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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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五六話 旧王都への旅路

 先日は投稿出来ずにすみません。

 30日まではちょっとバタバタしてて、どうしても更新が遅れがちになってしまいます。

 申し訳ないです…m(_ _)m

 現在馬車に乗り、旧王都跡地へと向かう四人。

 御者は現在エリスが担当している。

「シルフィの補助に比べると、やっぱり速度は落ちるけど、十分に早いわね」

 妖精であるシルフィの力はあえて使わず、自身の修練を兼ねて、ルーシェの風魔法で馬の補助を行っている。


 王都と出て早十日。

 通常だとここまで到着するのに、少なくとも1.5倍弱の時間を要するのだ。

 なかなかのハイペースである。

 しかし、ずっとハイペースというわけではない。

 毎日魔力切れを起こすまでしか、ペースアップは出来ないのだ。

「魔力は切れるまで使うことで、最大量が増えます。自分でも魔力を使っては来たはずですが、やはりシルフィさん達に助けられていた分、本職よりは少ないので、なるべくそこも鍛えましょう」

 と、イリス先生からのお達しのため、ルーシェは毎日全力で魔力を放出している。


 魔力は精神力とも密接に関係している。

 そのため魔力切れ以外にも、精神疲労も相当なものだ。

 魔力を使い切ると、最低30分は意識が飛ぶ。

 そこを膝枕したいがために、そう指示している部分もあったりするのだが…

 うん。

 良い子の皆さんは、真似しちゃあいけませんよ?

 閑話休題。


 ルーシェが魔力切れから回復すると、御者はイリスが担当する。

 この間エリスがシリウスからの特訓を受けているのだ。

 馬車の中で暴れるわけにはいかないので、魔力を使わない身体強化。

 気功を習っている。

「だいぶ基礎の身体能力に、体の使い方も覚えてきたからのぉ〜。せっかくだから、とことん武道家としての力を鍛えてるのじゃ」

 と、シリウス談。


 魔力切れを起こしたあとのルーシェは、すぐに戦闘が出来るわけがない。

 また、速度も普通の状態に戻っているため、魔獣やら野盗に狙われることも暫しある。

 それらを相手に戦うことも、エリスの訓練となっている。

 ちなみにこの辺りにいる普通の野盗や魔獣では、エリスの相手にはならない。

 その為シリウスが魔力を封じるだけでなく、戻った神力により、目に見えない重りや枷を、エリスに付けている。

 重りと枷はまた特殊な力が施されている。

 相手の力量に合わせて、強くも弱くもなる。

 常に全力を出さなければ、仕留められないギリギリのところで、負荷が加わる。

 毎度毎度、命懸けの修行になる。

「こ…こんなの毎回やってたら…私死ぬわよ…」

 と、エリスが一度耐えかねて呟いた。

「死線を潜り抜けてこそ、本物の血肉となるのじゃ。枷が嫌なら……仕方ないのぉ。野盗ではなく、我が直々に全力で組手をしてやろうかのぉ?」

 その言葉を拾ったシリウスが、エリスの肩にそっと手を添えて、そう囁いたのだった。

 下手をしなくとも数秒かからずに、文字通りのミンチになる姿しか想像が出来ないエリスは全力で断り、今のままがいいです!と、必死に訴えていたりする。

 幼女で神なのに鬼なのである。


 ちなみに気のコントロールは凄まじく難しいらしく、まだ使える気配すらない。


 そんな修行をしながらの道中。

 小さめな町に立ち寄った。

 補給なども当然なのだが、数日ずっと野営続きのため、久々にちゃんとしたベッドで寝られる!と、全員がテンションを上げた。

 食事に関しては、エリスがかなり頑張ってくれるのだが、どうしても保存食がベースになってしまうため、ちゃんとした食事が取れるということも、テンションの要因となっている。


 町の門番に宿屋の場所を聞いた。

 そのときに、馬車を預れる宿屋はないことも教えてもらったので、二手に別れてることに。

 姉妹とシリウスで宿の確保。

 ルーシェが馬車を預けに向かった。


 無事に厩戸に預け、そこを出た時である。

 遠くで何かが暴れているような音。

(ねぇシルフィ?)

(うーん…あっちで何か…あ。たぶん商人が追われてるわね…でも…これは…)

 そのシルフィの言葉を聞いて、飛び出したルーシェ。

 今日はまだ魔力放出をしていないため、自分の魔法で現場へ向う。


 現場へ付いたとき、巨大な甲虫が商隊を蹂躙した跡だった。

 剣や防具なども赤く染まり、歪な形であちこちに飛散している。

 たぶん商人が雇った護衛の冒険者達の物だろう。

 無言のまま魔獣を睨み、駆除をしたルーシェ。


 ルーシェ自身、自然の中で育ってきた。

 そのためこれも自然の摂理だとはわかっている。が、最近人と触れ合うようになり、そう言った割り切りが難しく感じ始めていた。

 

 せめて何か誰かわかるような物は残ってないだろうか?と、壊れた馬車や散っている荷物を調べ始めた。


 冒険者の亡骸からは、ギルドカードが出て来た。

 これは後でギルドに届ければ、身元がわかる。

 正規の依頼なら依頼主も分かるので、こういった状況に遭遇した場合、ギルドへ連絡を取るのは、ルールではないがマナーである。


 馬車の中を探り始める。

 特に何もなさそうなのだ。

 と思ったときに、荷の木箱が崩れて来た。

 咄嗟に避けたので怪我はない。

 崩れた木箱の中から、足元に掌サイズの小さな瓶が転がってきた。


 落ちた衝撃でヒビが入った。

 瓶から怪しい煙と光を吹き出してきた。

 殆ど条件反射でその場を離れ、暫く様子を伺うと、次第に煙と光は消えていった。


 警戒しながら近付くと、そこには裸で倒れる少年とも少女とも見える、人らしき姿が。


 慌てて近寄り、声をかけるルーシェ。

 相手は目覚める様子がない。

 シルフィもその子を観察し、何か気付いたようだ。

「ルーシェ。この子は魔物混じりね」

「魔物混じり?」

「人と魔族のハーフのことよ」

「え?そうなの?というか、初めて聞いたよ!」

「昔長老が言ってたのよ。稀にそういった人がいるって。無理矢理作らされる場合もあれば、恋仲になって産まれてくることもあるとかなんとか」

「そうなんだ…って、それよりこの子、このままじゃまずいよね?」

「人の間では、魔物混じりは禁忌。忌み子と呼ばれたりもするそうよ。このままだと、魔獣に殺されるか、後から来た人に殺されるか…」


 そんなこんなで、ルーシェは自分の持っていた布で包み、まだ無事そうな木箱に入れて、その子を宿まで連れて来た。

 幸いまだ幼いので、小さな木箱で済んだ。

 念には念をと、町の城壁は飛び越えて、厩戸に木箱を隠し、また出て門から入る。

 このとき、商隊が襲われたことを伝えて、なるべく騒ぎを起こす。

 人々の意識がそっちへ向いている間に、木箱を回収して、こっそり宿へ。

 

 木箱には手持ちの装備を入れて、あたかも整備に行っていたという様相を。

 

 無事に仲間のところへ合流することができた。


「お疲れルーシェ。その荷物はどうしたの?」

「遅かったのぉルーシェ。ん?クンクン…この臭いは…」

「あ、遅かったですね。厩戸遠かったんですか?あれ?木箱?」

 三者三様のリアクション。

 シリウスだけは、臭いで中を感じ取っていたようで、一人頷いていた。


 仲間達に何があったのかを正直に話したルーシェ。

「なるほどねぇ。って、サラッと厄介事を拾ってくるわね」

 呆れながら、まぁあんたならそう動くでしょうね。

 というリアクションのエリス。

「まぁ神と人であっても、よくある話じゃ」

 達観したシリウス。


 姉の言葉に頷いていたイリスは、このときベッドで今だ眠り続ける、件の子の看病をしていた。


「咄嗟のことで助けて来ちゃったけど、どうしようか?」

 頬を掻きながら、苦笑いで言うルーシェ。

「どうしたもこうしたも、リーダーはルーシェなんだし、ちゃんと責任持つなら、私達は気にしないわよ?ね?」

「ふむ。とりあえず、その子が起きてみんと、何とも言えんしのぉ」

「私も二人の意見に同意します」


 忌み子と呼ばれると聞いていたので、姉妹には特に何て言われるのか、心配していた部分もあったのだが、杞憂で済んでほっとした。

 

 疲れただろうと、ルーシェは少し休むように、仲間が進めてくれた。

 看病は仲間がしてくれるとのことで、言葉に甘え、少しベッドに横たわると、すぐに夢の中へと落ちていった。


 夢の中で、かなりの美女が立っている。

「助けてくれてありがとうございます」

 何のことだろうか?

「せめて夢の中で恩返しを…」

 そう言って、ルーシェの頬に両手を添えて抱き寄せるように口付けをする。

 かなり戸惑い、無理矢理離れるルーシェ。

「あら…?おかしいですね…チャームが効いてない…?安心して下さい。助けてもらったお礼です。生命力は吸いませんから…」

 そう言って優しい、艷やかな笑みを浮かべる。

「なるほど…夢魔か…」

 ルーシェは相手と距離を取り、そう呟いた。

作者「てなわけで、新章突入です!」

長老「また唐突じゃの〜」

作者「えぇ!そりゃもう早くストーリー進めたいですからね!」

長老「急ぎ過ぎて、ガス欠にならんようにのぉ?」

作者「長老は優しいですねぇ〜。ついでに宣伝も、よろしく頼んます!」

長老「ほっほっほっ。たまの出番じゃからのぉ。皆様いつも拝読、誠に感謝しておる。あと少しで100ポイントなので、ブックマークと高評価、本当によろしく頼むのぉ」

 

 はい。今月中に100ポイント、ホンマに行きたいので、皆様よろしくお願い致します!

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