百五話 シリウスの失敗
毎度更新が遅くなり、申し訳なくです。
とりあえず一つはやることが片付きました。
まだまだそれでも多いので、ほんまに更新は安定せずに、申し訳なくです。
次話もなるべく早く更新できるように、頑張ります…
少し時は遡る。
ルーシェが自白剤を投与する前。
「巫女よ。契約する気になったか?」
集落の上空に浮かぶ魔族が、ふてぶてしい態度でそう言葉吐いた。
「アホかぁ!誰がお前らなんかに従うかいな?お断りや!とっとと居ねや!」
「相変わらず汚い言葉だ…お前に聞いているんじゃない。いい加減少しくらい痛い目を見なければ、わからないようだな」
指を鳴らすと突然、宙に磔にされた男が現れる。
「と!とうちゃん!」
一人の少年が、ボロボロな姿で磔にされた父の姿を確認し、声を上げた。
「あかん!前に出るなっ!」
走り出す少年の襟首を掴み、無理矢理動きを止める。
「ほぉ…その少年の父親か…どうだ少年よ?巫女を差し出…クボッ!」
ドォーーンと地面に叩きつけられ、地面に体をめり込ませた魔族は、ピクピクと痙攣している。
意識していない背後からの、完全な不意打ちにより、辛うじて生きてはいるが…といった状態だ。
「お取り込み中悪いのじゃが、あまりに空きだらけなもんでのぉ…それと…」
今度は磔にされた男を柱ごと掴み、地面にぶん投げる。
投げられる数瞬前に、何とかギリギリ柱から脱出した男は、浮かびながら鋭い目でシリウスを射抜く。
「やはり魔族が化けておったようじゃの」
「……何故わかった?」
「答えてやる義理はないのぉ」
ケタケタと笑うシリウス。
男は懐から小瓶を取り出すと、それをシリウスに向かって投げ付ける。
「そんな瓶ごときで何に…なっ!?」
シリウスの視界が真っ白に染まる。
魔族は投げた瓶に遅滞魔法を使い、瓶を任意のところで爆発させたのだ。
「これなら避けられま…」
「せっかくの新しい服が…台無しじゃな…」
白煙の中からボロボロな服装に、髪が所々焦げた姿のシリウスが、ため息を吐きながら姿を現した。
「な!何で無事なんだ!?」
「どこが無事じゃ!せっかくの新品の服が…覚悟はよいのぉ?」
実際新品かどうかというところでは、シリウスは怒ってはいない。
ただ、これはエリスがシリウスには似合うはずと、自腹でプレゼントしてくれた、新しい服だったのだ。
それをこんな姿に…つまりこのことをエリスに知られてしまっては、果たしてどんな仕打ちがシリウスを襲うのか…
「万死に値する…楽に逝けるとは思わぬのじゃな」
「こっちの話も聞ガハッーーーーーーーーッ!」
シリウスの拳が綺麗に顎を撃ち抜く。
そこからはまさに空中サンドバッグ状態。
結果、その激しすぎる攻撃の嵐により、ポケットに入れていた小瓶がいくつか溢れ落ちる。
「しまった!流石に十個同時には無理じゃ!」
驚異的な動きで、それでも落ち行く小瓶に追い付き、5つはキャッチ。
残りの5つが地面激突し、砕け、白炎は別の白炎との相乗効果により、5倍以上の破壊力を発揮した。
視界を白に埋め尽くされる。
そして音は激し過ぎたため、そこにいた者全員が、逆に何も聞こえなかった。
「我としたことが…これはマズイ…」
「ほんっとに。間に合ってよかった」
晴れた煙。
破壊の限りを尽くされた集落。
その爆心地とも言える場所に立っているのは、杖を手にしたルーシェ。
そのサイドを固めるように立つ大精霊と代理。
瓶が落ちるのを確認したルーシェは、杖を使い一瞬で転移。
そのまま杖を使い、自分達を覆う様にゲートを形成。
視認出来る限界高度に出口を設定し、直撃分を上空へと逃した。
それだけでは守る範囲が足りない。
そこをカバーリングするように、二人の精霊は結界を張ったのだ。
「シリウス!油断大敵!」
「す…すまぬ…のじゃ…」
謝るシリウスの姿を見たアクエリアスは…
「帰ったらエリスに…」
「なぁっ!?そ…それだけはやめてくれなのじゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
と、よっぽど怖く嫌なのだろう。
かつてない叫び声をあげ、頭を抱え込んだシリウス。
更には無意識に手にしていた物を、〆たり引っ張ったり、逆に押さえつけたりとしている。
ちなみに手ではずっと魔族を掴んでいる。
「そういえば…我は何を握っておったのじゃ?あ………」
シリウスが喚き暴れるのが落ち着いたときには、魔族は文字通りのボロ雑巾と化していた。
皆様いつもご拝読頂き、誠にありがとうございます!
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さぁ…27時間連続可動が終わった…
ゆっくり寝るぞぉ…
誤字や文書変なところはすみません…




