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目指せっ、ハニートラップ

全てが初なので、あまり期待せずにお読み下さい。

 いつもの夜、いつもの酒場、いつもの喧騒だ。

 宿に併設されている食事所&酒場に俺は居る。

 冒険者デビューしてからずっと定宿にしている宿、もぅ根が生えているんじゃないかと自分でも思う。

 もっとも、デビューしたての頃とは違い、寝泊りに取る部屋のランクは上がり風呂付にはなっている。

風呂が付いても宿程度で、お世辞にもホテルなんて豪華さは無いが。


 お茶と漬物で時間をつぶしている俺に。

 「タロウ、お腹すいたー」

 「そろそろ戻ってくるはずだ、もちっと待て」

 「て、フェイお前、お菓子あんまり食うとメシ食べられなくなるぞ」

 「お菓子は別腹ー」

 テーブルの上で4枚羽根をパタパタさせてクッキーをポリポリと齧っている、

身長20センチくらいの女性ピクシー種。

 PTの魔法担当メンバーの一人、フェイだ。

 この世界に転生してすぐくらいに出会い仲間になった。

 テンプレに蜘蛛の巣に引っ付いてジタバタしているのを助けのが出会いなのだが、

俺のどこを気にいったのか、それ以来ずっと一緒にいる。

 正直、こいつと最初に出会わなかったら俺、死んでいたろうなぁ・・・

 白魔法の担当で腕はいい、MPも豊富だし、気難しい所も無くーなさすぎなのだが、文句も問題もない。

ちっこいけれど、何より美人でスレンダー系のそそるボディでは有る。

ちっこいけど・・・


 「タロウ、視線がいやらしい・・・」

 「俺は純粋に美を観賞しているだけだ、やましいものなどない」

 「ウソ・・・」

 「俺は大切なPTメンバーにウソなぞつかないぞ」

 「おおウソ・・・」

 「お前なぁ」

 コミュ障ぎみに絡んでくる、もう一人のPTメンバー。

 リッチ・ロードのタマだ。最初に知り合った時、それ本名?と聞いてしまった俺だった。

 PTの黒魔法の担当、火力砲台、頭脳担当、頼りになるメンバーだ。

 テーブルの向かいでフードマントを被り、その奥から眼がぼんやりと光っている。

 お願いして一度だけ顔を見せてもらった事がある。

 リッチって言うから、骨のドクロなのかと思っていたのだが、予想外、なかなかの美少女だった。

 本人、とても嫌がって抵抗したが、PTメンへ一度は素顔を見せるべきだの説得で、

何とかしぶしぶ見せてくれた。

 その素顔を見てPTメンが美少女じゃんと本気で褒めたのは伝わったのだろう。

 顔を赤らめて恥らっていたのを覚えている。


 「それにしても少々遅いでござるな」

 「今回は、いつも以上にすごい獲物が多かったからなぁ、そのせいだろう」

 「まぁ確かに、多いのは多かったでござるか」

 この、ござる言葉の野郎は、女なんだが野郎でいいっ。

 脳筋、PTの盾役、タンクのレイチェル。とにかく固い、頼りになるタンク。不動の壁。

 しかし、こいつの脳筋行動で過去どれだけ迷惑こうむったか・・・

 ヘタな男よりも男気溢れる姫?騎士様だ。

 フル・プレート・アーマーに身を包みーと言いたい所だが、

そのプレート・アーマー自体が本体、俗に言う「動く甲冑」。それがレイチェルだ。

 で、ドドバァン・キュ・ドドバァン。ダイナマイト・ボディ?なのだった。

 こいつは俺の黒歴史だ・・・

 最初に知り合った時、

やたらと色っぽい曲線での体表面ぴったり密着なフル・プレート・アーマーだったので、

中身に期待したのだった、期待しすぎたのだった。

 男としては当然だろう?

 いつも誤解されるのでござる、とか言いやがって、

面当てを上げて、中身が空洞なのを確認させてもらった時のガッカリ感・・・

 イヤ確かに俺も悪かったのだけれど、ちゃんと謝罪もしたぜ。

 コイツの苦笑まじりの励ましフォローはキツかった。


 「遅くなった、待たせたな」

 「いや、本当ならPTメンバー全員で片付けるのが筋さ」

 「そうでござる」

 「です・・・」

 「お腹すいたー^^」

 姉御肌、実質このPTのリーダーでまとめ役。

 アーク・スケルトンのアリスさんだ。常識人だ。

 スケルトンと言っても、革製の一通りの防具は身につけている。

 金属製は骨にこすれて気色わるいらしい。

 もっと防具の強化しないのか?と聞いた時に教えてくれた。

 金属に革で裏打ちしたら?と言ったら、シーフ技能が阻害されると言われた。

 なるほどと納得してしまったっけ。

 スケルトンにしておくのが惜しいほど、普通で、いい女だ。


 「全員揃った所でメシにしようぜ、食いながらでいいだろう」

 「フェイ殿が限界でござる」

 「お腹へったー^^」

 「私も・・・」

 「実入り良かったから、かなり贅沢にいけるぞ」

 「「「「おおおおー」」」」


 こいつら、普通に飲み食いするんだよなぁ。

 なれたと言えば、慣れたんだが、

知り合って、PT組んで、結構になるんだが、いまだに不思議現象だ。

 注文の料理に、がっついているのは俺くらいか・・・

 こいつら、なんだかんだ言って育ちが良いのか、女性だからなのか、品良く食べるんだ。

 時々、俺の方が注意されるほどだ。


 「で、どうだった?」

 「白金貨5枚、一人当たりワラジ金貨10枚だ」アリスさんがニヤっと笑って答えた。

 「「「「おおおおお」」」」待っていた全員、思わず声が出ちまった。

 俺の前世の貨幣換算にすると、ワラジ金貨10枚は1000万くらいに値する。

 この世界なら、質素な生活をすれば、ん10年以上、働かないで生活できるほどだ。

 もっとも、冒険者家業なんてしていると、武具・装備に凝ったら1000万も即飛び有り得るのだが・・・


 「しばらく、ゆっくりできるな」今回の狩りを思い出して、思わずつぶやいてしまった。

 「まぁ明日から何をするかは明日で、今夜は豪勢にいこうか」アリスさんが言う。

 「新しい本が欲しいです・・・」タマのヤツ、また本に金を使うのか・・・

 「お菓子ー^^」太るぞフェイ、でもナゼかコイツどんだけ食っても太らないのだよなぁ。

 「修行ができるでござるな」ギルドの練習場が、また屍るいるいになるのか・・・

 

 さんざん飲んで、食って、お開きになり、宿の部屋へ引き上げた。

 女達は風呂付4人部屋で(風呂好きになったのは俺のせいだ)

 俺は風呂付一人部屋だ。

 一人部屋でも、決して孤独ではない。

 むしろ、小ウルサイやつらが居なくて、開放されている。

 男のプライバシーは大切なのだっ。うむ。うむ。


 で、俺は今、夜は深夜の街、その街の通りをひた走っている。

 マップ・オープン、気配察知、隠密。さらには高かった各種アイテムの助けを借りながらー

 

 目指すは、花町っ。

 いいお姉さんも、いけないお姉さんも、危ないお姉さんも、山盛り居る。

 男の極楽、天国、桃源郷。花町を目指して。

 今夜こそ、男になるんだーーー!

 決意は固いぞっ、と。


 PTの中での俺の立ち位置は、「何でも屋」

 俗に言う魔法剣士ってところだ。

 魔力身体強化、スピード・ブート、闘気操作、各種エンチャント。

 狩るモンスに合わせてエンチャントした剣で、プラスアルファのダメージを叩き出す。

 場合によっては、白黒の魔法も駆使して専業のサポートをする。

 何より、MP回復のリジェネレーションは有り難いと言われる存在だ。

 器用貧乏とも言えるが、やっとこさ最近ひとつの壁を乗り越えて、

それぞれのジャンルで専業職並みの能力になり、ある意味バケモノとか言われるようになった。

 まぁ転生チートはお約束だが、努力なしではここまで来れなかったろう。


 その俺が能力全開で、慎重に慎重を重ね、夜の街をひた走っている。


 今夜こそ、今夜こそ。

 待っていてね、お姉さんっ☆ お姉さん達☆


 見えてきた、ソーシャル・クラブの魔法照明、明るい看板が並ぶ、男のあこがれ花道小路。

 一種、独特の雰囲気が漂う、ハエ取り紙のような、男の甲斐性、花道小路。

 この世界に来て、えかった体験をするのだっ。男の夢と希望、花道小路


 が、俺は足を止める。

 変だ、何も無い、そんなはずは無い、ここまであまりに何もなさすぎるっ。

 過去の出来事が走馬灯のように脳裏に蘇る。

 ファイアーボールで黒焦げになった事。

 さらに追撃、HPドレインで棺おけ片足になっった事。

 不意打ちの弱点攻撃&スキル手加減、スキル技の連携連打でHP1で連行された事。

 顔に張り付かれて、フラッシュの真っ白な視界から魅了を使われ、告白させられてしまった事。

 4人の、見事な手加減抜きの本気、殺す気まんまん、芸術的な連携で、返事が無いになりかけた事。


 脂汗が顔面に浮かぶ。

 まったく、なんの気配も無い。

 ヤツラの気配の欠片ひとつ無い。

 花町のざわめき、人通りは有る。

 有るが、しかし、

 あまりに不気味すぎる・・・


 死を覚悟すべきか。

 それほどの覚悟が必要なのか。

 いや、男なら、男なら、

 ここは逝かざるおえないだろぅ。

 色んな意味でー


 やった、俺はやった、偉いぞ俺っ、誰か褒めてね俺っ。


 今、俺は、扉をくぐり、館の中に居る。

 初めて、ここまで来た。涙がこぼれそうだ・・・

 この城砦都市で誰に聞いてもNO1のソーシャル・クラブ。

 「ハニートラップ」だ。


 ハニートラップの女主人がにっこり笑って、俺に言う。

 「今夜は身体が空いているレディーが4人しかおりませんの」

 「どの娘も最上級の娘ですから、殿方に御不満はあられないと自負しておりますわ」

 「誰か1人を選ぶも良し、4人全員とご一緒するも良し」

 「どうぞ、お選び下さいですの」


 俺は、その時、逃げ出すべきだった。


 開け放たれた扉からー


 パタパタと4枚羽根でゆっくりと飛んできた、

 ピクシーのフェイ。こいつ新調したドレス着ていやがる。

 まさか、アラクネ・シルク製じゃないだろうな。

 本当に、こいつ。美人でナイス・バディなんだよなぁ。

 性格も、かわゆいし。

 けど、

 ちっちゃいんだよ、

 ちっちゃいんだよ・・・


 こいつタマ?ほんとにタマ??

 フードを下ろし、ってか、そのフード・マントやたらと豪奢じゃないか。

 ふわっとした極薄の半透けの、真っ白で金糸・銀糸で彩られたフードマント。

 半透なので、身体がやたらエロく透けて見えてしまっている。

 こいつ、下に何も着けていないじゃん!それ、ヤバイいって!

 見るだけで、触れないけれど・・・


 レイチェルよぅ、お前・・・

 ドドバァン・キュン・ドドバァンはいいのだけれどー

 動く甲冑・フルプレートアーマー、その上にレースの下着&半透けのベビードールって・・・

 いくら、エロい造形しているからって、それは・・・

 エロすぎだろうっ☆

 触ったら硬いけれど・・・


 で、最後に入って来たのはー


 アリスさん。姉御ぉ。

 防具も何も無しで、唯一、首骨に真っ赤なリボンを結んで、

 恥ずかしそうに、恥じらいながら入って来た。

 いや、まぁ、確かに、

 アリスさんの防具装備なしの姿って、見た事ってー

 無かったっけ? 無かったような、無かったな、ん、記憶無いぞっ。

 今、気付けば、

 素での骨だけの状態での姿って見た事なかった。

 つまり、つまりだ。それはー

 素っ裸の首リボンって事にゃのかぁあぁー・・・

 うわ、どうしょう、俺。


 土下座しました。

 ひたすら土下座しました。


 もぅ男として、ここまでやられてしまっては認めるしか有りません。

 自分、既に彼女達の所有物とー

 

 しかし、

 人はこれをハーレムって言うんだろぅか?


 男のリドビー行き場と解消を失っています。

 誰か助けてって、言ってもいいと思ふ。

 

 ちびっこいピクシー

 触れないリッチ・ロード

 触ったら硬いぞ、動く甲冑

 でもって、肉なしアーク・スケルトン

 これがハーレムって言うのならばー

 

 ハーレムって何それ、美味しいの?


 追記

 衣装代は全て俺持ちになって、

 館ハニートラップの貸切も俺持ちになって、

 その後の、ハニートラップお姉さん全員も含めて、

 女だらけでの宴会サバトの飲み食い代も俺持ちになって、

 なんだ、かんだで全て、俺が、男達が、男って代物が、悪いらしくてー


 転生女神様、助けて下さい。


 あ゛、女神様も女だったか・・・


 でも、もぅ一度言わさせて下さい。


 ハーレムって何それ、美味しいの?

投稿は月に2~3本の予定です。

あくまで予定です・・・

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