表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

脱出!ブラックホール!!①

 第4章  脱出!ブラックホール!!


『チェックメイト』

<フロンティア号>のTVモニターを見ながら、啓作がつぶやく。

「やったな、グレイ」


「こりゃ大スクープだ」

 ウルトラTVのプロデューサーNは、にやけながらつぶやいた。

「<エンゼル=ヘア>がX-1で消息を絶ったら、現場に来て周波数○○で待て」

 そう得体のしれない男から連絡を受けたのは一週間前だ。

 眉唾物だったが、男の予言通りに客船は遭難。駆けつけたNが言われた通りの周波数で待機していたら、突然映像が送られてきたので、それを生放送した。

「放送禁止用語とか出たらとヒヤヒヤしたが」

<大企業のCEOが実は宇宙海賊。人身売買のために自分の客船を遭難に見せかけた。>

 男への報酬は視聴率の二乗×1万の約束だ。いくらになるか見当もつかない。


<エンゼル=ヘア>通路。

 キャプテンドレイクことレオナルド=アダムスは歯ぎしりしていた。

 怒りが治まらない。その視線の先には、グレイ・ピンニョ・美理・麗子がいる。

「ドレイク様」

 4人は囲まれる。集まった海賊達は15人以上いる。形勢逆転。

 仕方なくグレイは両手を上げる。

 アダムスが微笑みながら言う。

「まずはそのカメラを切ってもらおうか」

 海賊の一人がグレイのネクタイピン型カメラをむしり取る。床に落として踏みつぶす。

「山岡麗子。助かりたければ、こちらへ来い」

 麗子は首を振って拒否した。

「そうか、残念だよ。クローンで我慢するか・・・いや、お前の意志など関係ない。体さえあればいい。連れて行け!」

 海賊二人が麗子を左右からかかえ、連れ去ろうとする。

「いやあ!」

 麗子は抵抗するが、力ではかなわない。

「やめろ!」

 そう叫ぶグレイを海賊の一人が殴る。口から血が滴り落ちる。

 グレイはアダムスを睨みつける。

 アダムスは笑みを浮かべつつ、去り際に命令する。

「そいつらを始末しろ!」

 残った10人程の海賊達はニヤニヤ笑いながら、3人に銃を向ける。

 ピンニョとグレイは顔を見合わせる。ふたりで10人を相手にするのは不可能だ。

 美理は恐怖で目を閉じる。

 絶体絶命。

「!」

 いきなり海賊5人が倒れる。遅れて銃声。

 グレイが音の方を見ると、長い通路の先に銃を構えた明がいた。

 その方向から白い物体が猛スピードで迫る。ボッケンだ。

 残り5人の海賊達は銃を向ける間もなく斬られる。“みねうち”。もちろん明の使ったのもパラライザーだ。

「美理ちゃん!無事か?」

 美理が恐る恐る目を開けると、駆けて来る明とヨキの姿が。   

「明さん!」

 再会を喜ぶ間もなく、声がした。

「動くな!こいつを殺すぞ!」

 離れた所にいて難を逃れた海賊3人が、倒れている女生徒に銃を突き付けていた。

「野郎!」

 ヨキのチョンマゲが逆立つ、超能力を使うサインだ。 

「まだだ!温存しておけ!ここは何とかする!」

 明は銃を床に置き、手を上げる。ヨキも従う。明はピンニョに目で合図する。

「銃をこっちへ蹴れ」 

「了か・・い!」

 思いっきり銃を蹴る。

 カーン。海賊の顔面に命中。言われた通りにしただけ。

 明は跳ね返ってきた銃を掴み、敵に狙いを定めるが、もう決着は着いていた。

 銃の当たった海賊は既に気絶。

 ピンニョが羽根手裏剣を投げる。残り二人の手に命中。銃が落ちる。

 すかさずヨキの頭突きが海賊の顎に決まる。

 あと一人。

 美理のまわし蹴りが海賊の股間に命中。

 命を弄ぶ者を許せなかった。本当は別の所を狙ったのだが、手元いや足元が狂った。

 柔らかい嫌~な感触。

「ご、ごめんなさい」

 思わずボッケンが「痛そう」とつぶやく。麻酔代わりに蹴り飛ばす。

 海賊3人はすべて失神。これで全滅。

「ふう」ピンニョがため息。

 ボッケンと再会を喜びハイタッチする。

「無事でよかった」明が言う。

「助けに来てくださったの?ありがとう」美理が答える。「お願い。麗子を!」

 グレイは落ちている海賊の銃を拾う。唇をかみしめて言う。

「俺がアダムスを追う!」駆け出す。

「お、おおっ。・・・どうしたんだ?あいつ」

 明たちはグレイの“演説”を聞いていない。 

「援護するよ」ボッケンが後を追う。

 それを見送りつつ明がつぶやく。

「よし。次だ。・・・マーチンの奴、無事ブリッジに着いたかな?」


 ここは男子トイレ。

 マーチンが小便中。壁の<エンゼル=ヘア>船内図を見ながら、ぽつりと一言。

「やばい・・迷った」

「もれる~」海賊が飛び込んで来て、隣で用を足す。

「ふう・・・あ!」マーチンと目が合う。

 マーチンはライフルを奪われ、連行される。中央船体にあるブリッジへ。

<エンゼル=ヘア>のブリッジはちょっとしたオフィス並に広い。

 床には乗員らしき数名の人々が手錠をかけられ横たわっていた。まだ気絶しているようだ。オーナーが実は海賊だったとはいえ、船長以下乗員の多くはその部下ではない。

 このクラスの宇宙客船は基本自動操縦で航行する。乗員が眠らされても墜落する(この場合X-1に落ちる)事は無いが、自動操縦では海賊の侵入を防げない。

 マーチンは知らないが、彼ら乗員が素早く救難信号を発したため、予定より早く<銀河パトロール>が到着、要塞はこの場を離れる事が出来ずに亜空間に隠れていたのだ。

「何だ?そいつは?」

 指揮官らしき海賊が怒鳴る。顎髭を生やし西部劇のガンマン風の海賊・ジャック。 

「不審者を発見し連行しました」

「案内ご苦労さん」マーチンはニヤリとする。

 次の瞬間、バリバリバリ・・・ 電撃!

 銃から感電し海賊達が次々と倒れていく。

 ただ一人、ジャックだけは無事だった。

「貴様!」

 マーチンとジャックの目が合う。火花が散った気がした。

 約10m離れて対峙する。

 ジャックの腰にはリボルバー。昔の銃のレプリカモデル(中身はレイガン)だ。

 マーチンは腹の脂肪の間に隠し持っていた拳銃をホルスターにしまい、向き直る。

 ジャックはコインを取り出す。

「こいつが落ちたら抜く。いいな」早撃ちを競う気だ。

 マーチンがうなずく。

 ジャックはコインを親指で弾く。

 コインは宙を舞い、床に落ちる・・前にジャックは銃を抜く。フライングだ。

 その銃が火を噴く事はなかった。

 フライングを読んでいたマーチンの電撃の方が早かった。

 衝撃で飛んだ銃が床に落ちる。だがジャックは平気な顔をしている。

「!(電撃が効かない)」

「貴様の武器は電気か。俺は・・これだ!」

 ジャックは右手を銃の様にして、マーチンを指差す。

 強力な何かがマーチンを襲う。

 風?腰の銃が剣が飛ばされる。前に。ジャックの方に。

「磁力か」

 マーチンは通信機を兼ねたバイザーが持って行かれるのを押える。

 ブリッジは段差のある二層構造になっている。

 マーチンは下に飛び降り、死角に隠れる。

 ジャックはマーチンの銃を拾い、笑みを浮かべながら前進して来る。

 マーチンは帯電体質だ。故郷のブウ星は星全体が帯電しているため、移民者は生体改造されている。一方ジャックは磁力を操るサイボーグだ。

 電撃のパワーを上げれば倒せるかもしれないが、ジャックだけに当てるのは難しい。海賊はともかく乗員もいる。

「やべえな。何か武器はないのか」

 ズルッズルッ。何かが床を這う。

 磁力に引かれ鉄アレイが動いていた。乗員が筋トレに使っていた物だろうか?

 ひょいと持ち上げる。

「そうか・・えいっ!」

 マーチンは鉄アレイをジャックに投げつけた。

 それは磁力で速度を増し・・・

 ドゴッ!「お!」

 鉄アレイはジャックの股間を直撃。うずくまる。あそこは生身?

「とおっ!」

 その隙にマーチンはジャンプ。

 自らの体重を武器にして、ジャックの上に落下。どし~ん。ボキ。ぐしゃ。

「返してもらうぜ」

 マーチンは失神したジャックから自分の銃をとり返す。

 ブリッジを制圧したマーチンは、拘束されていた船長ら乗員を助ける。

「ん?」

『ピンポンポンポン・・』

 船内放送が入る。

『こちらドレイクだ。次の作戦を伝えたい。全員VIPルームへ集まれ!大至急だ!急げ!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ