エピローグ
エピローグ
――宇宙暦495年。太陽系のはずれ。
「こっちだ。ここ、ここ」
3m程の物体の側でライトを振る宇宙服の男。救命艇が近づく。
船内から作業用ロボットと共に男が出て来る。
「メリークリスマス。あんたかい、通報してくれたのは?」
「通報というか、連絡したように“ドクターロケット”で患者搬送中に偶然見つけたんだ。その患者の方は大したことなかったから、俺だけ残った。来てくれて感謝する」
喋りながらも、手は休めず、物体を救命艇内に収容する。
「若いな、学生さんかい?」
「これでも医者だよ。流啓作。地球大学病院勤務、IDは・・」
「いいよ、分かった。俺はグレイだ。よろしく」
「よろしく」
握手するふたり。
「ところで先生、これは何だい?」
放射能洗浄ガスで洗われている物体を指差す。物体には透明な部分があるが、曇っていて中は見えない。
「宇宙葬の棺桶に見えるんだけど」
「俺も最初そう思ったが、生体反応があるんだ。どうやら冷凍睡眠カプセルのようだ」
コクピットにやって来たふたりはシートに着く。
「目的地セット。地球大学病院か。エウロパか火星の方が近いぜ」
「解凍いや蘇生には熟練したスタッフが要る。それに・・俺が困る。金持ってきてないんだ」
「はは・・。先生、ベルト締めて。行くぜ」
救命艇発進。太陽のある方向へ向かう。
「スキャナーだと中身は人間だ。賭けない?男か女か?」
「男」
「夢がないなあ先生。きっと絶世の美女だよ」
「ほらここ、ちんちんが映ってる」
「・・・。一応名刺渡しとく。俺の本業は情報屋だ。調べたい事があれば連絡くれ」
「情報屋が何で救命艇に?」
「転職前はこいつのパイロットをしてたんだ。ちょっとあって(金に困って)臨時の復職だ」
啓作は名刺をポケットにしまう。
「助かりますか?中の人」
「助けるさ」
救命艇は地球へ。
読んでいただきありがとうございます。
この話は、元々漫画で描いてたメインの海賊による宇宙客船遭難のエピソードに、運び屋の話と地球に行く話を加えて一つの話にしています。(一応)SFですが、どこまで用語を解説するべきか?例えば野球漫画で「ストライクとは?」とか「アウト3つとったらチェンジ」とかいちいちルールを説明しない。それは世間一般の常識だから。ではSFでは?ワープ、エスパー、サイボーグ、パワードスーツ、ブラックホールetc.・・意味を知らなければ分からないが、説明しすぎはしつこかったりテンポが悪くなる。難しいです。ヨキ、マーチン、デコラス(笑)、彼らにはモデルがいます。彼らに出会えたことに感謝します。




