十五話 訓練…そして
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結局あまり眠ることは出来ず朝日を拝む3人。ルーシェは今後遠征をする課題だな。と、対策を心に誓っていた。
「朝ですね…おはようございます」
ルーシェの挨拶に、二人は流石に眠そうに応えた。
「おはようございます…朝は冷えますね…クシュンッ」
「おはよー…流石に眠いわ…そうね…ちょっと冷えるわね…ヘクチッ」
ちなみにシルフィはせっかくなんだし!と、日の出の僅かな時間にしか咲かない花の蜜を堪能するために、少し前の時間から、ルーシェから離れていた。
(あれも良い薬になるから、採取頼んだけど、大丈夫かな?)
「…眠くてちょっと危ないですね…」
「そうね…頭回んないわ…」
「…お姉ちゃんはいつも回ってないでしょう…」
いつもの姉妹トークは、眠くても平常運転のようだ。
「ルーシェも気を付けるのよー…って、あんまり眠そうじゃないわね…」
「あぁ…ちょっと待って下さいね」と、ルーシェはポットで湯を沸かし、ハーブや木の実、生姜などを軽く煮出した。
「これは眠気覚ましの薬湯です。僕は同じ物で作った丸薬を噛んでたので…慣れないと丸薬は味の癖強いので、お二人はこちらをどうぞ」
「ありがとうございます…匂いは美味しそうですね」
「ありがと。うぅ…寒いから温かいのは嬉しいわ」
お礼と共にルーシェから木製コップを受け取った。
「薬湯なのに美味しいですね…」
「本当ね…でも丸薬になると何で強い癖になるんだろ?」
「丸薬にするには、全部乾燥仕切った状態で作るのですが、どうもその行程で癖が強くなるみたいで。ただ、携帯用ならこちらの方が小さくて量も持てるので、便利なんですよ」
「身体の中がポカポカしてきました」
「たしかに…それに頭もスッキリしてきたかも…」
「中には唐辛子が少しと、干し生姜、ホカの実なんかも入れましたので、温まる効果は高いですよ」
「「なるほど…ただ…」」
冷えた身体に温まる物を飲んだので、暫く鼻が止まらない状態になる姉妹だった。
その後エリス作の朝食を頂いた。片付けを済ませてるときに、こっそりシルフィが戻って来た。
(シルフィおかえり。どうだった?)
(ただいま〜。美味しかったわよ!あと、これ頼まれてたの)
(助かる!ありがとう!)
(ついでよついで〜。さて、あまり寝れなかったから、私は眠らせてもらうわね〜)と、要件を済ませたら、ルーシェの懐に入りっていった。
このときもしシルフィの姿を見た人がいたら、驚いたことだろう。花がルーシェの前まで飛んできて、ホバリングしていたのだから。
目的地に近付くに連れて、魔物との戦闘が増えていく。
山や森、洞窟などは、元々魔獣達の棲家である。そっちに人間が近付いてるのだから、戦闘回数が増えるのは必然である。
魔物避けの香を焚いてもいいのだが、あえて使わないようにしていた。
進行速度は落ちるが、それよりも3人で行う戦闘の訓練を優先したからだ。
姉妹二人だけなら、息ぴったりであるが、ルーシェがそこに入ると、だいぶ変わってくる。
立ち位置の調整。役割分担。索敵に討伐の優先順位。刻一刻と変わる戦闘風景を、瞬時に選択し、意志の疎通を素早く行うには、どうしても数をこなすしかない。
特に元々ソロ活動ばかりのルーシェにとっては、なかなかに難しいものであった。
シルフィとのコンビネーションは、普段念話で行っている。咄嗟のときに、よりその癖が出てしまう。
戦闘能力自体は高いので、怪我などはなく屠れるのだが、強い魔獣と相対したときこれではまずい。
昨日早いペースで進んだのもあり、今は訓練に時間が取れている。
「しっかし…ルーシェ…はっ!つ!よ!い!のに!パーティ戦だと、どうしても動きが堅い…わっ!ねっ!と」と言いながら、ストーンリザードとロックバードの攻撃を避けつつ、的確に関節に掌打を入れつつ、最後はストーンリザードの尾を掴んで一本背負いよろしく、ロックバードに叩き付ける。
「お姉ちゃん…右前方と左後ろから。後ろは5秒止めます!氷よ掴め。束縛の鎖。アイシングバインド!」
叢から飛び出たストーンリザードの足元に魔法陣が生まれ、氷の鎖が全身に絡まる。
エリスの前方から来たリトルウッドゴーレム(体長2メートルオーバー)が、緩慢な動きで腕を振り下ろす。
動き自体は遅いのに、木の魔物だけに固く。そしてしなる。遅い鞭のような動き。
「遅いっ!」と言って、師匠直伝の円転脚という技を放った。
素早く間合いを詰めて、地面を滑るように転がりながら、両脚を刈り取るように蹴り転ばす。
予め転ばす先をストーンリザードの上に調整していたエリス。ストーンリザードの上にのしかかるウッドゴーレム。
そこに備えていたイリス。
「来たれ氷塊。我が盾となれ…アイスブロック」
通常は防壁となる氷壁呪文を高い位置に出現させて落とす。ウッドゴーレムとストーンリザードをまとめて圧死させた。
「イリスお疲れ!私達二人だとこんな感じね。少しは参考になったかな?」とエリスが胸を張る。
「すごいですね…位置調節にお互いの技と魔法の発動タイミングまでぴったり…いきなりこのレベルでの連携は難しいと思います…が、勉強になりました!」と、ルーシェは関心していた。
「私は後衛なので、常に視野を広く保ちつつ、前衛の補助と索敵。あとは火力で必要なときに大ダメージをって感じですね。お姉ちゃんは前衛なんですが、騎士や剣士とは違うので、回避しつつカウンティングして、後衛になるべく敵が来ないようにしてくれてます」
「なるほど…仮に僕が今の戦闘に参加したとしたら、どういう動きをするのがいいんでしょうか?」
「万能なんだし、臨機応変に動く遊撃かな?」
「数が多いので、普通にお姉ちゃんみたいに前衛で引き受けてってのもありですが…うん。通常のドルイドだと、後衛で補助や回復が普通なんですけどね。ルーシェさんだともったいないんですよね…」
「万能なのも考えものね」と、姉妹に苦笑されてしまった。
そこから色んなパターンを試しながら進んでいった。前衛で引き受けたり、中衛アタッカー。後方支援。後方アタッカー。回復に補助。色々やり過ぎて、結果としては何でも出来るが、まだまだ専門家にはどれも届かない、中途半端な感じになってしまった。
練度的には中の上という感じだ。
「短期間でこんだけ色々対応できる方がおかしいわよ…」と、エリスには呆れられてしまった。
暫く進み、目的地に無事に到着。馬車に魔物避けの香を使ったりと準備をした。
「いよいよ焔の洞穴ですね」
「ここにサラマンダーが…」
「師匠…待っててね」
三人は洞穴の奥へと向かっていくのだった。
その頃王都。
「イテテ…あぁ…気分ワリぃ…」と、アル達はバーで二日酔い真っ只中だった。
「あらぁ?お目覚め?」と、筋肉が身をよじる。
「…起き抜けには余計にダメージがくるな…ワリぃが水をくれ」
「もうっ!酷いわね…はい」と、グラスを差し出してきた。
「ありがとよ……ふぅ…」
「あ、そうそう。ルーシェって子から、貴方に伝言よ。暫く依頼で出ているそうよ」
「来たのか?水臭えなぁ…伝言なんて頼まず、一緒に食ってきゃあいいのによ…」
「依頼前に昼から飲んだくれてる、酔っ払いの相手なんて、誰もしたくないと思うわよ?」
「ぃっっ…ちげぇね…な…ところでどこ行くって言ってた?」
「焔の洞穴よ。見た目よりあの子やるのね」
「………はぁ?おい?マジかよ!?いつ出たんだ!?」
「そう言ってたわよ?どうしたの?出たのは昨日の朝ね」
「どうしたもこうしたも…あいつこないだ冒険者なったとこだぞ!?んなところ行くとか自殺行為だろっ!何で止めなかった!!」
「あら?そうなの?あの子こと、そんな知らないんだから、仕方ないじゃない」
「あぁ………もうっ!クソッ!お前ら起きろ!すぐ出る準備だ!」
「アルぅ………大声やめてよ…頭がぁ…」と、とんがりのお姉さん。
「いたい…いたいヨ…ナンだヨアル…」と、ゾンビの様な動きのパルコ。
「…………」無言でのたうち回る細見の男性。
「お前らしっかりしろやっ!俺は準備してくっから…ルマス。ワリぃがコイツ等に酔覚まししといてくれねぇか?」
「いいけど…今から行って間に合うの?」
「間に合わねぇ…かもだが…行かねぇと俺が自分で自分に納得出来ねぇからな…」
「相変わらず変に面倒見がいいわよねぇ。そういうところが好きよ?」と、ウインクをされて、精神に会心の一撃をくらい、膝が折れるアル。
「クソ…こんなところで余計なダメージ与えてくんな」
「なによ…失礼ね。時間がないんでしょ?………はぁ…ちょーーーーーーーーーっと手荒な酔覚ましになるけどいいのよねぇ?」ニタァと笑いながら、指をボキボキ鳴らすルマス。
(みんな…すまねぇ…)「ほ…ほどほどに頼む…」と、引きつった顔でアルが後退る。
三人を引き摺り、バーの裏へと消えていく?%A
アルパーティのドタバタシーン、しっかり書くか悩みましたが、書いたほうがいいでしょうか?
一応声が一定よりありましたら、後日書き直そうと思いますので、よろしくお願いします!




