百四話 眷属の消滅と炎柱
更新遅れ気味ですみません。
色々と厄介事は重なるもんですね…
過労死しないように、気をつけます…
次回更新も、明後日か明々後日になりそうです…(泣)
暫くは予約投稿はせずに、書き上がった物を、すぐあげる形でいきます。
推敲する暇もないので、誤字や文のおかしなところ、結構あると思いますが、ご指摘頂けると、とても助かります。
色々とどうするか話しているだけで夜が明けてしまった。
「そういえば火の眷属はどうしたんだろ?」
「忘れてたわ」
「我もすっかり頭から抜けておった」
「右に同じ」
三人はテヘペロ顔でそう言った。
とりあえず夜明けと共に、フレイアスヘの道が出来るとか開くとか、そんなことを言っていたのを思い出したので、マホ達にちょっとこの場を離れることを告げた。
「ふむ。我が残ってこの者らを守っておくのじゃ。安心して行ってくると良いのぉ」
また魔族がやって来る可能性を鑑み、自ら留守番を買って出てくれたシリウス。
それに甘える形で、三人は野営地へと向かった。
向かう途中、ルーシェは二人を引き止める。
「ふと思ったんだけど、何で火の眷属は来なかったの?」
「え?よく寝てたからじゃない?」
「いや、仮にも大精霊からの任を受けた者が、そんな適当なことするかな?」
そう言われてみれば確かに変である。
疑問に思いながら、一つ警戒レベルを上げ、野営地へと到着した。
「これは?」
野営地は荒らされていた。
それだけではない。
眷属がいたであろう場所を中心に、飛び散るように辺りが黒焦げになっているのだ。
アクエリアスとシルフィはお互いに見て頷き合う。
「あの眷属…消されたわね」
「間違いないわ」
更に痕跡はないか探りながら、ルーシェに説明をしていく。
精霊や妖精が消えるのは、基本二通りのパターンしかない。
一つ目は力を使い果たす。
もしくは吸い取られる場合だ。
これは以前シルフィが陥ったパターンである。
もう一つは文字通り殺害された場合だ。
その場合の多くは、内在している力が弾け飛ぶ。
風の眷属なら、突風から竜巻までと、内在している力の大小によって、弾け具合は様々である。
今回の四散具合は、正しく後者のそれである。
「でも…腑に落ちないのよね」
「どういうこと?」
「仮にも大精霊の使いなんだから、相当の力を持っていたはずなのよね。それなのに、被害がこの程度なんて…やっぱりおかしいわ」
「うーん…ちなみに聞くけど、本来的にはどれくらいの被害が起こるのかな?」
「私の眷属じゃないから、具体的にはわからないけど…そうね。たぶんこの島が消えてなくなるレベルのはずね」
その言葉に顔を青くしてしまう。
痕跡を調べたが、残っていたのは複数の足跡しかない。
が、それが見つかっただけでも、普通は幸運であるのだが…
「全部てんでバラバラな方向を向かってるな」
「偽装工作ね。面倒くさいことをしてくるわ」
「本当に…ねっ!」
シルフィの合図に、三人が3方向へ別れて飛ぶ。
元いた場所を目掛けて、複数の魔法がそこを狙い撃つ。
「ちぃ!外したかっ!お前ら!やれ!…あれ?」
『ごとん』
指示を出そうとした魔族の首が切り裂かれ、別れた自身の胴体を、何があったかわからない表情で見つめている。
ルーシェが杖を使い、ゲートに無明を握る腕だけを、魔族の後ろに出現させた結果だ。
「え?え?え?」
「他所見をするとは余裕ね」
アクエリアスが指から放った水弾により、額を打ち砕かれる部下。
他の者もシルフィの風刃により切り裂かれている。
野営地に着く前から、魔族の存在に気付いていたシルフィは、念話で二人にそのことを伝えていた。
待ち構えているなら、逆に利用してやればいいという考えで、空きを作り、油断してるフリをしていたのだ。
奴らの会話や人数に位置を、シルフィは完全に把握していたので、かなり楽な仕事だったと言える。
「さて、残るはお前だけだな」
「く…クソォッ!」
魔族は取り出した筒をルーシェに向かって投げ付ける。
何かはわからないが、酷く嫌な予感がしたため、その筒が地面に激突する前に、優しく風魔法でキャッチし、それをそいつに投げ返したのだ。
「は?え?あ!?」
予想外の出来事だったのだろつ。
投げ返されたそれを、ものの見事にお手玉し、地面に落とした瞬間…
響くガラスの砕ける音。
次の瞬間、そこに立ち登るのは白い火柱と表現するには、余りにも強力な、まるでレーザービームのような炎柱だった。
「ふぅ…びっくりしたぁ…今の何っ!?」
「恐らくだけど…眷属の力を一部吸い取った道具じゃないかしら?」
「だからあの火柱?それにしては…」
「確かに威力が小さ過ぎるわよね。恐らく複数個に分けて、力を吸い取ったんじゃないかしら?」
「え?まだ小さ過ぎるの…?」
「あのくらいじゃこの島、壊せないでしょ?」
その言葉に、そういうことなら…と、頭を巡らせる。
もしその筒を複数個持った奴らが、一斉に集落を襲ったら…
「ヤバいね…急いでマホさん達のところへ戻ろ…」
『ドォーーーーーーーーーーーーーーーーーン』
言い終わる前に、マホ達の集落の方角から、白い炎柱が登る。
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