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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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八九話 開戦と作戦

 YouTube始めたのはいいですが、ホンマに編集難しいですね。

 セレナスが具体的に何をしたのかはわからなかったが、人間側の情報は、ほぼ100%入手した。


 情報収集に関して、どう言ったらいいのかわからなかったので、とりあえずお疲れ様とだけ伝えた。


 本人的にも役立てたと嬉しそうなのだが、姉妹の方は様子が変である。

 あの日以降、夜な夜なこっそりセレナスの元へ通い、色々と話しているようだ。

 

「まぁ…知らぬが仏とも言うし、それより僕もやるべきことをやらなきゃ」


 そう言いながら、ルーシェは製薬作業に没頭していた。

 実際問題として、戦争を止めるため、第三勢力になること自体は、難しくはないことはわかった。

 人数はともかく戦力的には圧倒的なのだ。

 いや、圧倒的過ぎるのだ。

 そこが問題なのだ。

 実際にどうやるって止めるのか話し合いをしていたときの、僕の苦労を知ってほしい。

 

 時は遡ること、セレナスが情報収集に駆け回っていた(いや、駆け寝回っていたというべきか?)ときのこと。


「ふむ…やはり埋めるのが早いのではないかの?」


 だの。


「水没させるのは?砂嵐が起こる不毛な大地よ?洪水を起こせばイチコロよ」


 だの。 


「真空か巨大竜巻きで蹂躪するのは?」


 といった具合である。

 脳筋すぎるのだ。

 頭が痛くなってくる。


「いや、だからそんな一網打尽を越えて、全て終了的なことになれば、それが魔族的にはむしろ美味しいんだってば…」


 こんな不毛なやり時が、かれこれ一時間。

 本当にキツかった。


 セレナスが持って帰ってきた情報がなければ、本当帝国は崩壊していたかもしれない。


 一番大事な情報としては、開戦が早まったことだ。

 理由としては、砂嵐も竜巻も止んだことにある。

 不確定要素がなくなった今、二の足を踏む理由はないのだ。

 挙兵に向けて、各地兵士や傭兵が集結し始めているのだ。

 ルーシェ達の作戦的に、集まり切った開戦直前こそ好機なのだが、如何せん準備期間が短過ぎるのだ。

 作戦の成否はルーシェの製薬速度が物を言う。


「お待たせ〜。お兄さんこれでいいかな?」

「ルーシェ様。お待たせしました!」

「二人共おかえり〜。」


 ジークに渡された荷物を確認。問題はない。


 現在仲間達は、足りない素材を掻き集めに回りつつ、周辺の土壌調査に回ってもらっている。

 そう。人的な情報ではなく、あくまで土壌調査なのだ。

 

「しかし…立案しながら、本当にこの作戦でいいのかな?」


 作業をしつつ、ふと気持ちが溢れた。


「不安ですか?私は大丈夫だと思いますよ。それに、楽しい作戦ですし」

「僕も良いと思うよ〜」


 二人の言葉に背中を押され、大丈夫だと自分に言い聞かせる。


「まぁなるようになるしかない!か…」


 不安は拭い切れないものの、手だけは高速で作業を行っていた。



 開戦予定日の二日前、ルーシェの作っていた物が完成した。


「皆お待たせ!」

「お疲れ様っ!じゃあみんな!手はず通りに別れて動くわよ!」

「「「「「おぉーーーーーっ!」」」」」 


 ルーシェとジークは共に遠くまで高速で移動する能力があるため、それぞれに別れ、あちこちの土壌にある物を植えていく。


 大精霊組とシリウスは、土壌の性質改善を中心に、動き回っている。


 姉妹とセレナスは近場の人里に、ルーシェの作ったある物を植えて回る。


「これでここはよしっと!」

「お姉ちゃん。すぐ次に行きますよ」

「オッケェー!」

「お二人共お待ち下さぁ〜い!」


 姉妹の移動速度に、やはり遅れをとってしまうセレナスは、必死に付いて飛んでいた。



 そしてバタバタと準備を進めている間に、開戦の日が訪れた。


 謀反組の貴族による号令を持って内乱は開始。

 各地で一斉に挙兵する。

 そう、名目は王都転覆のはずが、襲わなくていい町や村まで貴族側の兵士に襲われ出す。


 元々内乱の兆候は掴んでいた帝国民だが、まさか自分達が襲われることになるとは思っておらず、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図となる。


「くくく…誠に人とは憐れなものだな…」


 そう言いながら、一人高台の上から行く末を肴に酒を楽しむ者がいた。

 そして胸元にある禍々しい形の杯を掲げる。


「…ん?どうしたのだ…?何故に杯に負の力が溜まらぬのだ…?」


 独り言を呟いたと同時に、その場から飛び離れる。


「背後からいきなり刃とは…お前は何者だ?それに…この腕前…」


 完璧に避けたはずが、纏っていた黒衣がバラバラに切り裂かれてしまった。


「勝ったら教えてあげますよ」


 2本の剣を携えたルーシェが踏み込んだ。

 皆様いつもご拝読頂き、誠にありがとうございます!

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