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序章

お分かりと思いますが、この物語はフィクションです。

 プロローグ


 その部屋は汚かった。

 床に散らばるポテトチップ、するめ、あたりめ、チョコレート、柿の種、ビーフジャーキー、焼きとりの串、肉まんの紙、コップ、溶けた氷の跡、酒瓶、そして新聞には、

『星間犯罪結社<パラドックス>大量検挙』 『首領他多数逮捕』 『事件の陰に謎の宇宙船』

『癒着か?ネオ=マルスに犯罪者の本拠地』『パンゲア星で集団幻覚?』etc.の見出しが。     

 言うまでもなく宴会の跡だ。

「ふあ~」起きる弓月明。「あったまいてえ」

 21歳(誕生日過ぎた)。地球人。運び屋<スペースマン>のチームリーダーで主操縦士。元スペースレーサーと信じ切っていたが、それは偽りの記憶であり、実は500年間の冷凍睡眠から目覚めた。動体視力に優れ、格闘技や銃と剣の扱いにも長けている。

 隣では流啓作がすうすう寝息を立てていた。

 22歳。移民星ルリウス出身だが出生は謎。異星人。医師。17歳で医科大学を卒業した天才。豊富な知識を持ち、熱血漢な明と対照的に冷静沈着、チームの参謀役である。

「珍しいな。こいつがここまで飲むとは」

 啓作の妹・美理を星間犯罪結社<パラドックス>の手から無事守り抜いた安心感からか、明と美理に真実を話せた満足感からか、昨夜の啓作はクールな彼には珍しく、よく飲んでよく喋った。

「うわ」

 よく見ると、ボッケン・ヨキ・シャーロットの屍もあった。

 パリポリ・・ 明は奇妙な物音の方を向く。

「ひ」

 “もったいないお化け”と化したマーチンが残り物を漁っていた。

 19歳。移民星ブウ出身。メカニック担当。帯電体質で電撃が武器。趣味は食べる事。

「お前、それするから痩せねーんだぞ」

「・・・」ポリポリ

 明は“アルコール急速分解剤”を飲む。

 シャキーン。

 体内のアルコール・ホルムアルデヒドを瞬時に分解する神のドリンクだ。

 <フロンティア号>コクピットへ。

 通信席のランプが点滅していた。留守録メッセージを再生する。

『こんばんは・・いやおはようございますかな?流美理です。ありがとうございました。・・え~お元気ですか・・昨日の今日だから当たり前か。お礼という訳ではありませんが、一か月後の文化祭の招待状を送ります。来れるようなら是非来てください。でも無理はしないでね。ピンニョちゃんも何か・・いいの?・・・それでは、ごきげんよう』

「こっ、これは!!・・文化祭の招待?・・つまり・・あの中に入れる!!!」

 明はガッツポーズをとる。残りのメンバーも起きてコクピットに集まって来る。

「兄き、早いね」ボッケン。

 シェプーラ星の馬型知的生物。視力聴力脚力に優れる剣の達人(馬)。

「おはよ~」

 あくびしながらヨキも登場。

 12歳の小柄な少年。移民星ミルキン出身。3分間しか超能力を使えないエスパー。

「次の仕事は?」

 啓作が尋ねる。

「21時間後にバラ星雲」

 シャーロット=クィーンが答える。

 22歳。地球出身の金髪美女。ワーププログラミングとデータ解析のプロである。

 メンバーにはあとピンニョがいる。DNA等改造された元実験動物。特殊能力を持った小鳥。今は美理のボディガードとしてルリウス星に残っている。

 明はメンバーに美理のメッセージと招待状を見せた。ヨキとマーチンがにやける。

「文化祭を心の糧としつつ、<フロンティア号>発進!」

 <フロンティア号>は力強くエンジンを噴射。宇宙の彼方へ消えて行く。


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