サクラと俺と女達 1
ストーリィと言うよりも
テンプレの消化ですなぁ・・・
もぅ数話ほど続きます
定宿の窓、左右両開きの木の板、その閉じた隙間から朝の陽の光が一筋差し込んでいる。
いつもの宿、いつものワラ・マットのベッド、いつもの朝だ。
いつも通りじゃないのは、俺の胸の上で大の字になって寝ているヤツが居る事だ。
「サクラ、起きろ朝だぞ」胸の上から、サクラを抱え上げて起こそうとー
「すぴすぴーぴぴぴー」
起きそうにない・・・
「メシだぞぉ起きろおぉぉぉ」
「ごーはーんーーー」
即、起きた。
どやって探知したのか、すぐさま部屋になだれ込んで来た女達によって、
サクラは顔を洗われー ジタバタしている。
着替えさせられてー アリスさん、手馴れてるなぁ。
みんなと一緒に、宿に併設されている食堂、兼、酒場へと向かった。
ラミアの巨乳ウェイトレスのエリーナさんが注文を取りに来る。
「エリーナさん、定食6つ頼みまー・・・」
「サクラちゃあぁーーーんんん」
エリーナさんの巨乳攻撃、サクラ抵抗むなしく窒息寸前だ。
これって、朝の定番の風景になるんだろうか?
女達がサクラにメシではなく食事、をすると言う行為を分からせようとしている。
でかくなれば、そのうちに言われずとも自分でするようになると思うんだがー
サクラ、ちびっこくても女って大変なんだな・・・ がんばれ。
さてと、今日の予定は、
まずは冒険者ギルドで登録。
次に色々と買い物らしい・・・
ら・し・い・
女の買い物かぁ・・・
やっぱし、付き合わないとダメなんだろうか?
俺、居なくていいよな・・・
誰か、いいと言って。
湯呑み片手に、ん、な事を考えていたら、サクラに、てしてしと叩かれた。
「お、おう。よっしっ、でかけるぞっ」
「あい」
さくらがニパーと笑う。
ちくしょうっ、コイツ、かわゆいぢゃないかっ。
そうさ、そうだ、そうなんだ。
男は何であれ、覚悟を決めなくちゃ生きてはいけぬのだ。
俺の覚悟は、お前と出合った時に既に決定しているぜぇーえぇぇぇ・・・
いい天気だ。
定宿に面した小広場、そこからの小路を通り大通りへと向かう。
冒険者ギルドは大通りに面して建っている。
きょろきょろと物珍しそうにしている、サクラの手を引いて歩いて行く。
それほど時間もかからずに冒険者ギルドに着いた。
扉を開けて入る冒険者ギルドは、朝と言う時間帯のせいかごったかかえしている。
割の良い依頼を取りたいのは誰も同じだからだ。
寝坊して来ては定番の物や、たいした物しか残っていないんだ。
「時間をずらすべきだったか」
俺がつぶやくと、
「他の冒険者に、サクラを見せる意味合いも有るから問題ないわ」
アーク・スケルトンのアリスさんが言う。
「受付・・・ひとつ空いてる・・・」
リッチ・ロードのタマが指差す。
「朝は教官殿も受付をしているでござる」
動く甲冑のレイチェルがうなずく。
「つるつるーあたまー^^」
ピクシーのフェイがパタパタと飛んでいく。
飛んで行くぅー・・・
教官殿のつるつる頭にペタリと張り付いた。
「むっフェイか」
表情ひとつ変えないのは、さすがだ。
「おはようなのー^^」
頭に乗っかって手でなぜまくっている、フェイ以外誰にもできないぞ、それ。
「うむ」
まんざらでもなく見えるのは気のせいなのか?
この頭にフェイを乗せて居るのは、このギルドの戦闘教官もしているギルド古参のおっちゃんだ。
通称、教官殿と呼ばれている。
鬼の教官殿だ。
魔族なんだが年齢不詳の筋肉ムキムキ、頭つるつるのおっちゃんだ。
俺もだいぶん世話になった・・・ なりすぎて絶対一度は倒すと誓っている相手だ。
その空いている受付、おっちゃん、教官殿の所へ行き今日の目的を片付ける事にした。
「教官殿、冒険者登録をお願いします」
「む、タロウか。冒険者登録つー事は、新人か?」
暇そーにしていた教官殿がギロっと睨み付けて来る。
サクラが受付のカウンターによじ登ろうと、両手つかみで顔だけなんとかヒョコリと見せている。
そのサクラを、俺は指差した。
教官殿とサクラの眼が合う。
じっと見つめ合う二人。教官殿の顔は古傷だらけで結構、迫力がある。頭にはフェイが居るが。
じーーーと、見つめ合う二人。
教官殿の目付きは薮睨みで正直、目付きはかなり悪い。頭にはフェイが乗ってっているが。
で、サクラがいきなりニパーと笑った。
教官殿が表情を変えずに、ゆるりと腕をサクラに伸ばし、でっかい手でサクラの頭をなぜた。
「ふむ、むぅ」
なでまくってる。
サクラもイヤがらずに、なでられまくっている。
俺と女達は、めったに見られない代物を見てしまったみたいだ・・・
気がつけばギルドは、さっきまでの喧騒がウソのように静まり返っていた。
全員が全員、ギルド職員も、教官殿とサクラを見ていた。
「おっ」
顔を上げて回りを見渡す教官殿、やっとこさ教官殿が状況に気がついたようだ。
「てめぇら何見てやがるっ! 全員、戦闘訓練、鍛えなおすかぁあぁ!」
ビリビリと怒鳴り声が、ギルド内へ響き渡る。
ドタバタと、みんな顔を背けていっせいに動き出す、みんな命は惜しいようだ。
教官殿が両手を腰、胸を張って、文句あるかつー感じで、鼻息をひとつでっかくついた。
教官殿の頭の上のフェイが真似して同じポーズを取っている。
そして、俺達の方へ視線を戻して、
「この、ちびっこいのが登録するのか?」
「サクラです。登録をお願いします」
教官殿は、サクラを確かめ直すように見た。
「まぁいいか」
と言うと、受付カウンターの下から魔道具を取り出した。
四角い台座に手の平よりも大きい半球が付いている魔道具だ。
「こいつに手を置かせろ」
俺はサクラを抱き上げて受付カウンターの上に座らせた。
「サクラ、この丸いのに手を置くんだ」
サクラが俺を見上げている。
「あい」
返事をして魔道具に顔を向けて、ペトと手を置く、サクラ。
教官殿が手元のパネルに目をやっている。
眼をやっているぅー
眼を・・・
教官殿が固まっていた。
「教官殿・・・」
俺は声をかけた。
ハッとして、教官殿が俺の方を見た。
「タロウ、話がある。女達もだ。その、ちびっこいのも連れて付いて来い」
何がなんだがだが逆らえも出来ず、俺達はギルドの二階のギルド・マスターの部屋へ教官殿に連行されてしまった。
そのギルマス部屋。
教官殿ともう一人、ギルドマスターの種族不明のしわくちゃ爺さんが居る。
さらには、影のギルマスと言われている、ダーク・エルフの秘書ダディさんも居た。
「こ・れ・はぁ・とてつもない事よねぇ」
くねくねアクションで男のダディさんが言う。
「えーと、幼女では冒険者の登録は不可ですか?」
俺は、あえてボケてみた。
「そ・ん・な・コトぉじゃないのは分かってるでしょぅ」
男のダディさんが、ダディさんが言う。
「説明、お願いします」
ボケなしで俺は頭を下げたー・・・
「そ・の・子・ルーン・ウルフの獣人種なのよぉ」
俺の後ろに居た女達の気配が、ザワっと波立った。
「ルーン・うるふ?」
俺の疑問に、
「あむ」
しわくちゃ爺さんのギルマスがいつも通りの一声のみで、うなずいた。
「あぁ、タロウは稀人だったな。知らなくても当たり前か」
教官殿が言った。
「ルーン・ウルフつーのはなぁ。めんどい、そっちで誰か説明してやれ」
教官殿、丸投げかよ・・・
リッチ・ロードのタマのサポート、アーク・スケルトンのアリスさん説明話によるとー
「ルーン・ウルフの獣人種。この魔大陸では存在するはずの無い種族なのよ」
「遥か昔、魔大陸も人大陸も、魔とか人とかの区別が無く、
それぞれの大陸で様々な種族が混在して住んでたと伝えられているわ」
「それが、色々有ったらしくて、魔大陸には魔族が集まり、人大陸には人族が集まり、
さらには、魔大陸には人族意外の様々な種族が、人大陸から移動・流れてきてー」
「魔大陸には、人族以外の種族が住むようになって」
「人大陸には、人族ばかりが住むようになったらしいわ」
「そして、こっちを魔大陸、向こうを人大陸と、いつのまにか呼ぶようになったの」
ござるの動く甲冑のレイチェルが話しを引き受け続ける。
「ルーン・ウルフとルーン・ウルフ獣人種なのでござるが、人大陸で今も伝承されている話が有るでござる」
「魔大陸から人大陸へ、人族集団の最後の大移動の旅あったでござる。
エクソダス・ストーリィと語られている話なのでござる」
「その旅に、一緒に、一族全てが同伴したのが、ルーン・ウルフとルーン・ウルフ獣人種なのでござる」
「なんでも、その人族の聖女殿の守護獣として、種族全部でくっ付いて行ったそうでござる」
「聖女殿、かなわぬでござろうが、どのような御仁であったか会っててみたかったでござるな」
うむぅ、聖女って、そんなにすごい、おっぱいだったのか・・・
でもって、ピクシーのフェイが話しだす。
「そーの、ひとたいりくの」
「るーん・うるふさんも、るーんうるふ・じゅうじんさんもー」
「えーと」「えーと」「えーと」
リッチ・ロード、タマ出番だ。
「絶滅・・・危惧・・・種、指定・・・」
「絶滅・・・している・・・に・・・」
アリスさん、お願いします。
「まぁ絶滅したんじゃないか? て、言われてるらしいわね」
「元々、さほど多く無い個体数が年月をかけて数を減らせて行った事がひとつ」
「さらには希少性とネームバリューが有り過ぎたのでしょうね」
「人族の密猟による貴重な毛皮狙い、奴隷化、召喚獣、契約獣」
「それと、住処を人族とのバッティングで争い、追われていった事」
「良く有る話なのかもね・・・」
教官殿がアリスさんの話しに、ひとつうなずいて口を開いた。
「だがな、一番の原因はー」
「人大陸では人族が、自分達以外の種族を排斥して行った事が、最大の原因なのだろうな」
「向こうじゃ、物好きに残っている、白エルフもドワーフも苦労してるらしいからな」
俺はー
「人間ってヤツは」
「俺の前世界でもそうだったが、こっちの世界でも人間って、本当にロクデモない代物だな・・・」
裏ギルマスのダディさんが、俺を見つめて言った。
「タ・ロ・ウ・ちゃん、ルーン・ウルフ達はぁ、誰にぃ強制されて行った訳ではぁないのよぉ」
「そ・の・結果・のぉ、責任はぁ自分達ぃ自身に有るのぉ」
「にん・げん・にぃ・あいそが尽きたならぁ、こっちに戻ってくればいいのよぉ」
「それ・だけ・のぉ、力は有る種族のはずなんだからぁ」
「タ・ロ・ウ・ちゃんが気にやむぅ必要はぁないのよぉ」
ダディさんに気を使わせてしまった。
まぁ、とにかく、
ルーン・ウルフの獣人種。
こっちの魔大陸では存在するはずが無い種族なのか。
その種族の幼女が突然現れたってー
そりゃ固まるよなぁ・・・
サクラは俺の膝の上で、長すぎ話で寝てしまっている。
見た目は、ただの犬系の獣人種なんだが・・・
「あむ、タロウ、その子を頼むぞ」
ギルマスが一言以上、喋ったっ。
「おぅ、もうPTの仲間だからな」
当たり前の事を言うなって。
その俺にー
「で・ね・ぇ・なんでぇ、その子、奴隷紋付きなのかしらぁ?」
裏ギルマスのダディさんが、ニタリと笑って聞いてきた・・・
正直に説明したぞ。
俺は元々、とても正直な人間だ。
ウソはいけにゃい、信頼大切。
ハーレムって何それ、そんな、いかがわしい代物、美味しいはずがにゃいっ。
男として、そんな代物に、決して手を出してはいけにゃいっ。
いけにゃいったら、いけにゃい。
と、思ふ。
場の空気が、しらーーーとしているです。
しわくちゃ爺さんギルマス、微動せず。
教官殿はニヤニヤしっぱなしっ。
裏ギルマスのダディさんは、うつむいた頭に指を当ててジト目で俺をにらんでいる。
女達はー
もぅ知ってるから、いいかぁ・・・
俺は、膝で寝ているサクラを抱えて、慈愛に満ちた微笑を浮かべる。
う、うは、うはははーーー
はぁ。
三者面談、お疲れ様でした。
奴隷紋の、お仕置きゼロ設定とかペナなし設定なのを説明して、
やっとこさ、許しの雰囲気になってくれた。
奴隷って言っても、幼女に酷いことするはずないじゃないかっ。
「タ・ロ・ウ・でぇ、良かったって事よねぇ」
しみじみダディさんに言われてしまった。
その後、冒険者カードを貰い、やっとこさ冒険者ギルドを出る事ができた。
疲れたぞ・・・
冒険者カードをさくらの首に掛けてやる時、
サクラが起き出して、眼をこしこしする光景になごんだのが救いだった。
「ごはんーーー」
どっかでメシ食うか。
ハーレムかぁ、ハーレムねぇ、ハーレム・・・
手の届かないモノほど、男は憧れるのであった。
ハーレム、マイ・どりーむぅぅぅ。
週いちペースで投稿予定
酔っ払った勢いで投稿してます
でもって@で見直し、手入れし直し、します
ですー・・・