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森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
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二八話 失敗と鳴り響く悲鳴

 さぁまた普通の投稿に戻りました!

 年末年始は予定が多いので、なるべく毎日投稿できるように、予約投稿を多用しようと思います!

 治療を済ませ、一息付くルーシェ。

 エリスの腕の中で聖獣(と思わしき)の子は、寝息を立てていた。

「魔獣を治療しても大丈夫だったのでしょうか?」

 ドルマが疑問を口にした。

「いえ、この子は魔獣ではなく聖獣らしいですよ」

「?らしいですか?」

 イリスが目敏く拾う。

「いえ。あー…言い間違いです。聖獣です。すみません」

(危ない危ない)

「何で聖獣とわかったんですか?」

 ツッコまれて慌てかけるルーシェ。

「そんなことより魔獣じゃないなら、元気になるまでここで面倒みてもいいよね?ね?」

(エリスさん!ナイスです!助かりました!)

「ちゃんとエリスが責任をもって面倒をみると約束できる?」

「もちろんよ!」

 ということで、ぱっと見ワンコっぽい聖獣はエリスの部屋で療養することになった。


 よく眠っているが心配なので、布で包んで道場の片隅に。

「エリス。心配でしょうが訓練に集中なさい。怪我をしますよ?」

「はい…わかりました」

「では…ルーシェさん、準備はよろしいですか?」

「いつでも大丈夫です」

「では…礼。はじめっ!」

「やぁーーーーーっ!」

 雑念を振り払うかのように声を張り上げる。

(いつもほどキレがないな…)

 一合目からこの体たらくだ。

 どうしたものかと思案しつつ、攻撃を捌いていくルーシェ。

 視界の端に映るフォルンは溜息を吐つく。

 そして視線がやるようにと訴えかけてきた。

 逡巡。

 あえて空きを作り、そこへ大振りの掌打を繰り出すエリスの腕を取り、手加減することなくエリスを投げた。

「いっつぅぅぅぅぅぅ…」

「エリス。昨日はあんなに素晴らしい動きをしていたのになんですか?」

 語気を強めるフォルン。

「いや…えーと…」

「最初に言いましたよね?集中しなさいと」

「はい…」

「それに共に強くなろうと、一緒に組手をしてくれているのに、その態度はあまりにも頂けません」

 その言葉で自分があまりにも礼を失していたことに気付いた。

「ルーシェ…ごめん…なさい…」

「いえ。僕の方は…」

 気にしなくていいと言おうとしたルーシェを、一睨みで伏せるフォルン。

「エリス。今日はもうやっても無駄です。頭を冷やして来なさい」

「申し訳ありませんでした…」

 そう言って聖獣を抱き上げて、外へ走りに去っていった。

「…大丈夫なんですか?」

「…気にするほどではありませんよ。今回の旅であの子は確かに強くなりました。しかしああいった切り替えてが出来ないのは、反動による驕りです。やるべき事をそのときに成せないのであれば、それは弱さです。早めにわかってよかった。良い薬です」

 出て行った先を優しく見つめるフォルン。

「そういうことですか…わかりました。しかし、大丈夫なんですか?」

「あの子はそんな弱い娘ではありません。早ければ帰った頃に。遅くても明日にはケロッとしてますよ。それより…ルーシェさん。時間があるので、私が霊力トレーニングを見ます。切り替えて頑張りましょう」

 そう言って霊晶の間へ移動した。


 エリスは聖獣を抱え、街をぶらついていた。

(あぁ…失敗したなぁ…)

 短くとも旅をし、師匠を助けて。そして昨日褒められて…気が緩んでいた自分に気付く。

(そう言えば…妹の方は頑張ってたな…何であんなに一生懸命なんだろう?)

 そんなことを考えながら歩いていると、近所の広場に着いた。

「あれ?お姉ちゃんどうしたの?今は組手してる時間じゃ?」

 買物に出ていた妹に声をかけられた。

「あははははぁ…実は…」

「どうせまた何か失敗したんですよね?大方集中できなかったってところですね?」

「なっ!?何でわかるのよ!」

「伊達に双子はしてません。それぐらいお見通しですよ」

「ぐぬぬぬぬ…」

「せっかくですし…ちょっと待って下さい。あ、荷物もよろしく!」

 妹は屋台へ向かい、クレープを買ってきた。

「元気のないお姉ちゃんに、優しい妹からのプレゼントです!そこに座って食べましょう」

「…ありがと…」


 ベンチに腰掛ける二人。

 エリスは少し気まずそうだ。そんな姉を見て、あえて違う話題を振った。

「その子なかなか起きませんねぇ…」

「そうなのよ…心配だわ」

「ルーシェさんが大丈夫って言ってたんだから、きっと大丈夫ですよ」

「そ…そうよね…ところで…何を買いに行ってたの?」

「新しい魔法を覚えたくて!」

「そか…帰ってから凄く頑張ってるよね?どうして?」

「んー…この旅で自分に足りない物が色々わかったので…それに…」

「それに?」

「…ルーシェさん、凄かったですよね?正直憧れました。遠い存在ですが、一歩ずつでも追いつきたい…隣に並びたいと思ったので」

 少し頬を赤らめながらそう言う妹の顔は、今までになかった…知らない顔だった。

(あぁ…そうか。この子はもうしっかり先を見てるんだ……それに…たしかに今回の旅は、おんぶに抱っこな部分が多かった。私は何を驕ってたのか…姉の私が負けてられるわけがない…それに…)

「そう…イリスも好きになったのね…」

「ん?何か言いました?」

 思わず溢れた小声の呟き。

 よく聞こえなかったのは幸い。しかし妹は聞き返してきた。

「な!何でもないわよ!それより…このクレープ美味しいわね」

「季節限定の新作だそうです!あ!なら交換しませんか?」

「いいね!しよしよ〜」

 そっちは何味?など、いつもの元気な二人になっていた。


「たっだいま〜」

「ただ今戻りました」

「おかえりなさい。一緒だったんですね」

「たまたまね〜。それより、今日はごめん!明日からまたよろしく!」

 そう言って自室へ戻るエリス。

 その顔はすっきり晴れやか。

 そして出会ってから一番良い顔をしていた。

「元気そうでなによりです」

「クスクス…心配でした?単細胞なんで、いったん吹っ切れれば、もう大丈夫ですよ!」

「なるほど…そうかもしれませんね」

「二人ともぉ?聞こえてるわよ!」

 部屋から般若顔出てきたエリス。

「し…失礼しました」

「…まぁ心配かけちゃったし、クレープの恩もあるからね…いいわよ。許してあげる」

 ホッと息を付いたルーシェ。その肩を抓るように掴みながら、耳元でエリスは囁いた。

「…明日の訓練…覚悟しておいてね…」

「…は…はい…」

 うん。明日命日にならないように頑張ろう。

 違う方向で覚悟と決意をするルーシェだった。


 

 深夜…真っ暗な路地裏で、怪しげな三人組が集まっていた。

「おい!見つかったか?」

「いや…それがどこにも…」

「こっちもでさ…すまねぇ兄貴…」

「たくっ!役に立たねぇなぁおめぇら!」

「「すっ!すいやせん!」」

「さっさと見つけねぇと俺らの首が飛ぶぞ?お前らもっと焦りやがれ!草の根分けてでも探しやがれ!」

「さ…流石に草の根の中には…いないと思うだぁ?兄貴ぃ?」

「………あぁ…?もう本当にバカしかいやがらねぇ…とっとと行きやがれ!このタコ助共がぁ!」

「「いっ!いってきやす!」」

 拳を振り上げた兄貴にビビリ、走り出す二人。

(あぁ…クソ…あと3日しかねぇのに…早くしねぇとマジで殺されちまう…クソっ!なんで俺がこんな目に合わなきゃなんねぇんだよ)

 地団駄を踏む。

 しかし場所が悪かった。

「ヴゥゥゥゥゥ…ガウガウガウガウガウッ!」

 野良犬の尻尾を踏み付けてしまい、ケツを噛まれる兄貴。

「いっっっっっっっっってぇーーーーーーーーー!何しやがるゴラァ!離しやがれ!」

「ヴゥゥゥゥゥ…ヴゥゥゥゥゥ…!」

「いや!痛い!悪かった!ごめん!許してぇ〜〜〜〜〜!」

 夜中に情けない声が鳴り響いたのだった。


作者「皆様いつもご拝読、ありがとうございますm(_ _)m」

ガンちゃん「あらぁ?今日は珍しく自分でやってるのぇ?」

作者「え、えぇ。たまには仕事しないと」

(見た目がアレなガンちゃんがゲストと聞いたから、先にやろうとしたとは、口が裂けても言えない…)

ガンちゃん「そう?なら私もお手伝いさんしてあ・げ・る♡」

作者「え?いや!ちょっと!」


ガンちゃん「いつもみんなありがとうね!ブックマークや高評価…よ♡ろ♡…」


ピーーーーーガガガ…

作者「ふう…何とか配線抜いて止められた…えぇ…一部映像に不備があり、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m」 


 注意

 ガンちゃんのポージングに関しては、興味のある方は、脳内補完して下さい。


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