百一五話 何が何やら
更新遅くてすみません。
ちょっとイレギュラーな出来事に巻き込まれてしまい、色々とありました。
詳しくは書けませんが…
うん。皆さん運転は本当に気を付けて下さいね?
てか逆走されると本当に怖いですよ…((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
激しい揺れが収まり、ルーシェは周囲を確認する。
一体何があったのか、呪いのような黒炎も消えている。
「お父ちゃん…おとう…大丈夫か…?」
体が元通りになっている魔族の少女は、その小柄な体で大柄の魔族を庇うように、覆い被さっていた。
今にも消え入りそうな魔族の命。
ルーシェの体は無意識に動いていた。
「おいっ!お前!何する気だ!」
「手遅れになる」
威嚇しつつ守ろうとする少女に、話してる時間すらもどかしいと、ルーシェは少女ごと回復薬をぶち撒けた。
突然の行動に少女は驚きつつ、父に異変はないかと血相を変える。
「お父ちゃん!お父ちゃん!あれ?傷が?」
「不安にさせてごめん。時間がなかったから」
そう言いながら別の回復薬を取り出し、自身も回復するルーシェの瞳に、敵意や害意はなかった。
「それより色々と聞きたいこ…」
言い切る前に、また大きな揺れが起こる。
さっきと違い、地を引き裂くような音も聞こえる。
「間に合わなかったか…」
「シリウス?起きて平気なの?てかそれはどういう?」
エネルギー切れから幾ばくか回復したシリウスが、よろよろと体を起こしてきた。
「この揺れ…この気配…フレイアスの力が解き放たれんとしておる…つまりは崩壊じゃ…」
「まだ手立ては?」
「そんなものは…」
絶望を口にしようとしたとき、天井が砕け落ちてくる。
「お兄さん達、無事かなぁ?」
そこからヌッと顔を出したのは、地竜姿のジークだった。
「ジークっ!?どうしてここに?」
「あ、無事みたいだね。よかったよ〜。っと、そんなのんびり話してる暇はないんだよね」
穴から落ちてきたジーク。
背負っていた籠らしき物を降ろすと、そこから出て来たのはマホとアカネだった。
「え?何で二人が?てかここには来れないはずじゃ?」
「無事そやな。詳しい話はあとや。アカネ!ちゃっちゃとやるで!」
「わかっとるよ!」
そう言うと祭壇があるであろう奥へと進むアカネ。
「そ…うは…させぬ…!」
怪我の塞がった大柄の魔族は立上り、アカネへと襲いかかろうとした。
「アホか!邪魔するな!アンタも死んでまうんやで!」
式神を放ちアカネの援護をしつつ、どこからか取り出したハリセンで、魔族の頭をシバくマホ。
たいした威力もないそれにフラつき、膝を付く魔族。それを支える少女。
「お父ちゃん…」
その心配する瞳に、無理して安心させようと、ぶっきら棒に頭を撫でる。
「アンタぁ…娘おんねやろ?こんままやったらアンタだけやない。みんな死んでまうねん。その子もな」
その言葉に折れた様に崩れる魔族。
もう大丈夫とアカネに視線を送り、奥へと走っていった。
「一人で行かせて大丈夫なんですか?」
「大丈夫や。そうフレイアス様が言っとったからなぁ」
さっきまでフレイアスと戦っていたルーシェ達にとってその言葉は、ただただ不安を煽る材料でしかなかった。
が、もう体力の限界である。
誰もそれを追うことは出来なかった。
暫くすると、奥から白い光が溢れ出す。
そして暫くすると、また大きな揺れが起こる。
今度はその揺れが、ゆっくりと地の底へと吸われて行くかのように、徐々に収まっていったのだった。
揺れが止まると同時に、徐々に光が弱まって行く。
「おぉ〜い!誰かいてるんやろ?ちょっと来てくれへんか?」
奥から響いて来たのは、聞き覚えのない男の声である。
ルーシェは怪しがりつつも『行くしかないか…』と、慎重に進もうとしたところ、一切躊躇なくズケズケと進むマホに抜かれてしまった。
「まだアンタは疲れとるやろ?任せときぃ」
「え?いや?ちょっと!」
呼び止めようとするルーシェを華麗にスルーし、奥へと入っていった。
暫くすると、マホとその背負われたアカネ。
そして宙を漂う火の玉らしき物体が現れたのだ。
「アカネさんは?」
「あぁ。疲れて寝とるだけやから心配いらんよ。それよりも早くここでな危ないらしいで」
「それはどういう…?」
また大きな揺れが起こる。
「ちょっ!先より大きな揺れが…!」
「ギリギリやったみたいで、もうすぐここだけはマグマの海に飲まれるらしいねん」
「はぁ!?」
「とりあえず出るから、みんなこっちに〜」
マホから緩く伝えられるヤバそうな言葉。
それと同じくらいに、緩いジークの言葉のせいで、すぐに動くことができない面々だった。
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