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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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二九話 ラブコメは突然に

 予約投稿便利ですね。

 書いてるときは読み直しし辛いのですが、予約してる状態だと、結構見やすいので、本投稿する前に、ある程度添削できるんですよ。

 それでも間違えてしまうことが、多々あるんですけどね苦笑

 さぁ年内も残り数えるばかり、張り切っていきましょう〜

 夕食後、寝支度を整え、さぁ寝るぞ!

 今夜こそ早く寝るぞ!と、自室に戻ったルーシェを待っていたのは、またもやシルフィ先生による、恋愛How to勉強会だった。

「シルフィ…流石に寝かせてよ…」

「何言ってるのよ!今夜もばっちりやるわよ!損はさせないから!今夜の講義は…ラブコメ王道の鉄板!ラッキースケベについて…」と、よくわからないが、物凄いやる気を出していた。

 何でこんなに元気なんだろうか…と、疑問に思いつつも、気力に押され、今夜もなかなか眠れなかったのだ。



 翌朝の、素っ頓狂なエリスの声で、みんな起きることになった。

「わきゃ〜〜〜〜〜〜!くっ!や!やめてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 事情を知るルーシェは、まさかこんな気配もなくエリスが襲われたのか!?と、向かいの部屋に慌てて飛び入った。

「エリスさん!大丈夫ですか!」

「こらっ!くすぐったいってば!やめて!もぉ!」

 その目に飛び込んだのは、はだけた寝間着姿のエリス。

 あちこち見えてしまっている。

 室内はヌイグルミや可愛いい小物などがあり、案外女の子らしい部屋だった。

 そしてお互いに視線が合い、数秒フリーズした。

「ちょっと!何勝手に入ってるのよ!バカっ!スケベ!出ていけ!」

「わっ!と!やめ!」

 旅や組手でも見たことがない、まさに見事と言うべき完璧な蹴りが、顔面に入り、意識を刈り取った。

(やっぱりお約束よ…これよこれ!GJ!)

 と、覗き見ながら喜ぶシルフィがいた。

 ルーシェが気絶したところで、他の皆がやってきた。

「今の悲鳴は…?あれ?ルーシェさんが伸びちゃってる?」

 フォルンさんはまだ眠気が強いのか、欠伸を噛み殺してながら現れた。

「お姉ちゃん?その格好…も…もしかしてルーシェさんが…お姉ちゃんに夜這いを…?」

 二人を交互に見て、慌てふためくイリス。

「おやおや…お盛んなことですねぇ…」

 朝食準備ですでに活動していたドルマは、ニヤニヤとしていた。

「そ!そんなんじゃないわよ!こここ!この子が起きて、イタズラしたのよ!」

 赤面しながら、部屋をコロコロ転がる聖獣を指差した。

「何だぁ…もう。そんなことで起こさないで…二度寝してきますね…」 

 部屋に戻るフォルン。

「あらまぁ…つまらないわねぇ…とりあえず、気絶させたのがエリスなんですから、起きるまで部屋で介抱してあげなさいな?」

 そう告げて朝食準備に戻るドルマ。

「お姉ちゃん!本当!本当なの!?」

 イリス一人だけが、姉に掴みかからんとばかり、鼻息を荒くしていた。


 暫くあと、横たわっていたルーシェの気が付いた。

「いつつ…あれ…何が…?」

「やっと気が付いたわね」

「ここは…?」

「私の部屋よ。戻すの面倒だったから、そのままここで寝かせてたのよ」

「えぇー…何があって…?」

「こっちが聞きたいわよ…いきなり私の部屋に飛び込んできてさ…」

 そう言われて記憶が戻った。

「そうだ。悲鳴が聞こえたから、慌てて助けなきゃって入ったら…」

「蹴りを入れたのは謝るけど、いきなり女性の部屋に、許可なく入ったあんたのが悪いからね」

「いや…本当に緊急事態かと」

「そりゃ変な声上げたのは悪かったわよ…原因はあの子よ」

 そう言って指を差す。

 そこには大人しくおすわりをする聖獣の姿が。 

「寝ている間に目覚めたみたいで、イタズラして私の服の中に入ったみたいなのよ。それであんな声と格こ…」

 言いかけて顔を赤面させた。

「と…とにかく!見たことは忘れなさい!いいわね!」

「は…はい…」

「……あぁ!もう!起きたならさっさと出ていけぇ!」

 部屋から押し出されてしまった。

「わっ!と!そんな押さなくても…あぁ…鼻が痛い…あれ?イリスどうしたの?」

「あ、えっと…奇遇ですね。おはようございます…また朝食のときに…」

 と、返事も聞かずに自室に戻っていった。

 よくわからない…が、とりあえず手当しちゃおうと、自室へ戻った。

(クックックッ…そうよ!これよ!これなのよ!)

 エリスの部屋の前を、行ったり来たり、たまに聞き耳を立てたりと、かなり挙動不審な動きをしていたイリス。

 その姿を覗き見、かなりゲスな笑みを浮かべ、喜んでいたシルフィだった。


 朝食の席。

 流石にまだ気まずい空気のエリス。

 落ち着かない様子のイリス。

 痛みが取れない鼻が気になるルーシェ。

 そしてそんな三人を見て、苦笑しつつも微笑むフォルンとドルマだった。

「ルーシェさん。流石に年頃の女性の部屋にいきなり入るのは頂けませんよ?」

 流石に空気に耐えかねたのもあり、言葉を口にするフォルン。

「そうよね!ほら!あんたが悪い!」

「はい…すみません」

「エリス。貴方も部屋の鍵くらいかけなさい。年頃の女性なんですから」

 しっかりエリスにも釘を指す。

「…はい…」

 流石に師匠に言われて、言い返せないようだ。

「まぁ私の若い頃は、もっとこう…ね…ルーシェさん?もし夜這いをかけるなら、もっと静かに…強引に行くといいですよ?」

「ぶっ!ドルばぁちゃん!」

「ドルマおばあさま!」

「ふふふ…ほら、早く食べて下さい。いつまで立っても片付けられませんよ?」

 と、流石年の功と言ったところか、場をひっかき回すドルマの圧勝に終わったのだった。


 流石にこんな状態では訓練もへったくれもないと、この日のトレーニングは、急遽休みになった。

 何もしないのは勿体ない。

 まだカロンに来てから見学をしていなかったので、街を見て回ろうと、ルーシェは部屋を出た。

「あれ?ルーシェさんお出かけですか?」

「えぇ。休みになりましたし、まだカロンに来てからどこも見てないので、せっかくなら見て回ろうかと」

「そうなんですね!なら、私が案内しますよ!」

「いいんですか?イリスさんも何かやることあるのでは?」

「大丈夫ですよ!何もありませんから!それに…久々に私もゆっくり見て回りたかったので!」

(せっかくのチャンス!逃しません!)

「では…お言葉に甘えさせて頂きます。案内お願いします」

(やったぁ!これが本に載っていたデートというものですね!)

 と、目を輝かせるイリス。

(せっかくだし一緒に行く?)

(私は邪魔しちゃ悪いから遠慮しとくわ)

 シルフィは飛んでどこかへ行ってしまった。

 こうして二人でかけていった。

 その二人をたまたま見たフォルンは、エールを送っていた。


 街の中心部へ向かい、道を下っていく二人。

 その後をこっそりとつけるシルフィ。

「この街は他国からの防壁と交易の役割をになってるのは聞きましたが、すごい賑わいですね。まだ遠いのに声が聞こえます。」

「そうなんですよ!おかげで他国の料理も色々食べれますし、生まれてからずっと飽きたことはないです」

「なるほど…じゃあ今日は、イリスのおすすめスポット、色々お願いします」

「お任せください!」

 そう言って最初に来たのは、賑わいのある中央広場!ではなく、そこからまだ幾分離れた高台だ。

 そこの景色は人の往来が一番よく見える場所だそうだ。

「お姉ちゃんと二人で遊びに行くときも、いつもここなら出発するんですよ」

「何か理由があるんですか?」

「ここの景色を見ながら、今日はどこのお店に行こうとか、あっちの路地はこんな所に繋がってるんだ!試しに行ってみましょう!と、その日どうするかとか、決めるのに持ってこいな場所なんですよ!それに、風が気持ちよく吹き抜けるので、嫌なことがあったとき、すっきりしに来ます!」

「たしかに…風が気持ちいいですね!」

(確かに風の小妖も小精霊も、数が多いだけじゃなく、みんな優しい顔をしてる…この街の皆が好きというのが、とてもよくわかるな…)

「ルーシェさんは甘い物平気でしたよね?」

「はい!むしろ好きですね」

「なら、あそこの喫茶店へいきましょう!ここの街の名物のお菓子があるんですよ!」

「それは楽しみですね!どんなお菓子でしょうか?」

「色んな色があるんだけど、間にクリームを塗って、2つの生地で挟んでます。表面はサクッと、中はフワッと溶けるような…名前は街にちなんで、マカロンといいます」

「マカロン…初めて聞きます!」

「クスクス…涎垂れてますよ?」

「失礼。早速案内頼めますか?」

「はい!喜んで!」

 行くと美味しい店ということだけあって、待ち人で列が出来ていた。

「これは…なかなかに…」

 まだまだ人混み慣れしていないルーシェの表情が曇る。

「あちゃあ…店内でゆっくりは難しそうですね…テイクアウトの列は短いみたいですね。買ってそっちの公園で食べましょうか?」

 イリスの指す方を見ると、広めの公園はあるが、人通りは少なく、ゆっくり休めそうなので、即提案を受け入れた。

 列に並んで買おうとしたところ、それなら席を確保してきて欲しいと頼まれた。

 公園の二人掛けベンチがちょうど空いていたので、そこに腰掛けた。

(木々の木漏れ日が気持ちいい…)

 そんなことを思いながら、久々にぼーっとしてた。

「おまたせしました!」

 可愛らしい箱と、カフと呼ばれる、黒くてほろ苦い飲み物を持ったイリスが、隣へ腰掛ける。

「ありがとうございます」

 早速とばかりに箱を開けるイリス、中には色とりどりとお菓子が、可愛らしく入っていた。

「すごく綺麗で可愛いですね」

「えっ!?」

 お菓子を見たルーシェの言葉に、ドキリと反応してしまうイリス。

「え?こんなに色とりどりで、小さくて…可愛いじゃないですか?」

「でででででですよね!早速どうぞ!カフも相性良く合わせてあるので!一緒にどうぞ!」

 と、変にテンパるイリスを見て、どうしたんだろう?と思いつつ、少し可愛いなぁとも思っていた。

 

 マカロンを美味しく食べたあと、雑談しつつ案内してもらった。

 気が付けば夕刻。

 街の色もオレンジから紫へと変わろうか。

 そろそろ帰宅をしようかと話したとき。

「キャーーーーーーーーーーーーっ!」

 聞き覚えのある悲鳴が聞こえてきた。

「今の悲鳴は?」

「お姉ちゃん?」

 二人が同時に駆け出したのだった。


 エリスはそのとき、元気になった霊獣を連れて、お散歩に出ていた。

 部屋の中だけだと、この子もつまらないだろうと思ったのもあるが、一番の理由としては、部屋にいてると、今朝のことを思い出し、恥ずかしさと気まずさの、無限ループに入ってしまうからだ。

 散歩しながらあれこれ見ていれば、気も紛れるだろう。

 そう思ったため、ルーシェ達が出掛ける前に、いち早く外出していた。

 馴染みのお店へお茶をし、好きなヌイグルミ店で新作を愛でたり、小物雑貨を見て回ったり。

 普段動きやすく、シンプルな服装で、手が出るのが早いエリスだが、中身はかなりの乙女なのだ。

(あのヌイグルミ…いいなぁ…でも…ちょっと値が張る…依頼こっそり受けに行ってこようかな…)

 そんなことを考えてぶらぶら歩いていた。


 そんなエリスを監視する男達がいる。

「確かに…あの女が抱えてんのは…間違いねぇな。でかした。やるじゃあねぇか」

 あちこちに包帯を巻く男が、手下であろう一人を労った。

「へい兄貴!頑張りやした!」

「早速やっちまいやすかい?」

 もう一人の男が食い気味に言う。

「馬鹿野郎。焦んな。こんな目立つとこで襲ってどうするよ。やるんなら人目のないところだ。ツケんぞ。見失うなよてめぇーら?」

「「へい!」」

 

 そろそろ帰ろうとあるき出したエリス。

 他の人達も帰路へ着く人や、仕事終わりで、一杯引っ掛けに行く人で、メインの通りは混雑する。

 勝手知ったる地元民のエリスは、裏路地を抜けることにした。

 暫く行ったところで、一人の男に道を塞がれた。

「お嬢ちゃん。通りたかったらその抱いてる動物を寄越しな」

 そう低い声音を吐く。

 相手にするのも面倒くさいと、別の道へ…と思ったら、そちらからも別の男。後を振り返ると、そちら塞がれた。

 三叉路の道に逃げ場はなかった。

「逃げよぉったってそうはいかねぇよ?怪我ぁしたくなかったら、さっさとそいつを寄越しやがれ!」

 背後の男が語気を強く吠える。

 普段なら問題なく相手取れるが、今は病み上がりのこの子を抱えている。

 下手に動けないのだ。

 躙りよる男達。

「さっさと渡せやクソアマァ!」

「嫌よ!あんた達何者よ?それ何でこの子を狙ってるのよ!?」

「あぁ!?教えるわけねぇだろ!さっさと寄越せ!ぶっ殺されてぇのか?」

「あんたらみたいな奴らに渡すわけないわよっ!」

「…答えはわかった。やっちめぇぞてめぇら!」

「「へい!兄貴ぃ!」」

 三人に飛びかかられ、思わず悲鳴をあげた。

 朝書いてるとき、カロンという名前から、安直にマカロンが浮かんだので、使ってみました。

 先に名前とか繋がりを考えてない、いきあたりばったりな俺らしい文ですな苦笑

エリス「いばれることじゃないわよ!」

 鋭いツッコミという掌打が、後頭部を撃ち抜く。

作者「え?ぎゃん…」

エリス「…あちゃあ…あとで師匠にばれたらどうしよう…とと…とりあえず、いつも読んで頂きみんなありがとね!まだブックマークしてない人はしてね!評価ボタンも待ってるわ!よろしくぅ!ってことで、早く隠蔽しなきゃ!」

 バタバタバタバタバタ…


 

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