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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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三五話 打ち明けた胸中

 暫くお休みを頂き、リフレッシュしてました!

 明日から更新しようかと思いましたが、書けたので早速更新しちゃいました!

 さて、頑張って行きますので、よろしくお願い致します!

 この勢いでもう一話分、執筆してきます!

 二人は師匠の元へ来た。

「師匠来たわよ」

「おまたせしました」

「二人とも、こんな時間にごめんなさいね。そこへ座って」

 目の前の席へ二人促し、ハーブティを用意した。

 二人に向かい合う様に座るフォルン。

 いつも通り柔らかい物腰だが、目だけは何か決意の籠もった、力強さを感じる。

「師匠…もしかして私達、何かやっちゃいました?」

 師匠の目を見て何かお小言かと思い、エリスは呟いた。

「いえ、そうではないの。二人にずっと言えなかったことがあって、今日はそれを話そうと思ってね」

 一口ハーブティを口にし、喉を湿らせる。

「あなた達が生まれた日、何があったのか…」

「両親は事故で死んだって話?」

「それはね…嘘だったの。ずっと騙しててごめんなさい」

 そう言って頭を下げた。

「…師匠のことです。何か事情あったんですよね?」

 驚きつつも、冷静にイリスはそう呟いた。

「…あなた達にとって、辛いことだし、これからの運命についても話すことになる…でも、最後まで聞いて欲しいの」

 師匠の言葉に、姉妹は顔を見合わせ、一拍の後、頷きあった。

 そして師匠を見つめる。

「ありがとう。あなた達が生まれた日、私の親友が…あなた達の両親が魔族に襲われたのよ…」


 約一月前、ルーシェに語ったあの日の出来事を、二人に話した。

 姉妹の両親と、フォルンの祖父母が殺されたこと。

 何故呪いを受けたのか。

 二人が何か特別な血族の末裔と思われること。

 言えなかった星詠みの内容。

 自分が知る限りのことは全て話したのだ。


「…ずっと騙してて…話せなくてごめんなさい…」

 話し終わると、フォルンはまた頭を下げた。

「改まって何の話かと思ったら…そのことだったのね」

 あっけらかんとそう言ったエリス。

 そしてその言葉に驚き、頭を上げたフォルンは、かなり驚いた顔をしていた。

「師匠がそんな顔をされるのは珍しいですね」

 師匠を見て、思わず笑いを溢すイリス。

「えっと…知ってたの?何で…?」

「大体のことはね」

「星詠みの内容までは流石に知らなかったです」

 そう呟いた柔らかい二人の表情を見つめるフォルン。

 二人の言葉には嘘はなさそうだ。

「でも…本当になんで?」

「まだ小さかったころ、師匠が呪いの影響がまだ尠かった頃ね。ドルばぁちゃんと二人で夜中にお酒を飲んで、話し合ってるの、こっそり聞いちゃってたから」

 少し申し訳なさそうに答えるエリス

「そうそう。トイレに起きたときに、こっそりと…初めて知ったときは、正直怖かったですね…ただ、二人が守ってくれてるという、安心感も同時に感じました」

 まさかそんな幼い頃に聞かれていたとは露知らず、それこそ鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。

「…そんな小さい頃にバレてたなんて…」

「師匠やドルばぁちゃんには、返し切れないくらいの恩義があるからね。例え今知ったとしても、そんなに変わらなかったはずよ」

「そうですよ。二人が守って下さらなかったら、今頃もしかしたら、二人それぞれ別の孤児院へ送られてたかもしれませんし。酷ければそれこそ魔族に襲われてたか、落ちて野盗やスリに成り下がってたかもしれません。私達を守り育てて頂き、ありがとうございます…お母さん」

 イリスの言葉に涙が溢れて、喋れなくなってしまうフォルン。

 そんなフォルンを抱える様に抱き止めるエリス。

「私達の育ての親は間違いなく母さん…それにドルばぁちゃんだよ…?今まで本当にありがとう…ありがとう母さん…」

 そう言ってエリスも涙が頬を伝う。

 そしてイリスも感情が溢れ出し、三人で抱き合い、暫しの時が過ぎた。


 三人が落ち着いた頃、すっかり冷めてしまったハーブティ。

 気恥ずかしさを隠すため、立ち上がり淹れ直したフォルン。

「話は変わるけど、二人は今後どうするつもりなの?」

 ティーポットからカップへ注ぎながら二人へ呟いた。

「今後?」

「そう。二人はもう立派な大人よ?一人立ちすべきじゃない?」

「…私達にここから出ていけと…?」

「そうじゃないわ。ここはあなた達の実家。そんなこと言わないわ」

「じゃあどうしてよ?」

「二人とも、星詠みの内容を話したわね?それもあるけど、それよりも何よりも、二人ともルーシェ君のこと、好きなんでしょ?」

「「なっ!!!!!!!!!」」

 真っ赤な顔になり、声にならない声を上げた二人。

「隠してるつもり?バレバレにも程があるわ。まぁルーシェ君は鈍感みたいで、わかってないみたいみたいだけど」

 そう言いながらクスクスと笑いを溢した。

「「……」」

 赤面のまま下を向く二人。

「星詠み云々は別にしても、このまま見送っていいの?」

 その言葉に落ち込んだようにうなだれる二人。

「…まぁ明日一日時間はあるから、よく考えてね。でも…彼のことだから、出るとしたら早朝と思うから、着いていくなら、早く準備しなきゃね」

 そう言われた二人は、揃って手元のカップを見つめ、一気に飲んだ。

「一人で考えたいから…部屋に戻るわ…おやすみなさい」

「私も…失礼します」

 そう言って部屋を出て行こうとする二人を、フォルンは呼び止めた。

「待って。まだ話があるの」

 そう言われ座り直す二人。

「二人は私を助けるために、土地や家を売ったよね?」

 そう言いながら、懐から書状を出すフォルン。

「これは二人の物。返しておくわね」

 それは家と土地の権利書だった。

「え?何で?」

「あれからかなり時間が…もう誰かの手の物になったと…」

「実はね、二人が売ったあの日、ドルマが手を回してくれたのよ」

「でも…」

 受け取れない…どうしよう…

 そんな面持ちの二人。

「あなた達は私達を助けるために投げ売ってくれたのは嬉しい。でも…あそこはあなた達へ両親が残してくれた物なの…それに、私にとっても大切な思い出の場所なのよ」

 目を潤ませながら、そう呟いた。

「…なら…母さんが預かっててくれないかな?」

 エリスはそう言った。

「私はルーシェに着いていく。もう決めたわ。勿論イリスがここに残るなら、イリスが持っててくれればいいんだけど…」

 そう続けてイリスを見るエリス。

「……そう…ですね…私も着いていきたい。お姉ちゃんだけ抜け駆けとかさせたくないですし。だから、お母さんが預かってて下さい」

 イリスは二人を見ながらそう言った。

「…わかったわ。預かっておく。あ、そうそう。話は変わるけど、もし二人が着いていくなら、そして好きな気持ちが変わらないなら、南国の楽園、パラディアに行くといいわ」

「パラディア?なんで?」

「恋愛スポットでもあるけど、あそこは何よりも重婚が認められてるわ。あそこで結婚すれば、どこであっても認められるようになるのよ」

「ちょっと!何言ってるよ!」

「言ってるんですか!」

「あら?平和的な解決方法じゃない?まぁ考えておきなさいな?」

 フォルンにいいように玩具にされ、二人とも赤面しつつ、ぐぬぬ…といった表情を浮かべていた。

「まぁそれはさて置き、明日家には行っておいで。暫く離れることになるんだし。それに…出る前に二人にはちゃんと挨拶しておくのよ」

 懐かしむように、そして慈しむような目で姉妹の家の方に顔を向けたフォルンだった。


 翌日、朝の早いうちに旅立ちの準備を済ませ、両親の残してくれた家と墓参りをするために道場を出た。

「お墓参りに行くのに、僕までご一緒して本当にいいの?」

「良いに決まってるでしょ!ほら行くよ!」

「両親にもルーシェさんのこと紹介したいので、是非一緒に来てください」

 姉妹にサンドされ、両腕を取られ、引っ張られるように進んだ。


 そこは決して豪華な家ではなく、こじんまりとした家だった。

 小さな庭には、ブランコを括りつけた木があり、優しい木漏れ日を作り出している。

「温かい…優しい空気を感じる」 

 ルーシェは思わず呟いた。

「ありがと。そう言ってもらえると嬉しいわ」

「立ち話もなんです。中へ入って下さい」


 玄関の鍵を開けて、三人は中へ入った。

「綺麗に手入れされてるね」

「私達もだけど、いないときはドルばぁちゃんが、定期的に掃除してくれてたから」

「引き取られてから、ほとんど師匠の家で生活してきたので、思い出は全然ないんですけどね。でも…何故かここへ来ると、暖かい気持ちになって、落ち着くんですよね」

 照れたように笑うイリス。

(ねぇルーシェ。ちょっと気になるんだけど…)

(どうしたの?)

(何か…地下があるのかな?風の流れが変なのよ)

(え?本当に?どこ?)

(こっち)

 シルフィが飛んでいき、場所を示した。

 ぱっと見何もない、普通の床に見える。

「ここって地下に倉庫とかあるの?」

 ルーシェが二人に聞いてみた。

「?そんな話は聞いたことないけど」

「私も聞いたことありません」

 シルフィの示した場所にしゃがみ込み、ノックをしてみた。

「ここだけ音が違う…何かあるのかな?」

「え?本当?」

 姉妹も同じように試そうと、一緒にノックをしたとき、ガボッと音がする。

 そしてズルズルと引きずるような音をさせながら、そこの床が開いき、謎の階段が現れた。

「ちょっと…何よこれ?」

「初めて知りました…え?」

「行ってみよう。これは気になる」

 驚く二人を尻目に、そう促したルーシェ。

「だ…大丈夫かな?」

 おっかなビックリとしたエリス。

「二人に反応して開いたということは、二人を待っていたってこと。たぶん害はないかと。それに…嫌な気配は感じないから」

「ルーシェさんが言うなら大丈夫でしょう。行こうお姉ちゃん」


 三人は謎の地下へとこうして降りていった。


ネオン「しめしめ…しっかりお年玉、奪い取ってやったわよ…さてはて…中身はと…」

 中からは五円玉と何かメモ用紙が。 

ネオン「ちょっと!たった五円?しかも何よこの紙は!」

『今年も読者様と良い御縁がありますように。そしてそのためにも、ブックマーク登録に、評価のほど、深くお願い致します。ネオンさん、宣伝頑張って下さいね!作者』

ネオン「結局宣伝かい!しかも私タダ働きかよ!クソがぁーーーーーーーーーーっ!」


 新年早々やかましい叫び声、失礼致しました。

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