表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森育ちの天然ドルイド  作者: 食欲のアキ
18/124

十七話 行詰りと追いかける者達

昨日からメッチャ冷えてますが、皆さん体調大丈夫でしようか?

コロナも増えて来てて、なかなか外に出にくく、ストレス溜まりますよね…

少しでも自分の小説が、憩いの一時になれば幸いです!


あと、個人的なことですが、だいたい小説はいつも2〜3時間くらいかけて、朝に頑張って書いてます!

なるべく毎日投稿続けたいのですが、体調崩しやすい時期なので、倒れて更新出来ないときは申し訳ないので、先に謝っておきます。

すみません。_(._.)_

 通路をしっかり安全確保しながら進んでいく3人。

「しかし…離れてても音が聞こえてくるわね」

「入口付近も奥の方からも、一箇所に集まって大暴れですから」

「ルーシェさんの作戦のお陰で、安全に進めますね」

「苦肉の策だったけど、上手くいってよかったです。ただ…絶対に安全とはいえませんから、慎重に進みましょう」

 シルフィの先導により、なるべくモンスターに遭遇しないように進んだ。

 多少迂回しながらになったので、最短ルートに比べると、時間が幾分か遅くなってしまう。

 どうしても奥からまだ音を目指してくるモンスターに、度々遭遇してしまうのだが、遅れて来る魔物の殆どが、群れからはぐれた者のようで数が少ない。

 また、前みたいに挟み撃ちに合う心配もほぼないので、安全に戦闘をこなしていける。

 とはいえ、余計な体力消費は抑えたいので、なるべく隠れてやり過ごす様にした。

 結果、後で大変なことになってしまうのだが、その時の3人には知る由もなかった。

 

「少し開けたところに出たわね」

「お姉ちゃん。前に出過ぎないで」

「まだ安全確認が済んでません」

「っと…ごめん」

(ルーシェ。奥に下へ続く通路があったよ)

(ありがとう。モンスターは?)

(ここは…今のところ大丈夫そうね。ただ…降りたあと気を付けて…嫌な気配がする)

(了解)

「ここは大丈夫な様ですね。念の為後方からモンスターが来ないようにしておきましょうか」

 ルーシェは狭いところまで戻り、魔物の避けをしておいた。

「これで暫くは大丈夫ですね。狭いので香も留まりやすいので助かりました」

「じゃあ進むわよ!」

「エリスさん。少し待って下さい」

「どうしてよ?」

「先に進むということは、今よりモンスターが強くなると予想されます。準備を整えましょう」

「でも時間が…少しでも早く師匠のために」

「それはわかります。が、それならより確実に動くべきです」

「お姉ちゃん。ルーシェさんの言う通りですよ」

「うぅ…わかったわ。でもなるべく急いでね?」

「はい。そこまで時間は取らせません。お二人はこちらの丸薬をお渡ししておきます」

 ルーシェは麻袋からいくつか取り出し渡した。

「これは?」

「ここから先は恐らく溶岩地帯のはずです。火山性の毒ガスが出ている可能性が高いので、その対策ですね」

「べ…便利なの持ってるんだな「ですね」」

 二人がハモった。さすが姉妹だなと思う。

「普通の丸薬だと噛み潰して使いますが、これは飴みたいに舐めてる間効果があります。それとこっちもどうぞ」

「これは?」

「耐火用の軟膏です。薄く伸びやすく、ベトベトもしないので、先に全身に塗っておくことをオススメします」

「え…?いや…流石にここで全身に塗るのはちょっと…」

 二人が後退る。

「?効果を疑ってる様でしたら、試しに下に少し降りてみましょうか」

「「いや…そういうことじゃなくて」」

 妙に嫌がる二人を連れて下へ降りた。

 下の暑さは尋常ではなかった。壁に当たるだけで火傷ではすまされないほど熱を帯びていた。

 ルーシェは手に軟膏を塗って、その壁を触ってみせた。

「ね?火傷すらしなくなったでしょ?」

「た…たしかにすごい…のはわかるから、早く戻るわよ!暑すぎる!というかむしろ熱すぎる!」

 3人は早々に、前の部屋まで引き上げた。


「というわけで、安全のために塗っておいて下さい。僕は少し先行して、状況を見て戻ってきますので」

「そんなこと言いつつ、もし覗いたら…殺すわよ?」

「?何で覗き見を?とりあえず行ってきますね」

「何か素で返された…それはそれで女として私はどうなんだ…」と、エリスが落ち込んだのだが、ルーシェはよくわからないという感じで、中層へと入っていった。


「ルーシェ…流石にあの子、傷付いたと思うわよ?」

「?どういうことなのシルフィ?」

「あぁ…うん。そうね。その辺も今度説明してあげるから」

「???」

 ルーシェは人と生活を送って来ていないので、まだ異性への恋愛感情や性欲といったものに対して、知識が全くと言っていいほどない。

 女心というものなど、知りようがなかった。

 生活環境的に仕方ないことではあるが…頭を悩ませるシルフィだった。


「お姉ちゃんも早く塗っておきましょう。いつルーシェさんが戻ってくるかわかりませんし」

「わ、わかってるわよ!」

 流石に開けたところで脱ぐのは抵抗があったので、岩陰に隠れてもらった軟膏を塗った。

「た…たしかにベトベトしないし、むしろすぐ肌に馴染んだ感じね」

「匂いもシトラスな感じでしょうか?耐火ってことですが、他でも使えそうですよね」

 二人が準備を済ませたあと、暫くするとルーシェが戻ってきた。

「お待たせしました。二人とも準備は大丈夫でしょうか?」

「ん。大丈夫よ」

「軟膏ありがとうございます。これいい匂いですし、いいですね」

「魔物の嫌がる匂いの方がいいかな?って、その匂いにしてみました」

「あ…そういうことなんですね…」

「?えーと…斥候報告しますね。魔物は中級クラスがメインですが、上級クラスもチラホラいてました」

「戦闘は厳しくなりそうね」

「それだけではありません。さっき降りて見た通り、やはり熱く、溶岩地帯なので、戦闘時の立ち回りに、より注意が必要になりますね。毒ガスも発生してましたし」

「私達で行けると思いますか?」

「そうですね…先程先行したとき、不思議だったんですが、モンスターは降りてすぐのところからあるラインまではギッチリいてるんですが、そこを抜けると一匹もいなくなってました。もしかしたらかなり強力なモンスターの縄張りになっていてるのかもですね」

「もしかしたらそれがサラマンダーですか?」

「サラマンダーがそれほどまでに強力なモンスターなら、可能性は高いかと。そいつが巨大な縄張りを敷いたため、上部のこちら側へ、中層のモンスターが押し寄せていた。と考えると、あのモンスターの強さや数は、納得出来ますね。さて…奥へ行けるかですが…また何か策を練らないと、奥に行く前に、魔物の数に圧倒されてしまうかと」

「さっきの爆竹は駄目なのかな?」

「集められるほどの広さがないのと、位置が悪いんです。前は中心地だったので寄せてやり過ごせたんですが、今回は位置が手前過ぎるので、通り過ぎることが出来ないかと」

「うーん…打つ手なしってこと?」

「…でもそれならルーシェさんは何で抜けて行けたんですか?」

「アハハ…そこは企業秘密ってことでお願いします」

 笑ってはぐらかすルーシェ。

「…わかりました。お世話になっているので、詮索はやめておきます」

「ありがとうございます」

「でもどうするのよ?」

「お姉ちゃんも少しは考えてください…たまには頭脳労働もしてください」

「たまにはって…うーん…」

「とりあえず…一旦休憩を挟みましょう。気分転換したら妙案が浮かぶかもですし」

 ルーシェが腰をおろして呟いた。

「そうよね。食事の準備するわね」

 頭脳労働から逃げられると、それに乗るエリスだった。

「お姉ちゃんってば…もう…」


 休憩したあと、もう一度斥候して何かないか調べてくると言い、ルーシェは下へ向かった。


 一方その頃救援に出たアルのパーティ。

 早馬を借りて全速力で向かっていた。

 前回遠出準備をしていたおかげで、思いの外早く出発することが出来たのだ。

「急いで出たはいいが、今夜の野営とかはどこで取る?」

「もう少しイッタところに、前にも野営した場所があるはずだヨ?」

「じゃあそこにするか…夜番は」

「「「アルがやれっ!」」」

「わ…わかった…」

 酒場での恨みはまだ終わってなかったようだ。全員から睨まれて、そう答えるしかなかった。


 野営準備が終わり、食事を摂りながら今後の予定を話す。

「向こうへ行くのは問題ないとして…問題は洞穴内をどう攻略するかね」

 とんがりのお姉さんがメモ用紙を広げる。

「中は…ウメェなコレ…結構な迷路と思っといた方がいいよな」

 アルが肉を噛りながら話す。

「ハフハフ…たしかに…ングッ…ウマいヨ!中に入って…みふけらいこほも…ごっくん。あるヨね?」

「…ちゃんと飲み込んでから話しなさい…行儀が悪い…」珍しく無言の男がツッコミを入れる。

「向こうへ着けば戦闘の痕跡はあるだろうから、それを探していけば、何とかなるだろう」

「そうね。あとこれは改めて共有事項ね。私達には不向きな内容だから、絶対に無理はしないこと。救援って言っても、自分たちの安全が第一。特にアル、わかったわね?」

「わぁってるよ」

「前もそうイッテ、村が襲われての見て、突っ込んでったヨ、アルは」

「そうそう…尻拭いはこっちなのにね」

「あぁもうウルセーッ!俺が悪かったって!」

 何だかんだでそんなパーティリーダーを見捨てられないのが、ここの面々だ。

 というより、そんなリーダーだからついてきているという自覚もみんなあるが、恥ずかしいから誰も言わないのだった。

 

 打ち合わせも終わり、寝仕度も整った頃。

「さて…リーダー?今夜はよろしくね〜」

「頑張ってヨ〜」

「……」

 一人は無言で手をかかげられた。

「わぁったよ!やっからお前ら明日はきっちり頼むぞ?」

 こうしてアルの長い夜が始まったのだ。

 昨日の投稿分、いつもより読んで下さった方が多く、とても嬉しかったです!

 そして高評価にブックマークまでしてくださった方もいたみたいで、感謝感謝です!(五体投地)

 皆様のブックマークや高評価は、自分を含め色んな作者の応援になりますので、よかったらポチッとよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ