表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
23/124

ニニ話 お別れと爆走

 最初にまずは謝罪から。

 前々回の更新時、投稿後に細かく何度も修正かけてしまい、申し訳ないです。

 あと、今朝は山にある道の駅に行ってました…雪が…そして寒い…

 皆様体調にはほんまに気を付けて下さいませ!

 

 消えゆくモンスターを見て、アルは驚いていた。

「お前さん…何しやがった…?」

「たまたま手持ちに強力な聖水がありましたので」

 苦笑いで誤魔化すルーシェ。

(ちょっと!聖水なんて持ってなかったでしょ?)

(来たときにはね)

(じゃあどうやったのよ?)

(え?むしろしたのはシルフィじゃないの?下にいたときに、持ってた魔石が変異して、聖妖石になったから、それを魔水に漬けてただけだよ?)

 シルフィの涙によって、魔石が変異していたのだ。

 妖精の涙にも感情によって質が大きく変わる。

 痛みや苦しみなどから出たものは呪怨涙と呼ばれ、負の力へと変貌、増幅しやすくなる。

 欠伸など、特に感情のない場合は、当たったものの性質をそのまま増幅する妖涙。

 今回の涙は嬉し泣きだったため聖妖涙。モノに破邪の力を付与され、低質の魔石ですら強力な破邪の力を持つ、聖妖石に変質させてしまったのだ。

 魔水にそれを漬けると、魔水の方が破邪の力の影響を受けて、蠱毒ですら消し去るほどの強力な聖水へと変貌していたのだ。

(わっ私は何もしらないわよ!)

(あ!待ってよシルフィ!)

 泣いたことで幸いの結果となったのだが、恥ずかしくて飛んで先へいってしまったシルフィ。

 

 アルと一緒に姉妹と合流した。

「しっかし…お前さんが危ねえと思って助けに来たのに、まさか助けられちまうたぁなぁ〜。いや〜情けねぇぜまったくよ〜」

「いえいえ。わざわざこんなところまで…ご心配おかけしてすみませんでした。そしてありがとうございます」

 丁寧に頭を下げるルーシェ。

「私達のせいで他のパーティにまで迷惑をかけてすみません」

「ごめんなさい」

 姉妹もアルに頭を下げた。

「いや、事情は聞いたし、当の本人のルーシェが許してるってんだ。俺からは何も言えねぇよ。こっちのは完全なお節介だったわけだしな」

 照れた様子で後頭部をかきながら、二人にも笑顔で言った。

「ただし…二度と同じマネすんなよ?」

 と、釘を刺すことは忘れなく。

 そしてアルはルーシェの肩を掴み引き寄せた。

「しっかし…美人な二人だなぁ…お前さんが騙されたのも頷けるぜ。タクよ〜」

「?何のことでしょうか?」

「隠すこたぁねぇのによ〜。立派にお前さんも男ってこったねぇ〜」

 ルーシェは最後まで??と疑問顔のまま、アルからはニタニタした視線を送られた。


 暫く四人で進んだところ、物陰からこちらに声をかけてくる人がいた。

「あら?アル生きてたのね〜。やっぱアンタはタフね」

 呆れを含ませつつ、笑顔で現れたのはとんがりのお姉さんだ。

「コラてめぇ!俺を置いて逃げやがって!」

「あんなの相手にしてらんないわよ。命あっての物種でしょ?それに…足手まといになるならさっさと逃げる!アルのこと信頼してるからでしょ?」

「たく…こんなときばかり調子の良いこと言いやがってよぉ」

「ところで…君は無事だったのねルーシェ君」

「はい。この通り。救助に来てくれたそうで、ありがとうございます…えーと…」

「あぁ、あのときはバタバタしてたから、私は名乗ってなかったわね。ネオンよ。改めてよろしくね!」

 目深に被っていた帽子を取り、にこやかな笑顔で握手を求めてきた。

 歳は、二十歳前後といったところ。活発そうな顔立ちに、どこかイタズラっぽさを隠せない目をしていた。

「よろしくお願いします」

 ルーシェは握手を返した。


「てか脚の遅いネオンはよく逃げられたもんだな?」

「あぁ、小部屋に隠れて隠蔽魔法してたからね」

「んな便利なこと出来んなら、俺のことも助けてくれたってよかっただろ?」

「お生憎様、場所が離れてたし、急にそんなのかけたところで、怪しくしか見えないからバレるわよ。隠れたところを攻撃される方が死にやすいわよ?」

「クソ…言葉じゃ勝てねぇ…」

 バツが悪いのか、足早に出口へ進むアルを見て、ネオンは苦笑しながら追いかけていった。


 帰り道に関しては、ルーシェの爆竹ホイホイのおかげで、どうも一掃されていた様で、遭遇することはなかった。

 出口では馬と戯れるパルコと、座禅をしている男がいた。

「お前らも案の定無事だったのな」

 アルが声をかける。

「私は早いから大丈夫ヨ〜」

「…問題ない…」

「まぁお前らの速さならそうだよな…クソ…おとりにしやがってよぉ…」

「遅いアルが悪いヨ〜」

「…適材適所…」

「あぁ…もぉいい!それよりルーシェ達も無事だ。引き上げんぞ」

「道中でルーシェの件とか説明してね」

 とんがり改めネオンさんに言われるアル。

「あぁ。わかってる」

「ん?ルーシェ達は一緒に戻らないのかヨ?」

「あぁ。まだやることがあるらしいからな。あいつらのパーティで起こったことだし、納得もしてるみたいだからな、これ以上こっちが首を突っ込むことじゃあねぇよ」

「そもそもこんなタダ働きになること、元々首を突っ込むことじゃないわよアル?」

「ウルへーウルへー!さっさと行くぞお前ら!ルーシェもまた王都でな!」

「はい。ありがとうございます。また!」


 アルパーティを見送ったルーシェ達。

「さて…では僕らも行きましょうか」

「えぇ。時間もないことですし、急ぎましょうか」

「急ぐのは良いとして…馬車までアルさんたちにお願いしちゃって、足がないじゃない…どうするのよ?」

「大丈夫ですよ。ちょっと怖いかもしれませんが、一番早く行ける方法で行きましょう!」


 準備は出来た…が、本当にこれでいいのか?そして…恥ずかしい…と、姉妹が文句を口にしようとした。

 恥ずかしいはずだ。

 エリスは背負われて、イリスはお姫様抱っこの体勢である。

 その他荷物も紐で縛り、固定されている。

「さて…準備万端ですね。ではいきましょうか!」

(シルフィ…力を貸してね!)

(オッケ〜)

 ルーシェから花の蜜を集めた小瓶を貰い、恥ずかしさから一転、機嫌を上方修正したシルフィはノリノリだった。

「い…行くって…これは流石に…恥ずかし…イ?イヤーーーーーーーっ!」

「キュー………」

 全てを背負い、抱え持ち、ルーシェが爆速を使ったのだ。

 自身も身体強化をにより素早く動けるエリスにとっても、未知の域の速度。

 イリスの方は速度に耐えられるはずもなく、かかるGで即気絶したのだ。

「下手に暴れないで下さいね?エリスさん?危ないですから」

「イヤーーーーーっ!と…止めてぇーーーーーーー!」

 叫びながら必死にしがみつくエリスだった。


 向かったのは焔の洞穴から山脈沿いに進んだところにある街。

 国境沿いにあるこの街は、貿易の拠点ともなり、また戦時中は防衛の最前線にもなるため、辺境にあるのに栄えている。

 王都同様、流石に街中までこのまま突っ込むわけにはいかないだろうと、ルーシェは街近くの森で止まった。

 イリスの方は気絶したまままだ目覚めない。

 エリスはふらつきながら、森の奥へ口を押さえながら消えていった。

(うーん…二人とも大丈夫かな?)

(まぁ生きてるみたいだし…大丈夫じゃない?)


 待ってる間暇だったので、シルフィはいつもの花を探しに。

 ルーシェは荷物整理をしていた。

「ん……あれ?ここはどこですか…?」

「おはようございますイリスさん。カロン手前の森の中ですよ」

「え…?あれ?何でカロンに?」

「あぁと…僕が抱えて運んだんですが、移動を始めてすぐに気絶してしまってたので…」

「え………ん?あっ!」

 思い出したのか、青い顔で自分の体を触って確かめるイリス。

「あぁ…酷い目にあった…」

 白い顔になったエリスが戻ってきた。

「おかえりなさいエリスさん」

「あんた…あとで覚えておきなさいよ…」

 いつもなら即殴るエリスも、流石に気持ち悪さで睨みつけるのが限界だった。


「さて…お二人も大丈夫そうですし、早速二人の師匠さんのところへ向かいましょうか」

「あ、ルーシェさん。ここの街は入るのに税がかかりますよ?」

「そうなんですか?」

「私達が原因なので、それくらいはお出しますからね?」

「あぁ…たぶん必要ないですよ?」

「??どういうことよ?」

「まぁ行けばわかりますよ」

 そう言って三人は街の検問所へ入る。


「こちらへどうぞ!あ!エリスさん!イリスさん!おかえりなさい!」

 門兵が二人に挨拶をする。

「ただいま!師匠は?」

「まだ生きてますよ!それより薬は?」

「素材は取ってきたわ」

「なら早く行ってあげてください!」

「ん。すぐ行くわ」

 二人はここの街出身のため、入るのに税金がかからないらしい。

「お連れ様は…?ここの出身ではないですね」

「はい。あ、これで通れますか?」

 王様からもらったメダルを見せる。

「こちらは…失礼致しました!どうぞお通り下さいませ!」

 必要以上にピシッとした敬礼をされてしまった。

「ありがとうございます」

「何を見せたんですか?」

「あぁ…王様からこのメダルを頂いたので、使ってみまし

た」

「……何でそんなもの持ってるのよ?」

「盗品…ではないですよね…?」

「違いますよ!ちょっとありまして、下賜させたものです。内容は秘密ですが」

「ふーん…まぁ怪しいけど、それより今は師匠よ!師匠!急ぐわよ!」

 そう言って走り出すエリス。

「あ!待ってよお姉ちゃん!ルーシェさん行きましょう」

 慌てて追いかけるイリス。その後をさらに追いかけるルーシェだった。


 街の奥、山に面した高いところに、師匠の家はあった。

「師匠!帰ったわよ!」

「戻りました師匠!」

「お邪魔します」

 入ったのは道場の玄関。かなりな広さだ。

「ちょっと!もう少し静かになさい」

 出迎えてくれたのは、年配の小柄な女性。

「ドルばぁちゃん!ただいま!」

「ただいま戻りました」

「二人ともおかえり。でも先生は寝てるんだよ?静かになさい」

「「ごめんなさい」」

「わかればいいのよ。そちらの方は?」

「ルーシェさんです。今回のことで色々お世話になりまして」

「ルーシェさんですね。二人が世話になったようで…ありがとうございます。私はドルマと言います。お見知りおきを」

 丁寧な頭を下げる。

「ご丁寧にありがとうございます。ルーシェといいます。よろしくお願いいたします」

「ドルばぁちゃん!それより早くこれを!」

「そんなに慌てなさんな。先に素材を見せておくれ…」

「こちらです」

「ふむふむ…なるほど…これなら大丈夫だよ。すぐにかかろうかね」

「薬を作るんですよね?手伝います」

「ルーシェさん。お客様なんですが、ゆっくり休んで下さいな?」

「いえ。勉強になることもあるので、是非とも」

「そうかい?ならお願いしようかね。二人は荷解きして、先生のところへ行っておあげ」

「「はい!わかりました!」」

「それじゃあルーシェさん。お願いしますね」

「はい!よろしくお願いします」

 ドルマに促され、奥へと案内された。


作者「クソぉ…前回の茶番、アルにちょろいなって思ってるようにしたら…まさか作者がちょろいなってフリガナになってしまった…」

アル「バチが当たったたんだよ!」

作者「クソぉ…そんなこというなら、暫くアルの出番はなしにしてやる!」

アル「お…横暴じゃねぇか!」

作者「フハハハハハハァ!これぞ権力というもんだ!」

 はい。茶番はどこへ向いたいんでしょうか…作者にもわかりません。

 毎度お願いしてることですが、評価ボタンにブックマーク、して頂けるととても嬉しいです!

 よろしくお願い致します!(スライディング土下座)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ