表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
27/124

二六話 特訓開始

 お節の準備で蕪の千枚漬け。そしてクリスマス用にお菓子作り…

 うん。

 師走はやることが多いですね苦笑

 皆様も忙しいと思います!

 よかったら息抜きに読んで下さいませ!

 夕食後部屋に戻ったルーシェ。

 そこにはシルフィが満腹とばかりに、ベッドの上で寝転んでいた。

「シルフィおかえり。ご機嫌そうだね」

「ただいま〜。ルーシェの方も晩御飯は満足したみたいだね〜」

 少しの沈黙のあと、ルーシェは口を開いた。

「ねぇシルフィ?僕が拾われた日、星詠みはしたんだよね?そこで成人の日に旅立つことになるって出たって話てたよね?」

「そうね」

「なら…何でその部分だけ、前詩のところだけを僕に?中詩はまだしも…後詩は?」

「あぁ…星詠みのこと、誰かから聞いたのね」

「何で?」

 ルーシェが悲しい顔でシルフィを見つめる。

「そんな目で見ないでよ…別に悪気があったわけじゃないわ。教えなかったんじゃなくて、言えなかったのよ」

「言えなかった?どういうこと?」

「順に説明するわね」


 星詠みを行った日。

『天地巡る星々の加護を。今新たな星にその標を詠まん』

 長老自ら星詠みを行った。

 

 前詩

 恒星多龍たる守護星の庇護

 数多の垣根は無為

 聖なる時の訪れに

 世の流れを紡ぎ直す

 拓き開き啓く

 自らの和久を流れに掴むか

 困難とはその葦の元に生まれる道

 周り巡り時に流るる

 全ては御思の赴くまま


『ほう…恒星とは…大物になるの…どれ中詩と後詩は…な…何じゃこれは…?』

『長老〜。早く続きを聞かせてよ?』

 シルフィは急かす。

『星が見えぬのじゃ』

『どういうことよ??』

 ガンちゃんが首を傾げる。

『お主らも見やれ』

『中詩は…星が多過ぎるよ…これは…?』

『一際強い星はあるわね…』

『中詩はあまりにも多く複雑で詠めぬのじゃ…』

『後詩は…これは?何も映ってないわよ…』

『恐らくじゃが…星が強すぎるのじゃ…余程のことがなければ、こんなことは…かつての魔王や勇者と呼ばれる者も、強過ぎて詠めぬことがあったそうじゃ…』

『よっぽどってことなのね…』

『…そうじゃ…恒星とは光が強い…その分闇も深く強くもなるものじゃ…正しく導いてやらねば…』

『詠めないのに導けるのでしょうか?』

 剣の精霊が呟く。

『なぁに…儂らが多龍となれば問題あるまいて』

『なら…ここで面倒見てもいいの!?長老!?』

『ほっほっほっ…シルフィ、勿論じゃよ…』


 シルフィはかつての事を思い出しながら語った。

「そうだね…里のみんなに守られて…僕は育ったんだもんね…」

「ううん…こっちこそ今まで黙っててごめん」

「でも…少し納得したよ」

「何が?」

「いつも僕に好きにするようにって言ってた理由だよ」

(きっとシルフィは星詠みを知った上で、あえて自分で選ばせてくれてたんだ…星詠み云々じゃない。自分がどう行きたいのか。生きていくかを。大きな運命があってもそんなの関係なく、自由に生きていいんだよって)

 蟠りも無事に消え、その夜は静かに過ぎていった。


 明朝5時、部屋をノックする音が響いた。

「おはよ〜ルーシェ!起きてる?」

「おはようございますエリスさん。早いですね」

「今日からルーシェ、ここで特訓なんでしょ?」

「そうでした!準備を急ぎますね!」

「朝ご飯の準備も出来てるから早くね」

 エリスは早足で部屋を去っていった。

「ルーシェ?特訓って?」

「あぁ実は…」

 と、シルフィに説明をした。


 朝食後道場にて。

「さて、準備はいいですか?」

 道着姿のフォルン。

「「「はい!よろしくお願いします!」」」

 姉妹とルーシェ、三人が元気に応えた。

「二人はまず…いつも通りのメニューをしてね」

「「はい!」」

「ルーシェさんは…まずは製薬をしているところを見せて頂けますか?無意識で使っているのはどんな時か、私もこの目で確認したいので」

「わかりました」

 ルーシェは慣れた手付きで、回復薬を作っていく。

「なるほど…わかりました。本当に自然に出ているので、逆に何故自由に使えないのか、疑ってしまうレベルですね」

 そう言いつつ苦笑するフォルン。

「どうすればいいでしょうか?」

「そうですね…ルーシェさん、私の掌を見てください。何か見えますか?感じますか?」

「??いえ…?特には?」

「なるほど…わかりました。まずは感知するところから始めましょう。ドルマさん。お願いしますね」

「かしこまりました。ルーシェさん。こちらへ来て下さい」


 ドルマに案内されたのは地下室だった。

 部屋の彼方此方に不思議な文字が絵のように書かれていた。

「この部屋は?」

「ここは霊晶の間。ここでは霊力の感知を補助する文字の力で、見えない者にも見えるように、または感知しやすくする部屋にございます」

「なるほど」

「私が霊力を体の一部に集中させ、濃く見やすい状態でまずは出します。そこから徐々に薄くしていきます。霊力の波動を息吹を感じ取ってください」


 ドルマの右手が光出す。

「この光は…」

「これが霊力です。どう感じますか?」

「色は薄い緑色…優しい波を感じます」

「よろしい。色はその者の命を表します。暗く病んだものが使えばドス黒い光になります。今の波も敵意をもって使えば、鋭く硬いものとなります」

「黒い霊力などもあるのですね」

「霊力とは万物に宿る力。どんな生き物でも扱うことが出来ます。それは悪人であろうと、魔獣や魔族であっても、習得出来るものであります。扱い切れるかどうかはまた別物ではありますが」

 そこから暫く、ドルマは波動を硬くしたり柔らかくしたとり、様々に変化させた。


「多少なりとも見ることになれてきたと思いますので、ここから少しずつ見にくくしていきます。目だけでなく、全身を使って見るようにしてください」

 徐々にさっきまで感じていた波動が弱くなったように感じる。

「目だけに頼らないことです。全身の細胞を活性化させて、全体で感じるのです」

「んぐぐぐぐっ…目が痛い…」

「ふふふ…慣れるまでは、ゆっくり頑張りましょう。元々使うことは出来るのですから、すぐに出来るようになりますよ」

「そうだといいんですが…頑張ります…」

 ただ見るという訓練だけで、午前中が終わってしまった。


 エリスが用意してくれたお昼を食べつつ、午後の特訓も頑張ろうと気合を入れる。

「すみませんルーシェさん。午後は私も仕事がありまして、特訓のお手伝いはできないのです」

 ルーシェを見たドルマが呟いた。

「それは…仕方ないですね…では午後はどうしましょうか?」

「それでしたらルーシェさん、午後はエリスと組手をして頂けませんか?」

 お茶を飲みながらフォルンの言葉。

「僕がですか?」

「私はまだ病み上がりで、組手するのはまだ体力面で不安がありますので、お願い致します」

「私もルーシェと組手してみたいわ!」

「そういうことでしたら…やってみましょうか」


 思いもよらず、午後は格闘訓練をすることになった。

 食休みを終えて、道場で相対する二人。

「しかし…まさかエリスさんと組手をするとは思わなかったです」

「あはは〜。私はずっとやってみたかったから、とっても楽しみよ」

「双方…準備は良いか?」

 フォルンが緊張感のある声と口調を使う。

「…手加減しないからね…?」

「えぇ…怪我しない程度にお願いしますね…」

 言葉とは裏腹に、ルーシェはやる気になっていた。

「…………はじめっ!」

 フォルン号令に、飛び出すように動き出すエリス。

 フェイントなど使う気まったくなし。

 全身をバネのように使い、まさに槍の一突きというような掌打を繰り出してきた。

 その手に合わせて体を回転させながら受け流し、その力を利用して投げるルーシェ。

 空中で姿勢制御をし、関節を緩めて衝撃を受け流しつつ立つエリス。

「やっぱやるわね!ルーシェ!」

「エリスさんこそ!」

 一合目の指し合いは両者引き分け。

 そこから無言で二人は二合三合と拳を合わせていった。

作者「長老が出たいと言うから、ちょっと出番を用意してみましたよ〜」

長老「ありがとうのぅ…って、本当にちょっと…」

作者「まぁそのうちね?そのうち!」

長老「信用ならんのぉ…」

作者「あ!じゃあせっかくなので、長老が宣伝してくださいよ!」

長老「ほぇ!?ま、まぁいいじゃろう。いつも読んで頂き、ありがとうのぉ〜。ブックマークや高評価も、感想なども待っておるからのぉ〜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ