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第一話

 窓から流れる景色を眺める。

 辺り一面広がる草原に、澄み渡る青い空。その空には、いくつか雲が浮いている。

 よく見ると、草原の遠くのほうに、動物か何かが見える。


 この世界には、動物とモンスターが存在する。

 動物は、主に魔力を持たない、または、少ししか持たないものを指す。

 モンスターは、大きさなどに対して一定以上の魔力を持つもの、または、極めて狂暴なもののことを指す。モンスターは、たくさんの魔力を持って生まれた動物が変異して生まれたものが元のため、何かの動物に似た姿や性質を持っていることも多い。モンスターの中には、友好的なものや襲ってこないものなどもいる。

 基本的に家畜には動物がされて、魔物はあまりされない。能力が高いため、それの対策のためのコストとが利益が釣り合わないためだ。逆に、動物だけでなくモンスターもされることがある。躾けたり、懐かせ言うことを聞かせれば、滅多なことは起きない。対策が必要な場合も稼ぐためではないから釣り合いも考える必要がないからだ。

 また、自然界では、動物やモンスターたちのなかで住み分けがある程度できている。


 列車のレールは、モンスターが弱い場所や少ない場所などをできるだけ選ばれてしかれている。また、定期的に冒険者に依頼してレール周辺にいる魔物を討伐してもらっているので、レール周辺には、魔物がいないし近寄ってこないため安全だ。その代わり、乗車料は結構取られる。だが、あまりにも高すぎるわけではないので長い旅の道のりを短縮できるとあってお金持ち以外も、多くの人が利用する。いや、お金持ちは、一両だけ高級車両があるためそれを利用する。


 目を離し、前の座席を見ると、同じようにリーネが窓から広がる景色を見ていた。

 代り映えしない景色がしばらく続いているが、それを見てリーネは楽しそうにしている。楽しそうな雰囲気が伝わってくるといったほうがいいかもしれない。美しさと可愛らしさが共存するとでもいうべきか、少女らしい愛らしさが残るその端整な顔には、少し笑みが浮かんでいてる。

 その顔を、少し眺めていると、それに気付いたリーネがこちらを向き微笑む。

 その表情はほんとに綺麗で絵になるようだ。そして、なぜか温かい気持ちになる。


「楽しそうだね」


「うん」


 彼女は笑みをさらに深くして答えた。


「どこまでも広がる草原を見ていると、なぜか、美しく思えてね。何でもない景色のはずなんだけど。やっぱり初めて、魔導列車に乗って興奮してたからかしらね」


「そうかもしれないね」


 少しのんびりをした時を過ごしていると、しばらくして、街中に入り列車は止まっていった。












 駅から出て、エルメルスの町を歩く。


 ここも駅がある町なだけあってかなり広く、住民も三千人とフィルミレの町と同じぐらいだ。

 エルメルスの町がある、リードヴルム王国イーレアス領は南北に少し細長い。エルメルスの町は、イーレアス領の中でも北のほうにある。ちなみにフィルミレの町は、イーレアス領の南に接しているクリートル領にある町だ。魔導列車代は、領境を越えたため、通行料が少し上乗せされている。


 この町も治安はいいので、武器は持ち歩かなくてもいい。

 駅前の道は、商業地区になっているようだ。露店もいくつか出ていて、人通りが多い。


「露店で何か食べていこうか。少し遅いけど昼食にしよう」


 リーネはうなずく。

 二人で喧騒の中を歩き、食べ物を売っている屋台を見ていく。

 串に刺し焼いた肉を売っている屋台を見つける。


「すいません、それは何のお肉ですか?」


 僕は屋台のおじさんにきく。


「おう、これはレンボアーの猪肉だ」


「猪肉って臭いイメージがありますがどうなんですか」


「臭いっちゃ臭いが、ちゃんと処理してあるからあまり臭みはないぞ。逆にその臭みがいいという人もいるから、どっちもどっちだな。それに、ほんとに臭いのは、繁殖期の雄だ。レンボアーは、身が普通の猪より引き締まっているからうまいぞ」


「そうですか。リーネどうする?」


「じゃあ、一本買って二人で食べましょう。二つ買ったら、食べれるか分からないし・・・」


 頬を少し赤く染めながら言った。そんなふうにされたら、僕も少し赤くなってしまう。


「おー、熱いね」


 おじさんにからかわれてしまう。

 変な雰囲気になってしまったので、咳払いしつつ、


「おじさん、レンボアーの串焼き一本下さい」


「かわいい彼女さんに免じてまけといてやるよ」


 そう言って、書いてある値段から少し安くしてくれた値段を示してくる。

 リーネは僕の彼女なのかな?そう考えつつも、リーネのほうを見ると少しうつむいていた。そこから見えた顔はさらに赤くなっていて、恥ずかしそうにしているが少し幸せそうだった。




 顔の赤さは完全に引いていた、リーネと町の中を歩く。

 レンボアーの串焼きは、結構ボリューミーでおいしかった。リーネも満足したようだった。ただ、僕が食べた後、リーネが食べる時にまた少し顔を赤くしたため、あまり意識しないようにしてたのに、なんかいたたまれない雰囲気になってしまった。その後も、いくつか屋台で買い食いして、僕たちは満腹になった。

 その後、明日のために必要なものを買って回っていたら、いつの間にか空が赤くなり始めていた。

 今は、今日泊まる宿を探して人垣の中を歩いている。宿屋はいくつか見つけたが、高級宿だったり、少しぼろかったりしたのでやめておいた。お金は、贅沢するほどあるわけではないが、あるといったらあるので、あまり安い宿には泊まりたくない。


「まだ部屋空いてますよ」


 しばらく歩いていると、そう言って店の前で元気に客引きする女の子がいた。その店は、木の二階建てになっていて、しっかり造られていて外観もきれいだった。一階は、酒場になっていて二階以上が泊まれるようになっている店だろう。雰囲気もよさそうだから、僕はここならいいかなと思った。


「そこでいいかな?」


「いいよ」


 リーネからもオッケーが出たので、その店の前まで行く。


「泊まりますか?」


「うん。お願いね」


 女の子が聞いてきたので答える。


「二名様ですか?」


「うん」


「分かりました」


 僕たちは、女の子についていき店の中に入った。

 入るとそこは酒場だ。日が暮れてきたからか、多くの人でにぎわっている。客は、マナーを守って楽しんでいるようで、思った通り雰囲気はいい。


「二人部屋でよろしいですか?」


「えっと・・・」


「二人部屋でも大丈夫だよ。そっちのほうが安いしね」


「・・・そうだね。じゃあ、二人部屋で」


 リーネがそう言ったことに少し驚きつつも僕は答えた。確かに、余裕がないわけではないが、安くなったほうがありがたい。一緒の部屋にいたほうが色々と都合がいい。小さいころから、よく一緒にいたというのもあるのだろうけどね。


 女の子は、鍵を一つ取ってきた。

 番号が書かれたその鍵を僕たちに渡した。


「二階のその番号の部屋に泊まってください。十八時から二十二時までに酒場に降りて、夕食を食べに来てくださいね。朝食は、七時から十時までに朝食を食べに来てください。それとチェックアウトは十一時までにお願いしますね」


 そう言って女の子は、店の前へ戻っていった。


 この世界の時間は、二十四時間で表される。余談だが、一月は三十日、十二か月で一年だ。

 時計は、魔道具としてある程度広まっている。高いので持っていない人も多いが、普段からの感覚である程度は分かる上、七時から十七時までは毎時鐘がなるためあまり困らない。ちなみに、酒場のカウンターにも時計は置いてある。これも余談だが、機械式の時計も存在する。


 僕たちは、二階に上がり、部屋の鍵を開けて中に入った。

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