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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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三四話 その後と今後

 皆様明けましておめでとうございます!

 本年もよろしくお願い致します!

 今日は更新出来ましたが、明日から5日まで、更新が出来ないです。

 申し訳ありません。

 6日から、また出来るだけ毎日更新して行く予定です!

 よろしくお願い致します!

 辺境伯捕縛から数日後、ギールとその同期の騎士団員の一人が道場を訪ねて来た。

 事前に来るという連絡がなかったため、それぞれ訓練に励んでいるところだったため、道場にはルーシェとフォルンしかいなかった。

「わざわざご丁寧にすみません。急なだったもので、禄なおもてなしも出来ずにすみません」

 慌ててお茶を用意しながらそう話すのは、ここの主たるフォルンである。

「こちらこそ突然すみません。お構いなく」

 騎士団員がそう言うと、ギールと共に頭を下げたのだった。

 お茶の用意ができた為、向かい合う様に座り、お互いに改めて頭を下げ、挨拶を交わした。

「先日はご協力頂きまして、ありがとうございます」

 どうやら事後報告とお礼を兼ねて、挨拶に来たようだ。

「わざわざご丁寧に…しかし、こうして足を運んで来たということは、何かあったんですね?」

 通常何か国に関わることで、お礼や報告などある場合、前以て書面にて知らせることが慣例である。

 今回の件はそれこそかなりの大事である。

 そのため通常の御謝の方法は取らないというのはわかる。

 それこそ国王と直接謁見の上、王印入りの直筆の感謝状と、多額の報奨金。

 さらには拝領。

 貴族への取り立てられてもおかしくない。

 むしろそれくらい当然の出来事だ。

 しかし、それでも事前告知なしというのはありえない話。

 そういった慣例があることを知らないルーシェや、縁のない平民は別として、亡き祖父の仕事の関係で、王侯貴族と関わることのあるフォルンは、そういったことに機敏に感じ取る。

「流石はフォルンさん。いや、あえて先生と呼ぶ方がいいでしょうか?」

 苦笑い気味にそう返す団員。

「…あまり知られて良い事ではありませんので」

 一瞬ルーシェを目の端で捉えたあと、そう答えた。

「そうですね。では本題に入りましょう」

 団員は切り替えて話し始めた。

「ゲログを捕縛したあの日のうちに、報告にあった隠れ家を捜索しました。ヤツの悪事の証拠はあれこれ出て来ましたが、聞いていた男女は既に逃亡済みだったようです。特に身元に繋がる情報は発見できなかったです」

 話を聞いて、相手の判断の早さに驚くルーシェ。

「別に発見されたものがあります。が、その話をする前に、この事はまだ内密にお願い致します」

 そう前置きをしてから、自身の姿勢を正し直し、真剣な目を二人に付く向ける。

 口には出さず、目で承諾を返した。

「お二人は聖獣をご存知でしょうか?あまり表だっては知られていない存在でして」

「その聖獣がどうしたんですか?」

 あくまで聖獣という存在を知らないといった空気を出しつつ、フォルンが呟いた。

「精霊のことはドルイドがいるため、その存在の確認が取れていますが、聖獣とはその上位にあたりで、精霊を使役する存在である。ということらしいです」

「らしい?ですか?何やら中途半端な…」

「聖獣の存在自体が確認された事例がほとんどなく、書物も僅かなものでして、そのためらしいとしか言えない。いや、言えなかったと言うべきか…」

「隠れ家に何か決定的な証拠が?」

「決定的というほどではありませんが…いくつかの書類が発見されました。そこには聖獣に関する記述がありました。そして辺境伯にそのことへ関する尋問を行ったのですが一切答えず、自白剤を使ったのですが…聖獣に関する質問をしたときのこと…急に震え出し…血を吐きながら、自ら首をかきむしり…そして文字通り煙となって消えてしまったのです…」

 だんだんと悲痛な表情へと変わり、最後には下を向いてしまった団員。

「…何かその時に特徴はありませんでしたか?」

 いつも通りの柔らかい言葉遣いのフォルンのはずだが、どこか声に強張りを感じるルーシェ。

「…特徴ですか?…そうですね…牢へ入れる前に身体検査はしたのですが、そのときは特に何もなかったのですが…苦しみ出した時、首と手の甲に何かの紋様が浮かんでいました…」

 その言葉にやはり…という顔を浮かべたフォルン。

「少々お待ち下さい」

 と、席を離席し、自室へ向かった様だった。

 暫くすると、数枚の紙を抱えて戻ってきた。

「お待たせして申し訳ありません。こちらをご覧頂いてもよろしいでしょうか?」

 フォルンの持ってきた紙を順に見ていく。

 そのうちの一枚に、団員が反応した。

「こ!これです!確かこの紋様だったはず!何故これを…?これは一体…?」

「これは…魔族が使う契約の一つです。そして…呪いでもあります」

「魔!魔族ですか!?魔族に関して…特にその得意な力に関しては、知られていない物が多いのに何故?詳しく説明頂いてもよろしいですか?」

 最初こそ驚いたものの、すぐに声音が冷静に戻った団員。

 フォルンは当時を思い出し、辛さと苦しさ、そして無力に自身を呪ったような、複雑な表情で語りだした。

「…かつて私の友が…祖父母が襲われたことがありました。卑劣な魔族に私も呪いを受け、知っての通り先日まで死の間際に立たされておりました」

 それは聞いていたと、頷く団員。

「当然私自身が呪われたから、それを解くためというのもあります。ただ…それよりも、当時無力過ぎたことに苛まれました。それこそ自身を呪ってしまたと思えるくらいに…」

 その表情と言葉で、もし自分が同じ立場だったらと、悲痛な面持ちになる。

「かけられた呪いと戦いながら、魔族に関して調べました。それこそ国外も含め、僅かでも情報があると聞けば、資料を取り寄せたり、実際の呪われた人を調べさせて頂いたりも…冒険者や祖父のつながりも利用して…」

 一時期フォルンは取り憑かれたように、怪しい物を調べていたと、国としても情報は掴んでいたが、祖父や代々その役に就いていたことから、功績が大き過ぎたため、その怪しい行動は黙殺されていた。

「そして呪いをかけるとき、魔族は自身の血を媒介に、言霊と紋様を使うこと。言霊と紋様の組み合わせによって、様々な効果があることがわかりました。それぞれの意味を紐解くことで、かけられた呪いを判別し、少しでも解呪できるようになればと…それにもしまたあのときのように、二人が襲われてしまったら…もし呪われてしまったら、絶対に助けるんだと…友との約束もありますが、それが今の私の唯一の生きる意味ですから…」

 語り終わり、お茶を一口飲み、溜息を零した。

「なるほど…辛いのに話させてしまい、申し訳ないです」

 ギールと団員の二人が頭を下げた。

「いえ。もう何年も前の話ですから。それより呪いに関して、わかっていることを説明しても?」

「はい。勿論お願い致します」

「呪いはいくつかあります。毒や衰弱、各属性への弱体化などのが、一般的な呪いと認識されているものですね」

 そう言いながら指を一つ立てるフォルン。

「2つ目は逆に強化する呪いですね」

「強化ですか?」

「はい。あまりピンとこないと思います。自身や部下にその付加を加えたりすることで、何かの力を強化させます。ただしこれにはいくつかの代償があり、使う者の命を削ります」

「それはまた…何とも魔族らしい」

 ギールはそう呟いた。

「そして3つ目は、1つ目と2つ目に関わりの強いものになります。それは契約というもので、魔族と相手が誓約を立てて使うようです。2つ目の強化や付与をより強くしつつ、寿命を削る心配もなくなるようです。ただし約束事を破ってしまうと、一気に1つ目の呪いが発動し、死に至ってしまう。たぶん…いや、ほぼ間違いなくゲログが死んだのは、誓約を破り、何か情報を漏らそうとしたからということでしょう」

「なるほど…そういうことでしたか…」

 その話を聞き、納得した団員。

 そして彼は話し始めた。 

「この案件、恐らく魔族との関わりがあるだろうと、王やその研究者が話しておりました。今はまだ不確定な部分が多く、民草へ聞かせて、下手に不安を煽るようなことは出来ないという結論に至ったのです」

「…なるほど。だから表立っての行動は出来ず、書面ものこしたくないから、今回の流れとなったわけですね」

「はい…話が早くて助かります」

「私の方は構いません。が、こちらのルーシェさんは、ただの一介の冒険者で、当家とはまた別の話にございますので」

 フォルンは今回のことで、一番の功労者にくらい、何かお礼はするべきだと、遠回しに伝えたのだ。

「心得ております。しかし王が言うには、ルーシェさんとは一度面識があるとかで、地位や名誉といったものは、断られてしまっているので、どういった形がいいのかと、悩んでおられました。もし可能であれば、後日王都へお寄りの際、何が必要か、話して欲しいとのことでした。それでよろしいでしょうか?」

「そうですね。特に欲しいものはないですが…何か考えておきます」

「ありがとうございます。登城の際は、以前のメダルを門兵へ見せると、すぐに通してもらえるように、手筈済みとのことです。よろしくお願い致します」

 その後、王都へ護送した悪党の話や、他愛もない世間話をし、この日の話し合いは終わったのだ。

 団員は帰る間際に、

「本日の話はくれぐれもご内密に。また、何かわかりましたら、ギール経由で知らせて欲しい」

 そう言って帰っていった。


 そこから一ヶ月の間は、特に何という問題もなく、日々特訓をし、つい先日、ようやく霊力を何の補助もなく、使えるようになった。

「やった!これだ!」

 製薬中前は無自覚だったため、だだ漏れとなり、自由に扱えなかった力。

 今は意識すると、任意の部位で高密度に集中させたり、全身に漲らせることも、自由自在に操れる。

 フォルンとドルマに見てもらったところ、やはり通常より習得がかなり早かったため、呆れ声も混じったように、『免許皆伝ですね』との言葉が送られた。


 その日の夜はお祝いとして、豪華な食事を準備してくれたドルマ。

 いつも美味しい食事が、更に腕によりをかけてくれたようで、更なる美味となっていた。

 何だかんだでここに来て一ヶ月と数日になる。

 最初の頃はずっと敬語で話していたルーシェも、多少言葉が柔らかくなっていた。

 年長の二人相手にするときこそ、丁寧な言葉を遣うが、歳の近い姉妹に対しては、さん付けもなくなり、友達同士が使う、普通のラフな言葉に変わっていた。

 本当に楽しい時間はあっという間だった。

 食後、みんなでお茶を楽しんでいるところ、フォルンはルーシェに声をかけた。

「こんなに早く習得するとは思ってなかったから、本当にビックリしました。ところでルーシェ君は、今後はどうする予定なのかな?」

 最初の数日より、砕けた言葉遣いである。

「今後の予定ですか?うーん。一旦王都へは帰る予定ではいますが、その後のことまでは、まだあまり考えていません」

 その言葉を聞いて、姉妹の二人は明らかに落ち込んだ顔になった。

「そうなのね。君のことだから大丈夫とは思うけど、あまり無茶はし過ぎないでね?それと、もし困ったことがあったら、いつでも頼って来てね?君には返さなきゃいけない恩が、山ほどあるんだから」

「そんな。大したことはなにもしてませんよ…ただ、何かありましたら、そのときはよろしくお願い致します」

「ちなみにいつ王都へ向う予定でございますか?」

 こちらは最初のまま、相変わらず丁寧な言葉のドルマだった。

「そうですね…明日か明後日にはと考えてます」

「それまた急にございますね…そういうことなら今夜、もっと力を入れて作ればよかったです」

「いやいや!そんな!十分過ぎる程美味しかったですよ!」

「お褒め頂きありがとうございます。が、明日ではなく、せめて明後日出発にして頂きましたら、明日の夜には私のスペシャリテを、是非堪能し…」

「明後日にします!食べたいです!お願い致します!」

 ドルマが言い切る前に、被せるように言い切ったルーシェは、綺麗なお辞儀をして頼んでいた。

 その姿を見て、ルーシェの食い道楽っぷりに、みんなで笑い声を上げた。

 ドルマは姉妹をチラ見して、ウインクを送った。

 それに気付いた二人は、顔色を赤く染めていた。

 ドルマからの二人への気遣い。

 時間稼ぎという援護射撃だった。

 その様子を見て、微笑むフォルンは、その日の夜に決意し、自室に姉妹を呼び出したのだった。

ネオン「あれ?作者知らない?」

パルコ「見てないヨ?」

エリス「知らないわね」

イリス「私も見かけてませんね…」

ネオン「クソぉ…この大事な日に、あいつどこほっつき歩いてるのよ?」


作者「ふぅ…下手な場所にいると、見つかってお年玉を寄越せと脅されてしまう…こっそりと…読者の皆様、いつもより小声ですみませんが、いつもありがとうございます。まだブックマークがお済みでない方はそちらを是非。また、評価ボタンもポチりして頂けると、より励みになりますので、よろしくお願い致します。それではこっそりと…失れ」

マリル「ネオンさん。あそこから作者の臭いがしますよ?」

ネオン「マリルでかした!さぁ観念なさい!」

作者「ヒィッ!や、金のない俺から絞り取ろうとするな!に…逃げろぉ!」

ネオン「待てぇ!皆のもの!かかれぇ〜〜〜〜〜〜!」

作者「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」


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