四十話 ビフォーアフター
毎日本当に冷えますね…
風邪など引かないように、気を付けて下さい!
あと、そろそろ新しい仕事を始めるため、更新出来ない日が、ちょこちょこと出てくるかもですが、なるべくその場合は、事前に報告出来ればと思いますので、ご了承ください!
何とか石化から戻った二人と、外へ出られると、テンションが高いシリウス。
「ところで…一緒に行くにしても、流石に今のままでは目立ち過ぎますよね」
シリウスの姿を見ながら、ルーシェが呟いた。
「確かにそうですねぇ…」
同意しながら同じ様にシリウスを頭から足まで見るフォルン。
「何じゃ?我の姿はそんなに変化のぉ?」
「変…というより目立ち過ぎるんですよね…」
「そうかのぉ…?動きやすい物と思うんじゃが…」
確かに可愛い姿ではある。
大き目犬耳、黒髪ロングヘアー。
ぱっちりとした二重。
大体130cm位の幼い姿。
フサフサの大き目の尻尾。
服装は際どく、大事な部分だけ布で隠した、所謂アマゾネスといった洋装だ。
「なら…これはどうじゃ?」
指を鳴らすと、巫女の服装に姿を変えた。
「どうやったんですか?」
「なに、全力は出せぬが、多少の神力は使えるのでな。服装くらいなら、意のままというわけじゃ」
「じゃあこんな服装は…?」
「こんな感じかの?…よっ!…ほっ!…それっ!」
「ここはもうちょっとこう…」
フォルンの言葉のイメージを浮かべて、着せ替え人形の様に、姿を変えていくシリウスだった。
服装に関しては何も言えないルーシェは、二人のやり取りを見守ることにして、先に持って行っていいと言われた本に目を通すことにした。
「さて…どんな内容かな?」
本を開く。
最初の数ページに、見たこともない文字が書かれていた。
「知らない文字だ…でも…何でだろ…」
読めない数ページ以降は、全くの白紙となっていた。
今だ服装に関して、あーでもないこーでもないと替えている二人に声をかけた。
「お取り込み中すみません。文字が読めないのと…殆ど白紙なんですが」
「ん?あぁ、お主が言っておったであろう?長役の証と災厄に関してと、その通りの物ということじゃ」
「??意味がわかりません」
「文字は長となった者だけが読むことができるのじゃ。長役には誰も慣れなくなってしまった。つまりはもう読むことが、出来る人はおらぬということじゃな」
「しかし…それなら何故殆ど白紙なんでしょうか?」
「元は災厄に関して読まれてた本ではないのじゃ。アルバがそれを、災厄に関すること限定に、変えておったのじゃ」
「つまり…今は元の…限定ではない本。ということでしょうか?」
「そういうことじゃな」
「元はどんな本なのですか?」
「知らぬな」
「え?」
「本自体は我が用意した物ではないのじゃ。契約後、アルバが持ってきて、そう言っておったからのぉ〜」
どうもアルバという人物は、相当な術者だったということが、用意に想像出来る。
「とりあえず、本は邪魔にはならんはずじゃ。それに、アルバは強制はしないが、我を出られる様にした者が、手にしてくれることを望んでおったのじゃ」
そう言われたので、本は持っていくことにした。
余談ではあるが、フォルンの独断と偏見で、シリウスの服装は巫女姿に落ち着いた。
「色々見たけど…これが一番似合ってます」
と、フォルン談。
姉妹の方は何かないのか探し回っていたが、結局何も見つからなかった。
暫く待っていると、転移陣が輝きだし、ルーシェとフォルン。そして見知らぬ巫女姿の幼女が姿を現した。
「師匠にルーシェ、おかえり」
「二人ともお待たせ」
「そちらの巫女さんは?」
「えーと…話てたシリウスです」
「あ、神様の?てか聖獣は?」
姿の見えない聖獣を探すエリス。
「実は…シリウスと聖獣が、合体して、今の姿になっちやって…」
「…え?どいういこと…?」
目が点になるエリス。
「実は…元々シリウスと聖獣は、元々一つだったらしく、一つに戻ったということらしい」
「そちがエリスか?我の半身が世話になったのぉ。イリスも一緒に面倒を見てくれたようで、感謝するぞ」
「え?名乗ってないのにわかるんですか?」
イリスがそう反応した。
「記憶は引き継いだ形で、一つに戻ったからのぉ」
「確かに…というか、その耳に尻尾の形…見覚えがあるわ」
そう言いながら、シリウスの耳や尻尾を触りまくるエリス。
「こ、これ!やめぬか!くすぐったいであろう!」
「いや、前より大きくなった分、撫で応えがましたわ…可愛い!」
生来の可愛い物好きのエリスは、聖獣がいなくなった悲しみを癒やすかのように、シリウスに抱き付き、撫で回していた。
抵抗を言葉では示す物の、聖獣状態の記憶があるため、無碍にも出来ず、エリスの腕の中で、悶えるしかないシリウスだった。
「ところでルーシェさん。母のこととかは聞けました?それに、他の役がどうなど…」
エリスとシリウスのことはさて置いて、自分が気になっていたことを聞いた。
それに対して、中での出来事を粗方まとめて話したルーシェ。
「二人のお母さんの事に関しては、あえて聞かなかった。付いてくるってことだし、長役もなくなったから、それなら二人が直接聞くほうが、良いと思ったからね」
知っているかどうかはわからないが、もし知っていた場合、プライベートなことも含まれるだろうと、二人に配慮したのだ。
それを察したイリスはお礼を述べた。
「いや、それよりそろそろ戻ろうか?ここにこの人数は、流石に狭いしね」
「そうですね…お姉ちゃんもそろそろやめてあげてください。道場へ戻りましょう」
戻る最中も、やたらとエリスがシリウスを構い、なかなか歩みが進まなかった。
とりあえず道場へ戻り、どうするか相談したところ、母の事は道中でも聞けるから、おいおい聞くとイリスが言っていた。
「暫くお姉ちゃんが猫可愛がりしてて、聞くに聞けませんから」
とのことだ。
シリウスの方はというと、長いこと封印されていたから、動きたくて仕方がないらしく、すぐにでも旅立ちたいとのこと。
装備類など、どうするか聞いたが、
「武器はまだ神力が弱いが、ある程度なら自分で作り出せるのじゃ」
とのことだった。
神とは便利なものだ。
こんな状況なとで、フォルンにすぐ旅立つことなると伝えたところ、
「まだ墓参りは済ませてないんだから、今からでも行ってきなさい」
と言われ、ルーシェと姉妹の二人は、向かうことになった。
エリスはシリウスも連れて行くと煩かったが、あまりにも抱かれ過ぎたためか、少し涙目になっていたシリウスを見かねて、フォルンの方でシリウスに、現代の常識を教えなきゃいけないという理由で、引き離すことにした。
「シリウスも旅の仲間になるんだから、紹介したかったのに…」
道中エリスがまだぶつくさ言っていたが、二人はそれをスルーすることを決め込んでいた。
三人の目の前に、腰くらいの高さの石が立っている。
「久しぶりね…」
「そうですね…でも…会ってないから実感が全然ないんですよね…」
そう言いながら、二人はそれぞれ用意した花束を供えた。
「紹介しますね。お世話になってるルーシェさんです」
「はじめまして。ルーシェといいます。いつも二人にはお世話になってます」
「むしろお世話になってることの方が、多いんだけどね」
エリスの一言に、三人は少し笑ったあと、何も言葉がでなかった。
墓に向かって、姉妹はそれぞれ思うことがあるのだろう、黙祷をしていた。
ルーシェはそんな二人を見て、こう考えていた。
(二人とあと一人、シリウスという者と、一緒に旅立つことになりました。楽しい旅になるよう、二人を守れるように、頑張りますね)
そして挨拶が終わったあと、ルーシェは二人には尋ねてみた。
「二人とも凄く真剣に祈ってたようだけど、何を祈っていたの?」
「なっ!何でもないわよ!」
「教えません!聞かないで下さい!」
と、二人とも顔を真っ赤にして言ったあと、早足で先に言ってしまった。
「変なこと聞いちゃったのかな?」
「はぁ…鈍感にもほどがあるわね…」
ルーシェの一言に、頭を抱えながら、ため息を溢すシルフィだった。
その日の夕食のこと、一同目をギョッとしてしまう事態が起こった。
食事の用意が出来たと呼ばれたので、皆が集まってきた。
実はシリウス以外の全員が声に違和感を覚えていた。
とりあえず空腹だったたのもあり、テーブルに並ぶ色とりどりの料理に違和感は忘れてしまった。
「先に食べ始めて下さい」
その声はやはり変なのだが、良い匂いに負けて、みんな食事を食べ始めた。
数分後、もう一品の料理をお盆に乗せて現れた女性。
「お待たせしました。こちらもどうぞ」
ドルマより少し高い身長で、いつものドルマの服装を着た、細身の…20代くらいの美女が、給仕を始めたのだ。
「………どちら様ですか?」
シリウス以外の全員が固まった中、一早く復活したフォルンさんが、手にしていたパンを落としながら、そう呟いた。
「先生。行儀が悪いですよ?わかりませんか?毎日顔を合わせているのに…」
ヨヨヨ…と、泣く素振りをしたあと、袖の下からぺろっと舌を出して、してやったりのにんまり顔を覗かせた女性。
「も…もしかして…ドルばぁちゃん!?」
「あらあら…せっかくこの見た目になったんですから、お姉さんと呼んで頂けませんか?」
「「「「えーーーーーーーーーーーーーーっ!」」」」
四人の絶叫が響き渡る。
「お主ら煩いのぉ…静かに食べれんのかのぉ?まったく…しかしドルマとやら。お主なかなかやるのじゃ!凄く美味しいのじゃ!」
「ふふふ…お褒めに預かり光栄にございます。シリウス様」
四人を無視して食事を続けるシリウスと、席について食事を始めるドルマ。
固まった四人が戻ったときには、殆どシリウスが食べ尽くしたあとだった。
霊力のコントロールまで任意で出来るようになったおかげで、予想よりもルーシェの製薬技術が上がっていた。
そのため効果の程が普通の魔女の秘薬に比べ、格段に効果が上がっていた様だ。
結果として一粒飲んだだけだが、ドルマにとっての全盛期の姿をにまで戻ってしまったということらしい。
食後事情を聞き、納得した面々であった。
フォルンはその後、ルーシェを捕まえて、もう少し効能を落とした物を、自分も欲しいとねだられてしまったが、材料がなく、作れないことを伝えると、泣き崩れてしまった。
不憫に思い仕方なく、後日材料が揃えば作り、持ってくることを約束したルーシェ。
近々またここへ来ることになるのかな?と、思いつつ、明日の朝の出発に備えて、最後の荷造りに取り掛かったルーシェだった。
作者「それではルーシェのプロフィール紹介をしたいと思います!ルーシェさん、お願い致します!」
ルーシェ「はい。よろしくお願い致します。15歳で、身長は172cm、体重60kg、美味しい物は何でも大好きですね」
作者「うーん…それだけじゃちょっと情報が少ないですね…ていうわけで、こちらをご覧下さい!」
作者がボードを指す!
髪型。ゆるふわの軽いウェーブの、女性でいうショートヘアくらいの長さ。
服装は一般的な冒険者のそれに、ローブを羽織っている。
実は背中に紋章のような跡があるのだが、自分では見えない位置のため、知らなかったりもする。
長老達は、あえて内緒にしているとかいないとか…
基本優しいのだが、怒ると容赦がなくなることも…
ルーシェ「えーと…これ、僕が知っても大丈夫な内容なんですか?」
作者「後書きを使った伏線っての、面白そうなんで、やってみたかったんですよね。それに…所詮は後書き、もし伏線回収忘れてしまっても、きっと強引に押し通せるはずですから!」
ルーシェ「うわぁ…なんかとんでもないこと、豪語しちゃってるよこの作者…」
ルーシェ「………という夢を、昨夜見たんですが…気のせいですよね?」
作者「ん?なんのこと?」
はい。珍しく茶番だけで、宣伝なしでした笑笑




