサセテモラハネバナ」


 ルーシェを蹴り飛ばし、一度上空へと飛び上がる。

 そして急降下。

 鋭い爪による攻撃を、剣にて防ぐ。


「クッ…一体今のは…?」


 しかし、防ぎ切ったはずが、全く違うところを切り裂かれ、動揺を隠せない。


「ククク…コノママチマツリニアゲテヤルワァッ!」


 再度飛び上がり、血に染まる爪を舐め上げる。

 そしてまたその両の爪を構え、空より落ちてくるのだった。

 皆様いつもご拝読ありがとうございます!

 前書きにも書きましたが、ブックマーク登録増えて喜んでおります!

 高評価の方もお待ちしておりますので、皆様是非ともポチッとよろしくお願いします!

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