三九話 石化
寒波でホンマに寒いです…
吹雪や積雪の酷いところが、特に心配です…
皆様安全に!
運転される方は特に安全運転を!
色々構えて、先に話していたことが、どうもすべて無駄になってしまったということだけは、何とか理解し始めてきたルーシェとフォルン。
二人の視線の先には、ぷかぷかと気持ち良さそうに宙に浮かぶシリウス。
「えーと…情報の整理をしたいので、少し待ってもらっても?」
何とかそう言葉を、絞ったフォルン。
「ふむふむ。構わぬぞ〜。我もまだ体が馴染むまで、少しかかるでな〜」
「ありがとうございます。ルーシェ君。こっちで話そう」
「そ…そうですね…」
二人は部屋の角で、シリウスに背を向けながら相談を始めた。
「これは…私達が勝手に契約を解除しちゃったってことになるわよね…ど…どうしましょうか?」
「まだちゃんと言葉として聞いてませんし、確認を…ただ…どちらかというと、連れて行くことを話したのは僕なので…僕のせいになりますよね…」
どちらもかなりおっかなびっくり相談をしている。
「とりあえず…長役のこととか、聞いてからもう一度どうするか決めましょう。と、いっても…私達で決められることじゃない気もしますがね」
苦笑しながら、フォルンはそう呟いた。
「シリウス、いくつか聞きたいことが」
「おぉ!おしゃべりは大好きじゃから、いつでも歓迎じゃ!」
「ありがとうございます。その前に…ずっと飛んだままですが、落ち着かないので、座っては頂けませんか?」
「ん?そうかのぉ?」
そう言いながら、ルーシェに向かい合う形で座ってくれた。
「ありがとうございます。えーと…種族との契約は成されたとのことでしたが、長役のことなどは?」
「元々の契約で、成された段階でする必要はなくなったからのぉ〜」
やっぱりか…僕の責任じゃん…と、少し落ち込む素振りになるルーシェ。
「なら…元々はどんな契約だったのか、詳しくお聞きしても?」
そうフォルンからの質問が。
「少し長くなるがいいかの?最初から話す方がわかりやすかろう。契約の主はアルバという者じゃった。あのとき…あそこに閉じ込められてから、長きに渡る眠りより目覚めさせてくれたのがあの男じゃった。あの男は星詠みに従い、我を探しておったらしい。そして我の半身たる聖獣は、その者の一族に関わる者が連れてくることを、我に伝えた。そして我にこう言った『俺と契約し、来たるべき災厄が起こることを、伝え続ける語り部となりて、一族の守り神になってほしい』とな。一人の時間というのは、神であってもなかなかに堪えるものでの。我からの条件として、守り神となるなら、長役にそのことを伝える見返りに、長役にはここへ定期的に来てもらい、話し相手となってもらうことを、そしてやがては聖獣をここに誰かが連れてくること。それらを条件として提示したのじゃ。まぁ聖獣に関しては、星詠みとして出ているのなら、契約に含まなくとも、大丈夫と思ってはいたのだがのぉ」
「「はい…?」」
そこまで聞いて、二人は思わずそう言ってしまった。
「?なんじゃ?」
「いや、だって…長役になるリスクっていうか…長の役目ってそんなものなんですか?」
呆れ顔でそう言ってしまったルーシェ。
「リスクとは失礼じゃのぉ。我から力を求めたりするなら、それなりのことはするやもしれんが、わざわざ短い命の人間に、そんな危ないことをさせられるわけなかろう?第一、そんな重い物を背負わされるくらいなら、やめておきますとか言われたら、それこそ自由に動けない我には、姿を取り戻す機会がなくなるしの!」
あっけらか〜んと言われ、気合いを入れていた反動で、膝から崩れ落ちるフォルンである。
「そち、大丈夫であるか?」
そんなフォルンを見て、心配するシリウス。
「だ…大丈夫です…しかし…予想外過ぎます…」
「?まぁ大丈夫ならよいか?」
「ところで…気になったのですが、ここは元々シリウスが封印され、眠りについていた場所ではないのですか?」
そんな二人を他所に、ルーシェは気になったことを、問いただした。
「勿論違うぞ。アルバは特殊な力を持っておっての、だから我の封印も解けたし、連れ出し、ここに安置することが出来たのじゃ。そちらが転移に使った陣も、元はアルバが作った物に、我が少し手を加えさせた物じゃ」
聞いていないことまで、饒舌に話すシリウス。
よっぽど会話に飢えていたのがよくわかる。
「なるほど…」
「私からもいいですか…?」
立ち直りかけのフォルンが、声を絞るように聞いてきた。
「なんじゃ?」
「神子とは…?」
「…えーと…聞きたいか?」
「怖いですが聞きたいです…」
「何となく予想はついてると思うのじゃが…何代目かの長からか、神である我と話すことを、信託を受けると、言い換えた者がおったらしくての…我もそれ、格好いいな…と、思ってしまい…そう言うようにしてしまったのじゃ…」
頬を赤らめ、恥ずかしそうにするシリウス。
それを聞き、その姿を目にして、石化してしまったフォルン。
神とは予想外に俗物的な様だ。
「何やら一人、固まってしまっておるが…まぁよい。ルーシェよ。少し頼みがあるのじゃが」
情報の整理に頭がいっぱいのルーシェだったが、何とか反応出来た。
「頼み…ですか?」
「うむ。我と同様に封印されておる神は、世界にはあと三人はおる。それを助けてやること。それと、神器を探してはくれぬか?」
「封印が解けたシリウスが、自分で助けたり探したりすることは出来ないのですか?」
「出来るならわざわざ頼むまいて。封印に下手に近付けば、下手をすると、我は封印に吸い込まれてしまう。それに、いくら力が戻ったといっても、生まれながら与えられた制約によって、神器がないと、無闇に力が使えないのじゃ」
「神なのに…不便ですねそれは…」
「というわけで、我もルーシェ、お主と共に世界を回ろうと思う。よろしく頼むのじゃ」
「え?」
「まぁ力は十全に使えぬとはいえ、普通の人間程度なら負けないので、足手まといにはならぬ故、安心するのじゃ」
「いや、ここから出られるのですか?というか、出て大丈夫なんですか?」
「もう契約からは解き放たれたからのぉ。それに、もうここは飽き飽きなのじゃ」
「ハ…ハハハ…サヨウデ…」
情報処理に追われたため、お約束回避も出来ず、面倒ごとが増えてしまい、渇いた笑いしか出て来ないルーシェもまた、フォルン同様に石化してしまった。
「あぁ、忘れるところじゃった!その本も持って行ってよいぞ!契約が切れたので、種族以外に見られても、我は何も責めぬのでな」
そう言い、高らかに笑うシリウスの声だけが、無駄に響き渡った。
ルーシェ「主人公なのに、ここでははじめましてですね」
作者「すみませんねぇ…みんな出たがりで」
ルーシェ「いえいえ。本編ではいつも出てますから」
作者「どうもです!えーとですね…今日は簡単に、ルーシェさんのプロフィール紹介などしていこうかなと思います」
ルーシェ「僕のですか?」
作者「本編では、そこまで皆さんの身体的な情報はあげてなかったものですから」
ルーシェ「必要ですかね?というか…需要ありますか?」
作者「ぶっちゃけますと、茶番をするのにも、ネタに困ってまして」
ルーシェ「それはまたぶっちゃけましたね…明日更新分にでも、軽く載せて頂く形で、今日は宣伝だけでもいいですか?いきなりだったので、プロフィールとか聞かれると、少し恥ずかしくて」
作者「えぇ!構いませんよ!」
(これで明日分もなんとかなる!)
ルーシェ「では、えーと…皆様いつと御拝読頂き、誠にありがとうございます。シリアスなのかギャグなのか、どんな作品なのか、主人公の僕ですらよくわかってませんが、今後ともよろしくお願い致します。そして、ブックマーク登録や評価の方も、どちらかだけでもして頂きますよう、よろしくお願い致します!」




